かつて茨木童子に無理やり鬼にされてしまったクノイチは、今は彼の嫁として、夫に尽くす日々を送っていた。しかし、彼女はどうやら虎視眈々と、自らが夫の上に立つ機会を伺っていたようで…？

旦那様…ただいま戻りました。


はい…鬼姫様から少々ご用命を承っておりまして、『鬼殺し』というお酒を買いに…


…すでにご存知だったのですね。流石は旦那様です。


はい…きっと今頃、夫婦水入らずで、夜伽を存分に楽しんでおられることでしょう。ですから、わたしたちも…


(抱き寄せられる)


あっ…旦那様、少し気が早うございます。もう少しゆっくりでも…


ふふ…仕方のない旦那様。まったくもぅ…


そんなせっかちな旦那様の為に、少し面白い前戯をご用意したのですが…いかがでしょう？


ありがとうございます…それでは我が新術をこれからご覧に入れますね…『幻術・無限心眼』(※術名は省略可)


(茨木童子に強力な幻術をかける)


ふふっ…いかがでした？なかなかに面白い幻術だったでしょう？


えぇ。わたしが人間の男たちに衣服を剥ぎ取られ、寄ってたかって陵辱される…そんな幻術です。


かつて旦那様がわたしを妻にしてくださった時にかけてくれた幻術とほぼ同じ内容の幻術だったのですが…吐くほど辛かったですか？


なんのつもりも何も、ただの前戯でございます。旦那様がわたしをもっと愛してくれるための…ね？


(手を出されそうになるが、紙一重で躱わす)


あぁ、無理やりはいけません…『忍法・毒霧』(※術名は省略可)


ふふ…わたしの毒、きちんと吸い込みました？


「この程度の毒が〜」とおっしゃいますが…それ、鬼にもちゃんと効きますよ？


(茨木童子が悶え苦しみ出す)


ほら、言わんこっちゃない…今のわたしはただの忍びではありません。鬼の力を持った忍びです。


えぇ。旦那様から血をいただき、鬼となった…それが今のわたしです。


鬼専用の術である『鬼術』と我々忍びの使う『忍術』…これらをうまく組み合わせれば、鬼を殺す新術だって開発できるんですよ？


いえいえ。別に旦那様を殺そうなどとは、これっぽっちも思っておりません。


ただ…たまには旦那様の上に跨がって、閨で旦那様を支配したくて…


いえ。わたしが旦那様に組み敷かれて無理やり…というのも乙なものですが、たまには気分を変えて、ね？


ふふふ…昔の恨みを晴らすためだなんてそんな…


たしかに昔のわたしは、旦那様に無理やり血を飲まされ、鬼として生まれ変わりました。


ですが…この心も身体と同様、既に鬼となっております。人としてのわたしはとっくに死んでいます。


えぇ。ですから、旦那様のことは心の底から愛しておりますよ？地獄の閻魔様に誓っても構いません。


愛しているからこそ、たまにはこうして旦那様のことを組み敷きたいと思っているのですよ？


(馬乗りになる)


いいザマですね…酒呑童子様の次にお強い旦那様が、わたし如きか弱き乙女にこんな形で屈服させられるなんて…


あぁ、か弱くはない？褒め言葉として受け取っておきますね。


それよりも…普通に夜伽をしたのでは面白くないでしょう…『分け身の術』(※術名は省略可)


さぁ、旦那様？見てください。狭い閨にこんなにたくさんの愛しの妻がおりますよ♡


いえいえ。見て分かるでしょう？幻などではなく、全て実体持ちの分身です。


これから旦那様には、これら全てのわたしのお相手をしていただきますね♡


天下にその名を轟かせる茨木童子様なら、数多の鬼嫁を相手にするなどわけないでしょう？


夜は長いですから…じっくりたっぷり、わたしとの夜伽を楽しみましょうね♡ うふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
ドS清楚な鬼嫁クノイチのわからせ夜伽
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