- 耳かき
- インモラル
- ファンタジー
- マッサージ
- お姉さん
- 人外 / モンスター
- 寝落ち
- 妹
- 姉
公開日2024年02月07日 20:42
更新日2024年02月07日 20:42
文字数
4825文字(約 16分5秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
2 人
演者役柄
モンスター娘のカウンセラー達(口が触手)
視聴者役柄
冒険者(視聴者の性別はどちらでも可)
場所
路地裏に隠れた施術院
あらすじ
路地裏にたたずむ「心の傷を吸い取る店」に冒険者が再びやってくる。
しかし店に入ると、そこにいた口元マスクのモンスター娘は知らない相手だった。
その少女は店のモンスター娘(店長)の妹で、新人店員。
冒険者は慣れた客だからと、店長に妹の研修相手を頼まれる。
新人店員は口元のマスクを取って中の触手をうごめかせ、
軽いマッサージを済ませると触手を耳に入れて冒険者の心の傷を吸い取っていく。
施術が脳の記憶を吸い取る段階に入ると、店長も耳に触手を入れてくる。
新人への研修も兼ねて、二人は両耳から冒険者の傷を吸い取っていく。
そして冒険者がそのまま寝てしまうと、二人は冒険者の記憶を勝手に吸い取り始める。
味わって満足すると施術を終え、冒険者を起こす。
目が覚めた冒険者は体がとても軽くなったとモンスター娘たちに礼を言って店を出ていくのだった。
しかし店に入ると、そこにいた口元マスクのモンスター娘は知らない相手だった。
その少女は店のモンスター娘(店長)の妹で、新人店員。
冒険者は慣れた客だからと、店長に妹の研修相手を頼まれる。
新人店員は口元のマスクを取って中の触手をうごめかせ、
軽いマッサージを済ませると触手を耳に入れて冒険者の心の傷を吸い取っていく。
施術が脳の記憶を吸い取る段階に入ると、店長も耳に触手を入れてくる。
新人への研修も兼ねて、二人は両耳から冒険者の傷を吸い取っていく。
そして冒険者がそのまま寝てしまうと、二人は冒険者の記憶を勝手に吸い取り始める。
味わって満足すると施術を終え、冒険者を起こす。
目が覚めた冒険者は体がとても軽くなったとモンスター娘たちに礼を言って店を出ていくのだった。
本編
(扉の開く音)
(妹)——あ、こんにちはっす。予約の人っすね。お待ちしておりました。
……え、私が誰かって?
この店の店員っすけど。聞いてないんすか?
——姉さーん!ちょっと来て!
(足音)
(姉)——店長って呼びなさいって何回も言ってるでしょう。
——ああ、冒険者さんでしたか。こんにちは。お久しぶりですね。
……この子?ああ、会うのは初めてでしたか。
——この子はここの新しい店員ですよ。新人です。
この店、心の傷を吸い取るっていうのが冒険者たちから評判いいらしくて、ギルドからの紹介がかなり増えまして……。
——それで新しく雇うことにしたんですよ。
(妹)——そういうことっす。
私は姉さ……じゃなかった店長さんの妹っすね。これからよろしくお願いっす。
(姉)——それで、今日はいつも通りにこの前の傷の……
いや……違いますね。あなた、また初めて会った頃みたいな顔してますよ。
紹介状、見せてください。——治療プランD。はあ……今度は何やらかしたんですか?
——でも、ちょうどいいです。とりあえずあちらの部屋へ。
(別の扉が開く音)
——プランDは妹にはまだやらせてないんです。
初見の患者さんを任せるわけにもいきませんし、私が横で手伝いますので、この新人に任せてもいいでしょうか?
……妹が嫌そうな顔してる?いいんですよ。簡単なのばかり任せてたら、私が楽できないじゃないですか。
……ありがとうございます。
——じゃあ新人、そういうことだから始めてください。
(妹)——えーと……じゃあここからは私がやるっすね。
——まずはそちらの椅子に体を預けてくださいっす。
(椅子に座る音)
——もうマスク外しちゃっていいっすよね。
(マスクの下から触手の現れる音)
……何ギョッとしてるんすか。お客さんなら店長のを見慣れて……
——……ないんすか?
——あー、失礼しました。触手はあんまり見せないんすね。すぐ後ろに行くっす。
(声が後ろに移動する)
(耳元で囁く)
——あの、ミスると姉さんにめっちゃ怒られるんで、なんかマズかったらなんでも言ってくださいっす。
今もお客さんの視界の外から、マスクしたままめっちゃ睨んでるんすよ……。
——じゃあ耳かきからっすね。任せてくださいっす。
————あー、お客さん、全然耳の中汚れてないっすね。
——じゃあ綿棒でマッサージしますか。
(右側綿棒耳かき開始)
(声右側から)
——どうっすかね?私前は耳かき店でバイトしてたんで、こういう耳かきはちょっと自信あるんすよ。
——にしても綺麗な耳っすね。ここどのぐらい来てるんすか?
