≪あらすじ≫
添い寝フレンド、略してソフレ。
社会的にあまり定義されていない関係として、僕とお姉さんは繋がっている。

いつもは前日に連絡が来るのに、当日に連絡がきた。
一体どうしたんだろう。

呼び出しちゃってごめんね～。
急、だったよね。

いつもみたいにテレビ通話で寝落ちするのも良いんだけどさ…。

ほら…明日お休みでしょ？
何だか人肌恋しくなっちゃって呼んじゃった…。

お風呂は入ったかな？
ご飯は？

うん、じゃあ早速お布団入ろっか。

ぎゅーしていい？
ありがと。

えへへ、人の体温ってやっぱり安心するなあ…。

え？
何かあったの…か。

あはは…君の目は誤魔化せないなあ…。

うん、彼氏と別れた。
それも1週間前。

恋人…ってなんなんだろうね。
私分からなくなってきちゃった。

//ぽつりと話し出す
私がさ。
…そういう仕事してるのは話したよね。

仕事ではさ、
この瞬間だけはこの人のことを恋人だ～って
思うようにしてるんだけど、それもお金だけの関係。

アフター誘ってくる人もいるけど、
結局はお金からできた関係だから、付き合ったとしてもあんまり続かないの。

何て言えば良いかな。
私は提供側でお客さんはずっとお客さんなの。

でもさ、君は違うんだ。
変な伝わりかたしたら嫌なんだけど、
私を出しても許してくれる存在というか。

こうやってわがまま言っても、来てくれるでしょ？
それがすごく安心するの。

ソフレなのに重すぎるよね…ごめん。

でも最近君のことが
本当に大事だなって思うようになって。

まぁ…きっかけはいろいろだけどね。

ねぇ…。

キス、しよ。

(キス)

びっくりしてる？

…正直ずるいなって思う。

たぶん私と君は付き合わないし、この関係もいつ崩れてもおかしくない。

そんな脆い関係なんだと思う。

だけどさ、いまは本当に大切な関係なんだ。
それを繋ぎ止めるに、こうしちゃうくらいにはさ。

好きだとか愛だとかそういう感情じゃなくて、
ただただこのままでいてほしいだけのキス。

自分でそういうのはナシって言っときながら
自分で破るんだから、ほんとずるいよね…。

でも私こういう甘えかたしか知らないから…。

…うん。
ありがと…。

いつか終わる関係かもしれない。
だけど、いまは一緒にいてお互いを癒していこうね、支えていこうね…。
私も君の癒しになれたら、すごく嬉しいな…。

とまあ、ちょっとしんみりしちゃったね。
この時期だからさ、気持ちが落ち込んでるのかも。

そうだ。
来週も来れるかな…？

うん。
早めの約束。
どうかな？　空いてる？

よかった。
じゃあさ、そのときはご飯も食べよ。
美味しいご飯、用意しといてあげる。

お風呂は…ま、そのときに、ね。
ふふっ。

ふぁあ…一気に話してたら眠くなっちゃった。
やっぱりお布団のなかに人がいるのといないのとじゃ全然違うね。

身体も心もぽかぽかで心地よい気持ち良さがあって…。
私を明るい世界に引き戻してくれる温かさがあって…。

手繋ごっか。
ふふ、スマホ越しじゃなくて一緒にいると安心する。
君が生きて、反応して、吐息が当たって…目があって。

いつも、ありがとうね…。

おかげで今日はぐっすり眠れそう。
…おやすみ。

・台本（ゆるボイ！）
ソフレ(添い寝フレンド)のお姉さんに呼び出されて…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
鮎