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勇者を倒せと命じられたスライムは勇者を陥れる
written by 如月英梨
公開日2021年08月08日 03:54 更新日2021年08月08日 13:09
文字数
2067文字(約 6分54秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
スライム
視聴者役柄
勇者
場所
指定なし
あらすじ
魔王様から勇者を倒すよう命じられたスライム
自分は弱いと愚痴をこぼしながらも、自身の特殊能力を使い、勇者を陥れる
本編
はぁ……まったく魔王様は。

ボクに勇者を倒して来いなんて無茶な事言うんだから。

ボクはスライムだぞ。

最弱の魔物として有名なスライムだぞ。

どうやって勇者を倒せって言うんだよ。

ボクが喋れないからって一方的に言うんだから困るよ。

喋れなくても意思はちゃんとあるんだからね。

こうやって、思考も出来る。

「お前なら大丈夫だ。期待している」って、期待して下さるのは嬉しいけど、どうしたもんかなぁ……

まず、人間の町に入らないといけないけど、うーん。

あっ、そうだ。

この前、気付いたらスキルが使えるようになってたんだ。

このスキルで何とか出来るかも。

えっと~、おっ、丁度ちょうど良いところに人間の女の子が。

ちょっと失礼するね~。

スキル発動!

(空ける)

んっ?

成功した……かな?

お、おお~。

女の子に乗り移れた。

声も出せる。

これなら人間の町に入れる。

えっと……この人間の記憶も……問題なしっと。

おっ?

これは勇者との記憶か?

(空ける)

ふ~ん、勇者の恋人かぁ~。へぇ~。

これは好都合だ。

よし、そうと決まれば早速、勇者のところへ行くか。

しかし、記憶によれば、この人間も相当な手練てだれなんだけど、スライムのボクに乗っ取られるようじゃ、まだまだ甘いね。

え~、勇者が居る家はっと。

あっ、あったあった。

同棲してるなんて、お熱い事で。

(空ける)

ここからは記憶を読み取って人格や性格を模倣もほうする。

初めて使うスキルだけど、記憶が読み取れるから、完全にその人を演じられるのは楽で良いや。

(深呼吸)
すぅ~は~。

よし。

(SE:ノック音)

勇者殿、少し良いか?

(SE:ドアの開閉音)

突然押し掛けてしまってすまんな。

どうしても勇者殿に会いたくなったのでな。

はは、私がみずから会いに来るのが珍しいのか?

なに、たまには私から声をかけるのも良いかと思っただけだ。

おっと、勇者殿、フラついているが大丈夫か?

少し横になれ。

私が膝枕ひざまくらをしてやろう。

おいおい、ガラにもないとは失礼だな。

私を何だと思っているんだ。

介抱かいほうくらいする。

目の前に倒れそうな恋人が居ながら見捨てるような人間ではないよ。

(空ける)

落ち着いたか?。勇者殿。

少しは自分をいたわる事だ。

ところで勇者殿、少し聞きたいのだが、姫様はどちらに?

ん?。ああ、少し姫様に呼ばれていてな。

ああいう堅苦しい場所は苦手なのだが、姫様がお呼びなのだ。

断れる訳がなかろう。

すぐ戻るよ。

さて、姫様の身体も少し拝借はいしゃくしますかね。

(空ける)

勇者殿、戻ったぞ。

姫様がお見えになっている。

服装を正せ、だらしない。

姫様、こちらです。

(空ける)

(FX:エコーなど)
(スライムの心の声)

よし、今の勇者は無防備。

始末するには絶好の機会だな。

ここは姫様に動いてもらおう。

姫様が勇者を手にかけたとなれば大事おおごと

いや、始末するのはやめておこう。

勇者は殺さず生かし、姫様と恋人の信頼を失わせて瓦解がかいさせる。

普通に滅ぼすより、潰しあってもらう方が面白い。

魔王様もその方が楽できるしね。

(空ける)
(元に戻して)

勇者殿、すまないが消えてもらおう。

姫様、今です。

(SE:刃物で刺す音)

悪いな、勇者殿。

ここで大人しく消えてくれ。

何故?

分からないかな?。勇者殿。

私は勇者殿を殺す為に味方のフリをして近付き、恋人になっただけだ。

姫様も最初から、勇者殿に期待などしていなかったようだ。

ですよね?。姫様。

(コクリ)

ん?

何故、今まで殺さなかったか?

はは、私が直接手を下すより、姫様からのがショックが大きいだろう?

だからさ。

どうかな?

恋人に裏切られ、姫様にまで裏切られる気持ちは。

信頼していた者に裏切られる気持ちは。

勇者殿は、もう少し他人ひとを疑う事を覚えるんだな。

だから、私のような人間に、簡単に騙されるんだ。

はっはっはっは!

実に愉快だ。

(FX:エコーなど)
(スライムの心の声)

よし、ボクってば、結構カッコ良かったんじゃない?

これで、姫様と恋人の信頼は地に落ちる。

どれだけ弁解しても、証拠が無い以上、操られていたなんて言い訳は通用しないだろう。

(元に戻して)

姫様、そろそろ、ここを離れましょう。

見つかっては厄介です。

では、勇者殿、せいぜい頑張るんだな。

(この国を崩壊させる事を)
期待しているぞ?。勇者殿。

(数日後)

さてと、あれから国がどうなったか見てみるか。

人間に擬態してっと。

よし、こんなもんかな。

いや~、乗り移らなくても擬態できるようになったのは有難いね。

記憶は読み取れないけど、町を歩くだけなら十分。

おや?。随分と騒がしいな。

すみません、何かあったんですか?

(空ける)

これは……手配書ですか。

なになに?

姫様を殺した元勇者を指名手配。

見つけた者には報償金か。

あ~あ、やっちゃったねぇ~。

ボクの思惑通りだ。

ん?。まだ書いてある。

元勇者は恋人関係にあった女騎士も殺害し、今も逃亡している。

わ~、大変だなぁ~。

あははは。

あっ、そうだ。

この状況は使えるかも。

あの~、姫様と女騎士様のご遺体ってどこに安置されてるか分かります?

(空ける)

教会ですか、分かりました。

(空ける)

姫様と女騎士の遺体に乗り移って、この国を動かすのも面白いかもしれない。

蘇った事は……うーん、神のご加護とか適当な事言っとけば大丈夫でしょ。

あはは、面白くなってきたねぇ。

せいぜい足掻足掻あがくんだね、勇者様。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
勇者を倒せと命じられたスライムは勇者を陥れる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨
ライター情報
シチュエーションボイス用台本を書いている如月英梨と申します。
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