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へビースモーカーなお姉さんのカイロはボク
written by
  • 同棲
  • 純愛
  • お姉さん
  • バンドリーダー
公開日2022年11月23日 01:19 更新日2022年11月23日 01:19
文字数
2456文字(約 8分12秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
バンドリーダーのお姉さん
視聴者役柄
支援という体で同棲している男性
場所
部屋
あらすじ
まただ。
また一人知ってる人がいなくなる。

界隈で有名な人も、仲良くしていた人も。
輝く人もいれば、そのまま石ころのように価値を見出されず転がっていくものたちがいる世界。

それは知っていたはずなのに、一度の輝きを求めて私たちは活動している。
社会で輝けなくても…せめて好きなものなら輝く場所があると信じて活動している。

…とはいえ、人間が夢を追える期間というのは限られた時間しかない。
ピュアなまま…この活動を続けられる人はとても少ない。

私がそれが正しいと思って一筋でやってきた。
でも…それが経験の浅さになる…と気付くのに私の年齢では遅すぎたんだ。

巷に流れるラブソング。
恋…というのはそれほどまでに魅力的なんだろうか?
本編
*SE:スマホの通知

…。
まじかぁ~。

はぁ…。
そろそろ潮時なのかな。

ごめん。
タバコ取ってくれる?

…ん。
ライターは持ってるから大丈夫。


//(手を伸ばしてもっと欲しいものがあることを強調するイメージ)


…いいじゃん。
そんな時間はかけないからさ。付き合ってよ。

ほら、外…はいかにも寒そうだし?

カイロとか厚着してもいいけど…。
ほんのちょこっとの時間じゃ足しにならないからね。

君が暖めてよ。

ほらほら厚着して。
それとも着せてあげないと動いてくれない?

ふふ、ありがと。


*SE:ベランダに繋がるドアを開ける


ひぃ~!
やっぱり外寒いなぁ…。

でも、頭を冷やすにはちょうどいいかも。

お、着れたかな?
あははっ、お布団引きずってるみたい。

似合ってる似合ってる。
うんいいよ、来て?

そのまま後ろから抱きしめるように…。
うん、これネタで買ったけど正解だったね。

1人だとぶかぶかだけど…。
こうやってチャックを閉めればキツイくらい。

う~…やっぱり寒い空には人肌に限るね。
君と出会った時も…こんな日だったかな。


//タバコに火をつける


…あれからもうそんなに経つ…のかぁ。
時間の流れって言うのは止まらないもんだね。

頼んどいてあれだけどさ。
君もお人好しというか、人の頼みを断れないというか。

…残念な性格してるよね。

いーや、決して貶してるわけじゃないよ。
むしろ…褒めたいなと思ってさ。

よくもまあ…。
こんな人間についてきてくれるよ。

…。

時々、私は与えられてばかりなんじゃないかと思うんだ。
この活動だって…たぶん君がいなければここまで専念できてないと思う。

出会いは他だから…って言えば聞こえはいいけど。

芽も出てないバンドリーダーなんかフリーター同然なのにね。
それでも私を陰ながら応援しようと、同棲まで提案してくれてさ。

この寒空の中、優雅に星を見ながらタバコを吸う…。
なんてのも、あのときからすれば考えられないんだ。

…君のおかげでいつも暖かい。
日々も心も…ね。

もしかしたらこれが…、いや、なんてね。

…。

ねぇ…君は本当に恋…と呼べるものをしたことがある?

まぁ雑談程度にさ。
ちなみに私はしたことない。

…というよりは、昔から音楽一筋…だったからね。
恋人と遊ぶ時間があるなら、練習や自分を研鑽することしか頭になかった。

気付けば、こんな見た目が育っていても精神年齢は変わらず。
良い意味でも悪い身でも…ピュアなまま…。

にゃはは、自分で言うとおかしいね。
んー?

