愛しの彼女にプロポーズを考えている貴方は、義妹にそのことを話す。義妹もプロポーズするように勧める。
しかし、彼女が他の男に寝取りにあったことで、プロポーズは失敗。義妹は大きなショックを受けた貴方を慰めるが、その心には一つの秘密が隠されていて…？

義兄さん、相変わらず彼女さんとはラブラブみたいだね。

うん、ちょっとだけね。遠目から見ても、こっちが恥ずかしくなるくらいにはイチャついてたよね。

ふふっ、よかったね。今の彼女さんと出会えて。

あの人と付き合い始めてから義兄さん、生き生きして幸せそうだし。

ふふっ、そっか。なら良かった。義兄さんが幸せそうで、わたしも嬉しいよ。

そろそろ結婚とか考えてる？その辺りはどう？

そうなんだ…じゃあ早く指輪、買ってこないとね。

もちろん。義兄さんからプロポーズしないでどうするの？

そうそう。きっと彼女さんも待ってると思うよ。義兄さんからのプロポーズ。

うん、頑張って。わたしも応援してるから。





義兄さん、どうしたの？そんなところで突っ立ってると風邪ひくよ？こんなに雨降ってるのに…

え……断られた？プロポーズを？どうして…？

あ……そう、なんだ。別の男の人に寝取られたから、もう一緒にはなれないって…

寝取りって実際にあるんだ…まさかよりによって、義兄さんの彼女さんが…

(抱きしめる)

義兄さん…辛かったよね？苦しかったよね？

義兄さんにかける言葉は見つからないけど…こうしてそばにいることはできるから…

…いいよ、泣いても。周り、わたし以外誰もいないから。

うん…うん…そっか、そんなふうに、ね…

大丈夫…大丈夫だから。わたしがそばにいる。義兄さんのそばに…

義兄さんを一人にはしないから…わたしはいつでも一緒にいるよ。

血は繋がってなくてもわたしたちは家族だから…

気にしないで。溜まった感情は全部吐き出しちゃって。

吐き出したものはきっと雨と一緒に全部流れていくから…

あはは…大丈夫。服くらいいくらでも汚しちゃって。洗濯すれば全部元通りだから。

うん…胸、貸してあげる。思いっきり泣いていいよ。





義兄さん…もう大丈夫？

そっか…じゃあお家に帰ろ。疲れたでしょ？

美味しいご飯、作ってあげるから。

あと添い寝しながら、ヨシヨシもしてあげる。

美味しいもの食べて、ゆっくり寝て…また明日から自分のペースで頑張ろ？

無理してすぐ立ち直ろうとしなくていいから…ゆっくり、自分のペースで。

さ、行こ。まずは帰ってシャワーからだね。





義兄さん？……もう寝ちゃったかな？

…うん、完全に寝ちゃってる。やっぱり疲れてたみたい。

まぁ当たり前か。彼女さんとの別れ、辛かったもんね。よしよし…

可哀想な義兄さん…わたし以外の女に惚れなければ、こんな不幸な目に遭わずに済んだのにね。

ダメだよ、義兄さん…義兄さんの隣にいるのはわたしだけの特権なんだから。

おかげで彼女さんに、他の男をぶつけることになっちゃったし…

これに懲りたら、もう彼女なんて作っちゃダメだよ？義兄さんはわたしだけのモノだって、決まってるんだから…

でももう大丈夫だよね？今回のことで、わたし以外の女を見る無意味さが分かったでしょ？

義兄さんはわたしだけ見てればいいの…わたしだけ…

わたしだけが、義兄さんの本当の家族なんだから。

辛いことも悲しいことも全部、義妹のわたしが受け止めてあげる。

どれだけ辛いことがあって打ちのめされても、わたしが慰めてあげる。

義兄さんを幸せにできるのはわたしだけ…そうだよね？

わたしたちの間によそ者が入り込む隙なんて一ミリもないんだから。

義兄さん…好きだよ、愛してる。

いつかわたしを女として愛してくれると嬉しいな。

わたし、待ってるね？義兄さんからのプロポーズ…

義兄さんが自分の本当の気持ちに気づくまでずっと、ずーっと待ってるから…ね？

・台本（ゆるボイ！）
クールで物静かな義妹は義兄の隣を誰にも譲るつもりはない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