……行ける時は月に二回ぐらい……っすか?ただの定期チェックでそんなに——あ、なんでもないっす。
……店長に言われて?あー、なら……仕方ないっすよね。必要っすもんね。
——それよりお客さん……お耳敏感っすねぇ♪
ひひっ。まだ触手入れてないのにいい顔しちゃってますよー。
——まあ、脳ってのは気持ちいいことすぐに覚えちゃうんすよね。
うちらの種族の耳かき受けてたら、そりゃお耳気持ち良くなっちゃいますよ。
——こっちはその方が楽で助かるっすけどね。
(右側耳かき終わり)
——はい、こっちは終わりっす。
(声左に移る)
——じゃあ反対行くっすね。こっちも綿棒でいいっすよね。
(左側綿棒耳かき開始)
——あ、そうだ。耳に触手入れる前に一応聞き取りしないといけないんすよ。
——お客さん、今回二度目っすよね?どういう経緯でプランD勧められたんすか?
……封印の蛇?ああ、新聞に載ってたっすね。
——確かヨルムンガンドの封印が解けて、千人単位の人間の軍勢が向かって七日間戦いが続いたっていう。
…………え、あれ倒しに行ったんすか?
——ほぼ相討ちに近い形で倒した、とか書いてあった気がするんすが。
……まじっすか……。お客さんその戦いから生還したんすか……。
——腕が立つから甘く……ンンっ、腕が立つって姉さんが言ってたの、本当だったんすね……。
————なんかとんでもない人相手に仕事してないっすか?私。
(左側耳かき終わり)
——はい、こっちも終わりっす。
(声後ろに移る)
——んで、この後なんすけど、私店長と違っていきなり脳みそに触手入れられないんすよね。
——そういうわけでちょっとお耳失礼しますね。
(両耳の指耳かき、マッサージ開始)
——こうやってお客さんを更にリラックスさせて、耳から触手を入れやすくさせて貰いますねー。
……いやー、これが普通っすよ。他人の思考を傷つけずに侵入するのって大変なんすから。
——店長がおかしいんす。
これ結構気持ちいいでしょ?指でぐにぐにーってやるの。耳かき店でも得意だったんすよ。
——いい反応っすねー。そうやってふやけてくれると私も触手入れるの楽っす。
——ってあれ、姉さん。
(姉の声前から。マスクしたまま)
(妹のマッサージは続いたまま)
(姉)——だから店長です。冒険者さん、この後は私も施術に入ります。
——まただいぶ大きな傷を抱えてここに来てるようですし。
……たとえ傷ついてもここに来れば安心……ですか。頼って頂いてありがとうございます。
——ただまあ……死なれると客が減るのでほどほどにして欲しいですね。
私も横で準備しています。
(囁き声)
(妹)——お客さんも叱られたっすね♪姉さん、お客さんのこと気に入ってるんで心配してるんすよ。
(耳マッサージ終わり)
——はい、マッサージ終了っすね。これで入れると思うんすけど。
——じゃあこれから耳に触手を入れて、耳の神経から脳の記憶に入っていくっす。
(触手が両耳から入る)
(両耳で触手耳かき開始)
(妹の声右側から聴こえる)
——お、入れたっすね。お客さんはどうっすか?
……ああ、両耳なのが気になるっすか。私は両側からじゃないと記憶吸えないんすよ。
すみませんがこのやり方でお願いするっす。
(姉)——冒険者さん、私も触手を入れて記憶に入りますね。
(左側からさらに触手が入る音)
(左側が触手の音二重になる)
(姉の声左側から)
——新人も上手く出来てるようですね。では記憶を調べるのは私がやります。
左脳側から脳全体を触手で探っていって……と。
ふむ……なるほど……
これは……なかなか……。
……やはりあなた、さっきの話で相当な体験をしてきてますね……。
——私もきっちり吸い取った方が良さそうです。
——新人、あなたに任せるのはこのあたりですが、やれますか?
