先輩。お疲れ様です。

え？あ、はい…時間ならありますけど…

わかりました。

じゃあ俺、先にお店行って席取ってるんで。



はい…はい…

へー、そうなんですね。それは知らなかったです…

…って先輩…辛いならもう飲むのやめましょうよ…

はい。俺、ここで待ってるんで。

お花、摘みに行ってきて大丈夫ですよ。



大丈夫ですか…？顔、真っ青ですけど…

ああ、いえ。お金のことなら全然…

てか、俺は奢りでも大丈夫ですが…

あぁ、はい。領収書ならとってあるんで。

え？……えぇ⁉︎いや、それは流石に…！

たしかに、俺の家の方が近いですけど…！

あ〜…わかりました…

じゃあその、俺ん家まで案内します…



先輩…気分、どうですか？落ち着きました？

ならいいんですけど……先輩？

えっ…い、いえ！そんなことは…！

は、はい…まぁその、飲みたくはありますけど…

でもフラフラの先輩から、血液をいただくなんてことできません。

はい。今日は泊まっていいですから、ゆっくり休んで……って、うわっ！

(ベッドに押し倒される)

ちょ、先輩…！何してんですか、ホント…！

は、はぁぁっ⁉︎

だ、ダメですって！先輩、飲み過ぎで調子悪いのに…！

そんな誘わないでくださいよ…

俺だって、男なんですよ？

いや、でも…やっぱこういうのは違うっていうか…

先輩の弱ったところを襲うなんて、できないです。

すみません…こんなヘタレで。

それに…一回でも血を吸ったら、先輩のこと、眷属にしてしまいますし…

俺、酒の勢いとかでそういうことはしたくないです。

(抱きしめられる)

先輩…そういうのはズルいですよ…

俺にだって、我慢の限度くらいあるんですから…

…先輩、子どもみたいですよ。そんな駄々こねて…

…ッ、はい…それはそう、ですね…

正直今の先輩は可愛い、です…

そ、そりゃ飲みたいですけど…！

でも、先輩と俺は上司と部下の関係ですし…！

(キスされる)

…先輩。ホントに酔ってます？

さっき水飲んで一旦落ち着いたと思ったら、また絡み出して…

テヘペロ、じゃないですよ…

こっちが下手(したて)に出たらすぐ調子乗るんですから…

もう一度確認します。

本当にいいんですね？俺に血を差し出して。

…わかりました。上司命令なら仕方ないです。

あとで返せと言われても返しませんよ？

はい？……俺も好きです、先輩のこと。

尊敬する上司として。

い、異性としては……その、性格も見た目もすごく魅力的だと思います、はい…

うぐ……はい、精進します…

(噛まれる)

いてっ！なんで先輩から噛むんですか⁉︎

わ、分かりましたって…！

夜は俺からリードできるよう、頑張りますから…！

じゃ、先輩……今日からよろしくお願いします…

(吸血)



ん……ってもう昼⁉︎マジかよ！大遅刻じゃん！

へっ…？せ、先輩…なんでここに…

あっ、そ、そうでしたね…

昨日たしか、先輩と一緒にそのまま…

あ、はい…今日は休み、でしたね…

はい、おはようございます…

…ってか先輩、もう大丈夫なんですか？二日酔いは？

へー、そうなんですね…

なんで血を吸われたのにピンピンしてるのか、逆に謎なんですけど…

え？……あっ、えっと、それ、今言わなきゃダメですか？

りょ、了解です…

(咳払い)

俺も先輩のこと、異性として好きです…

お、俺と付き合ってください！

ぐっ…改めて言うと恥ずかしくて死にそうなんですが…！

わ、分かりましたよ…

それじゃあ、失礼します…

(抱きしめる)

はい…俺から抱きしめるのは初めてですね。

(匂いを嗅ぐ)

先輩、いい匂いする…

…あっ、えっと、今のはその！

つい心の声が漏れたったいうか…！

(キスされる)

先輩…もう勘弁してくださいよ…

いや、吸血鬼だからとかそんなん関係ないですから。

いえ、それは……俺も先輩に好かれて幸せです。

だ、だから俺からもお返しです。

(キス)

…俺をこんなふうに教育したの、先輩ですからね？

先輩に俺のこともっと好きになってもらえるよう、これから努力するし、先輩のことももっと好きになりたい…と思ってます。

あと先輩の…しゅ、主人になったわけですし、そういう意味でも頑張りますよ、もちろん。

はい…こちらこそよろしくお願いします、先輩。

・台本（ゆるボイ！）
ウブで真面目な吸血鬼の後輩くんが可愛すぎて、からかうのをやめられない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