そっか…。
君もそれほど恋と呼べる経験はない、んだね。

確か君も趣味に一辺倒だったよね。
実は…似た者同士なのかもね私たち。

いやね?
私は恋をしたい…ってわけじゃない。

出来ることなら、
このままずっとバンドと音楽を続けてたい。

でも…年も年でしょ?
夢を諦めないといけないタイムリミットっていうのがさ。

刻々と近づいている気がしてるんだ。

実際…いまさっきもバンド仲間から婚約の連絡を受けたところ。
親からの勧めで出会ったんだって。

比較的仲良かったし、考え方も私にとても似てた。
だから…ちょっと驚き。

いままで頑張ってきた努力も、過去の自分も捨ててもいいと思えるほど…
恋っていうのは魅力的なのかな?…って、ふと思っちゃったんだ。

世間では『恋も知らないようなアイドルが恋の歌を歌う』
…なんて矛盾を揶揄してる人間もいるけど。

こっちの立場…与える側になってみるとよくわかる。
…実際知らないものは書けないし歌えないと気付くの。

たぶん自分たちが認められないのも、経験の浅さ…からなんだと思う。
社会の通念や、恋を含めた人間関係の不満…音楽一辺倒な人生では触れることないものばかり…。

物事はいつでも始められる…とはいうけど経験するたって…労力が必要で。
したとしても、そのときに体験した物とは違うんだ…って気付くんだよね。

それに気付くのが…私は遅かったなあって。

ごめん長くなっちゃったね。
もうちょっとだけ…付き合ってくれる?


//タバコの火をつけようとするが、持つだけ


正直言って…私は悩んでる。
バンドをやめて、普通の何も資格がない人間に戻るかどうか。

怖いって気持ちもあるよ。
そりゃあさ、人生を使ってまで歩んできた道だもん。

…私そのものを捨てるわけだからね。
それに…それで付き合ってくれてる人も…少なからずいる。

例えば君とかね。
そういう人の信頼や期待を裏切る…のはやはり辛いものがあるし。

君だって…。
夢を追わなくなった普通の私をこうやって…
抱きしめて愛してくれる…なんてことはしてくれないでしょ。

あくまでこれは、私が頑張ってることに対して君が応援してくれている…っていう形の同棲だもん。
その建前が無くなっちゃったら…ただの男女…になっちゃう。

愛をぶつけてもそれは応援に変換されていたけど、その受け皿が無くなってしまうの。

それは君も望まない…はずだよ。
その関係だから、我慢出来ていたことだってたくさんあると思うもん。
私はそれに応えられるかわからない。

…だからこの関係が崩れてしまうことがとてつもなくこわい。


//身震いする彼女を抱きしめる。


あっ、ちょっ、!
そんなに強く抱きしめたら危な…っ。

"仮に夢を諦めたとしても、応援をやめるつもりはないよ"?

ねぇ…ずるいよ。
ほんと君ってば私の好きな言葉を好きなタイミングで言ってくれるよね…。

そんなに私わかりやすいかな。

でも…そっか。
バンドをしない私でも、私自身を好きだと…。

君はそう言ってくれるんだ…そっか…。
それか…いつかの成功を願ってくれている…のかな。


//煙草を仕舞い戻ろうとする。


…。

私ってば気持ちが沈み過ぎてたかも。

それとも君の前だから…かな?
こんなに自分のことを喋ったのは…初めてかもね。

よしっ…!
もう少しだけ頑張ってみることにする!

あの星のように輝けなくても…流星のように一瞬でも輝いてみせる。
それが私のできる…最大の恩返しだと思ったから。

そして…さ。
それが終わったら、本当の恋っていうのをしよ。

応援するされる側じゃなくて、男女として…。
それまでもう少しこっちの私に付き合ってほしいな。


うぅっ…!
風が吹いたら寒くなってきた。
タバコも吸い終わったし、部屋に戻ろ!

カイロ役…ありがとね。
ぎゅ…。

少しくらい練習。

なに…?
タバコ臭いのはいまさら、でしょ?

いつも…ありがと。
ほんとに感謝してる。

愛してるよ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
へビースモーカーなお姉さんのカイロはボク
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者

ライター情報
pixivにて、台本を投稿し始めました。
ヤンデレや甘々、わからせなどを学び中。
シチュエーションボイス採用を目指しております。

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