(妹)——ひひっ♪これすごいっすねえ……っと、大丈夫っす。吸い取れるっす。
(姉)では私は一旦左脳側に集中しますので。そっちは頼みましたよ。
(姉、左耳で「ぐーりぐーり……」「ああ……ここと…」「ここにも……」などとぶつぶつ呟いている)
(妹)——あれ、姉さん集中モードに入っちゃったっすね。じゃ私もこっち吸い取っていきますんで。
——ずーりずーり……。
――うわー、この味は……♪
——……あれ、お客さん、目の焦点合ってないっすけど大丈夫っすか?痛くないはずなんすけど。
……あー、気持ち良すぎるっすか。両耳から触手入ってますもんね。
——うちの種族は脳みそ吸いとる時に獲物に邪魔されないよう、脳に快感を送るようになってるんで、
姉さんからは気持ち良く眠れるぐらいに抑えろって言われてるんすよね。
——じゃあもうちょっとゆっくりやるっすねー。
——ずぅーり……ずぅーり……。
——ひひっ。取れてる取れてる……でも大事な所は……おっと、気にしなくていいっすよー。
(左耳から姉の触手の離れる音)
(妹の触手は両耳に入ったまま)
(姉)——ふう、こちらはだいたい終わりました。そちらはどうですか?
(妹)——こっちもだいぶ吸い取れたっす。
(姉の声が右に移動する)
(姉)——では確認を兼ねて、右脳の方も吸い取っていきますね。
(妹の声が左に移動する)
(妹)——あ、私こっちに行かないと邪魔っすか。
(姉)——ああ、そうだ冒険者さん。
——一応新人の研修ですが……。フフッ。眠くなったら気にせず寝てしまって良いですからね。
——リラックスされた、良いお顔になってきてますよ。
(右耳に姉の触手の入る音)
(右側が触手の音二重になる)
——ぐーりぐーり…。
——さて新人の仕事具合は……。ふむ……。
——全く、前から言ってますよね?食べるんじゃないから記憶はもっと綺麗に吸い取れって。
……脳を経由して言い訳しないでください。今は仕事中で……
っと、お見苦しい所をお見せしました。私がこちらの続きをやりますので、大丈夫ですよ。
冒険者さんはそのまま私たちの触手に身を委ねててくださいね。
(姉、右耳で「ぐーりぐーり……」「こっちはここと…」「ここもですかね……」などとぶつぶつ呟いている)
(妹)——じゃあ私も左脳の担当やって行くっすねー。
ずぅーり、ずぅーり……と。
——……にしてもお客さん、なかなかすごい人生っすねー。
人間なのに数百年生きてる私より全然濃いっていうか。
……私なんて適当で。この口調も最初に吸い尽くした人間の言葉そのまんま使ってるし——
ってこれ言っちゃまずいんでした……。
——すみませんお客さん、店長がこっち見ながらゲンコツ確定のサインしてるので黙ってて……。
……お客さん?
——あー、もうほとんど耳に入ってない感じっすか。
——いいっすよー。そのまんまでー。
——ずぅーり、ずぅーり。
——ずぅーり、ずぅーり。
——……
(右耳から姉の触手の抜ける音)
(姉)——ふう、こちらも終わりました。
(妹)——……姉さん。お客さん寝ました。
(姉)——わかってますよ。あなたもその触手抜きなさい。
——そのままじゃ私が入(はい)れる空間がないじゃないですか。
(妹の両耳の触手が抜ける)
——では冒険者さん。心の傷は問題なく吸い取れたことですし、
今日もちょっとだけ……美味しく頂きますね♪
(両耳に姉の触手が入る音)
(姉の声右から)
(妹の声左から)
(妹)——じゃあ私もちょっぴり頂かせてもらうっすねー♪
(両耳に妹の触手が入る)
(両耳から姉の触手と妹の触手の音が同時に聞こえる)
(姉)——ああ、何度味わってもこの人の記憶は美味しいですね……♪
——初恋の思い出は数週間ぶんぐらい食べちゃいましたし、今日は別の記憶を頂きましょうか。
この人、記憶の質感っていうのかな、幸せな記憶の味がとっても私好みなんですよねえ♪
(妹)——姉さん、二人がかりなのに激しく吸ったら起きちゃうっすよ。
ほらお客さんも気持ち良すぎてビクンビクンしてる。
——ひひっ。私は起きないように脳みそを寝かせておくのとか、得意なんすけどね♪
——でも確かに私たち好みっすよね、この人♪ 仕事中も美味しいって口にしないの大変でしたもん。
——はー。おいし。
(姉)——あなたの味覚がおかしいんですよ。わざわざ嫌な記憶を味わいたがるなんて。
——はあ…♪
(妹)——他人の不幸は蜜の味って知らないんすか?
——この人の心の傷、濃厚で美味しいんすよー♪
——さっき残しておいた分も食べちゃおっと♪
(姉)——……ふう♪今日はこのぐらいにしましょうか。
(姉の触手が抜ける)
(マスクをつける音)
——いい?この冒険者さんには迷惑かけないように。店に来なくなったら困りますから。
(妹)——わかってるっすよー♪こんな美味しい人間滅多にいないっすもんね。
——じゃあ起こしてあげますか。
(妹の触手が抜ける)
(マスクをつける音)
——お客さーん。治療全部終わったっすよー。
(姉)——体調はどうでしょうか?傷はすべて取ったと思いますが。
……とても軽くなった?これ以上ないくらいに?
