へぇー。お前が転校生か。
は？ボクは誰かって？
はん、これだから無知な平民は。
ボクはこの魔法学校で一番の学力、魔力を持った貴族の娘だ。
そう！お前たちのような凡夫どもには一生手に入れることのできない才能、権力、そして血脈さ。
お父様は貴族であるだけではなくこの学校にも多大な影響力を持っている。
だかまあ、そう悲観することもないさ、ボクと比べること自体が酷というものだからな。
しかし安心しろよ？ボクに媚びへつらえ。そうすればお前の学校生活は安全だ。
でも、もしも逆らったらお父様に言いつけてお前はここにいられないと思えよ？


おい転校生。
今日のテストはどうだった。
この天才のボクが見てやるよ。
なに、恥じることはない。
もしお前の点数がどれだけ低かろうがボクは笑いはしないさ。
さあ出せよ。
嫌だ？
お前に拒否権はないぞ？
いいのか？ボクに逆らうならばお父様にいってお前を即刻退学にすることだってできるんだ。
ふふっ、それでいい。
最初から愚かな平民はそうすればいいのだよ。
さあ何点かな？
………！
ま、満点。そ、そんなわけ……！
ははは……例えまぐれだったとしてもボクに勝つとはね。

まあ今回のテストは正直に言えば全く勉強もしていなかったし、テスト中はずっと体調も悪かったんだ。お前は今回のテストはこの学校にきて初回だったからさぞ張り切っていたことだろう。ボクも申し訳ないよ。そんな全力で勉強しているお前に手を抜いてしまったわけだからね。
（早口だといいかもしれません。）

まあいいさ。
それじゃあな平民。
次は炎の魔法演習だからな、遅れるなよ。


まさかボクが負けるわけがない。
あんなのおかしい。
そうだ、あいつはきっとズルしたんだ。
そうに決まってる。
そうじゃないと貴族のボクが負けるわけがない……！
お父様に言いつけてやる……！

おい転校生。
どうだ魔法の調子は。
ボクは完璧さ。
もう学校で習う中級レベルひいては学校ではやることのない上級のものもできてしまうのさ。
まあ魔法というのは個人の資質の中に血の繋がりも含まれているからな。
由緒正しい貴族であるボクがそこらの凡夫より劣っていることなど万に一つもありはしないんだがね。
さあ、君はどうだい？
ほら君の番だよ。
何を打つんだい？初級の魔法かい？
まああれも、台所でぐらいなら使えるかもね。
はははは！おっと失礼。

（爆発音的なものがあるといいかもです）
な……まさかそれは超級魔法……？！
き、君はどれほどの魔力量を蓄えてるんだ……
は…はは、なかなかやるじゃないか。
まあでも君は平民出身だし所詮ボク達貴族には勝てないさ。
そうさ、勝てるはずがないんだ……。


おい転校生。
ボクと魔法で勝負しろ。
この学校は公式の決闘ならば認められているんだ。
ついてこい。

ここなら存分に戦える。
あぁこの人だかりはなんだって？
ボクが呼んでおいたのさ。
君の勇姿をみんなに見てもらおうとね。
さあ、始めようか。

はぁ……はぁ…
うっ……！もう魔力がない……
ま、参りました。
はぁ……はぁ……
あ………お父様……
見てたんだ。
あぁ……みんなボクをそんな目で見ないで……
ボクは……ひとりぼっち……


なんだい転校生、もう勝負はついただろう。
さあ向こうへ行ってくれ。
いい勝負だった？またやろうって？
何を言っているんだ君は。
もうボクはおしまいさ。
ボクの威厳もプライドも！
全部ズタボロさ。
泣かないでほしいって？
ボクが……泣いてる？
やめ……頭を撫でるなぁ……！
ひっく……ううっ……うっ……
そうか。君だけなんだな。
ボクを見てくれるのは。
ねえ、抱きしめておくれよ。
君がボクを壊したんだ。
責任を取っておくれよ。
これからはずっと一緒にいてくれるかい？
まあ嫌って言っても無駄だよ。
君のせいでこうなったんだからね。
もう片時もボクのそばを離れないでね。
もうボクには……君しかいないんだから。

・台本（ゆるボイ！）
貴族のプライドを壊したら依存された。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
リトルブリッジ