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君は私の痛み止め
written by 霜月鷹
  • 学校/学園
  • ヤンデレ
  • ダウナー
  • 学生
  • 先輩
  • 独占欲
  • 嫉妬
  • 依存
公開日2022年06月06日 00:26 更新日2022年06月06日 00:26
文字数
2216文字(約 7分24秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
暗い過去を抱えた先輩
視聴者役柄
先輩と仲の良い後輩男子
場所
学校帰り→先輩の家
本編
あ、お疲れ様……君、今日も元気そうだね……私?
私は、その……やっぱり、学校って居るだけで疲れちゃうかな……人も多いし、うるさいし……
でもね、今日もこうやって君とお話する為に、私とっても頑張ったの……ありがとね、褒めてくれて。
えっと、どうかしたの……この荷物?
これはその、大したものじゃない方……そんな事より、今日は私……どうしても君に聞きたいことがあるの。

この間、君……女の子と一緒に歩いてたよね、あれ……誰?

君、あの子とすっごい楽しそうに話してた……私と一緒に居る時と同じくらい、とっても楽しそうだった……ねぇ、あの子……誰なの?
へぇ、幼馴染なんだ……羨ましい、君の事、私よりもずっと知ってるんだ……

嫌……ダメ……君は、君は私のなのに……嫌、そんなの嫌……私は君が居ないと──ッ!

ご、ごめんね……急に殴られたら、痛い、よね……

この鞄、教科書とかノートとかいっぱい入ってるから、すっごい痛かったよね?
でもそれ、君が悪いんだよ……君が他の子と仲良くしてるから──
「どうしてこんな事をするのか?」
ねぇ、君……前に自分が言った事……忘れちゃったの?
私が困ってたら自分がなんとかするって……君、言ってくれたじゃん……それなのに、それなのにどうして私の傍から離れて他の子のところに行っちゃうの!?
私、いつも困ってるのに……周りの人達の事が怖くて怖くて仕方なくて、君が隣に居てくれないと泣いちゃいそうだったの……それなのに、君は私じゃなくてあの子のところに行こうとした。
ひどい、そんなのひどいよ……

あ……そっか、そうだよね……私って本当に頭が悪いなぁ……君があの子のところに行かなくなる方法、あったじゃん。

大丈夫、君は少しだけ眠ってて……血は出てないから大丈夫だよ……うん、きっと大丈夫。






あ、起きた……おはよう……頭、まだ痛い?
そっか……待っててね、すぐに痛み止めをあげるから……君の体はベッドに縛ってるから、私が飲ませてあげる。
はい……しばらくすれば効いてくるから、それまでは我慢してね。
傷とかはないから大丈夫、心配しないで……君の綺麗な体は、どこも傷付いてなんかないからね。
ごめんね……君が私以外の子と一緒に居るのを見てからね、私……どうにかなっちゃいそうだったんだ。
君が居なくなっちゃう、君が誰かに取られちゃう、君が消えちゃう……そう考えたらね、居ても立っても居られなくて……体中、すっごい痛くなって──

だから君の事……閉じ込めちゃった。

あのね、私……今まで君に隠してた事があったの……私の体、見て。
ダメ……顔、逸らさないで……私は全然平気だよ、君に体を見られても……だから君も、ちゃんと私の事を見て?

ビックリした、かな……私の体ね、傷だらけなの。

これね、小さな頃に色んな人から付けられた痕なの。
お父さんやお母さん、転校してくる前に一緒の学校に居た人達……とにかく、色んな人から付けられた傷。
私ね、昔から虐待を受けたりいじめられたり……そんな事ばっかりだったの……だから今は、こうやって一人で暮らしてるの。
家族から逃げて、怖い人達から逃げて……やっと痛くない毎日がやってきて……でもね、それでもまだ、傷は痛むの。
人混みの中にいたり、学校で勉強してたり、誰かが近くにいたり……そうするとね、もう治ったはずの傷がまた痛みだすの。
ズキズキって、どうしようもないくらい痛くて……痛くて、苦しくて、怖くて……あの時を思い出して、傷が……傷がまた痛みだすの……!
でもね、君が隣に居てくれると、傷は痛まなくなるの……心があったかくなって、ぽかぽかして、優しい気持ちになって……私、そんな気持ちになったのは生まれて初めてだったの。
この気持ちってさ、多分だけど恋……なんだよね。
私、生まれて初めて他人の事を好きになれた……私に優しくしてくれた後輩、いつも私の事を気にかけてくれる年下の男の子……私ね、君の事が大好きになっちゃったの。
でもね……君があの子、幼馴染さんと一緒に居るのを見たら……見たら、ね……体中の傷が、今まで感じた事ないくらいに痛んだの……全身が信じられないくらい痛くて、その場で泣き出しちゃいそうなくらい、痛くて──痛くて痛くて痛くて痛くて、どうしようもなくなっちゃったの。

だからね……私から君を取り上げようとする悪い人には、いなくなってもらったの。

こうすればもう、君は私の前から居なくなったりしないし、傷も痛まない……うん、最初からこうすれば良かったんだね。
「どういう意味?」って……言葉の通りだよ。
私から君を取り上げようとする子はもう居ない……そう、もうどこにも居ないの♪
これで私は君とずーっと一緒に居られる……ねぇ、そんな顔をしないで?
君にそんな顔は似合わないよ……もっと素敵な顔、私に見せて?


うん、分かってるよ……私達、もう二度と昨日までの関係には戻れなくなっちゃったね。
私は君の大切な人を奪って、君を傷付けて、君をこの部屋に閉じ込めた……そんな事をされたら、誰だってその人の事を嫌うよね。
でもね、私は君の事が大好きで仕方がないの……

だから──もう君の気持ちなんて考えないで、私の気持ちをぶつける事にしたの。

「もっと私を好きになってほしい」とか「もっと私を見て欲しい」とか、そんな事はもう考えない……これからは君に私だけを見せて、私の好きを君にいっぱい注いで、無理やり私の事を好きになってもらうようにするの。
大丈夫、心配しないで……もう君に傷を増やす事なんかしない。
これからするのは、私が君に依存してるみたいに、君が私に依存してくれるようになる為のこと。
私がそばに居ないとどうにかなっちゃう……そんな君にする為の、とっても素敵なこと。
私も初めてだから、もしかしたら上手に出来ないかもしれないけど……君の為に、いっぱい頑張るね。

大好きだよ……君も私と同じくらい、私に依存してね♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
君は私の痛み止め
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
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