——それは良かったですね。妹はまだまだ未熟ですが、元々心の傷を取るのが得意な性質ですので。
(妹)——そういうことなんで、嫌な事があったら私を呼んでくれると嬉しいっす。
——……あ、支払いっすね。えーと…。姉さん、これっすかね。
……また今回も安い?らしいっすけど姉さん。
(姉)——ああ、今回は新人の研修に付き合って頂いたので、そのぶん差し引いてます。
……毎回これで大丈夫なのかって?ええ。なんとか。
ですのであなたも、軽率に死にそうな仕事をしないでくださいね。お客が減るのは困りますから。
——近いうちにまた来てください。二人で待ってますよ。
(妹)——じゃあ外までお送りするっすね。こっちっす。
(姉)——では。
(同時)
(姉)またのご来院をお待ちしております。
(妹)またのご来院をお待ちしてるっすー。
(扉の閉まる音)
(妹)——あ、こんにちはっす。予約の人っすね。お待ちしておりました。
……え、私が誰かって?
この店の店員っすけど。聞いてないんすか?
——姉さーん!ちょっと来て!
(足音)
(姉)——店長って呼びなさいって何回も言ってるでしょう。
——ああ、冒険者さんでしたか。こんにちは。お久しぶりですね。
……この子?ああ、会うのは初めてでしたか。
——この子はここの新しい店員ですよ。新人です。
この店、心の傷を吸い取るっていうのが冒険者たちから評判いいらしくて、ギルドからの紹介がかなり増えまして……。
——それで新しく雇うことにしたんですよ。
(妹)——そういうことっす。
私は姉さ……じゃなかった店長さんの妹っすね。これからよろしくお願いっす。
(姉)——それで、今日はいつも通りにこの前の傷の……
いや……違いますね。あなた、また初めて会った頃みたいな顔してますよ。
紹介状、見せてください。——治療プランD。はあ……今度は何やらかしたんですか?
——でも、ちょうどいいです。とりあえずあちらの部屋へ。
(別の扉が開く音)
——プランDは妹にはまだやらせてないんです。
初見の患者さんを任せるわけにもいきませんし、私が横で手伝いますので、この新人に任せてもいいでしょうか?
……妹が嫌そうな顔してる?いいんですよ。簡単なのばかり任せてたら、私が楽できないじゃないですか。
……ありがとうございます。
——じゃあ新人、そういうことだから始めてください。
(妹)——えーと……じゃあここからは私がやるっすね。
——まずはそちらの椅子に体を預けてくださいっす。
(椅子に座る音)
——もうマスク外しちゃっていいっすよね。
(マスクの下から触手の現れる音)
……何ギョッとしてるんすか。お客さんなら店長のを見慣れて……
——……ないんすか?
——あー、失礼しました。触手はあんまり見せないんすね。すぐ後ろに行くっす。
(声が後ろに移動する)
(耳元で囁く)
——あの、ミスると姉さんにめっちゃ怒られるんで、なんかマズかったらなんでも言ってくださいっす。
今もお客さんの視界の外から、マスクしたままめっちゃ睨んでるんすよ……。
——じゃあ耳かきからっすね。任せてくださいっす。
————あー、お客さん、全然耳の中汚れてないっすね。
——じゃあ綿棒でマッサージしますか。
(右側綿棒耳かき開始)
(声右側から)
——どうっすかね?私前は耳かき店でバイトしてたんで、こういう耳かきはちょっと自信あるんすよ。
——にしても綺麗な耳っすね。ここどのぐらい来てるんすか?
……行ける時は月に二回ぐらい……っすか?ただの定期チェックでそんなに——あ、なんでもないっす。
……店長に言われて?あー、なら……仕方ないっすよね。必要っすもんね。
——それよりお客さん……お耳敏感っすねぇ♪
ひひっ。まだ触手入れてないのにいい顔しちゃってますよー。
——まあ、脳ってのは気持ちいいことすぐに覚えちゃうんすよね。
うちらの種族の耳かき受けてたら、そりゃお耳気持ち良くなっちゃいますよ。
——こっちはその方が楽で助かるっすけどね。
(右側耳かき終わり)
——はい、こっちは終わりっす。
(声左に移る)
——じゃあ反対行くっすね。こっちも綿棒でいいっすよね。
(左側綿棒耳かき開始)
——あ、そうだ。耳に触手入れる前に一応聞き取りしないといけないんすよ。
——お客さん、今回二度目っすよね?どういう経緯でプランD勧められたんすか?
……封印の蛇?ああ、新聞に載ってたっすね。
——確かヨルムンガンドの封印が解けて、千人単位の人間の軍勢が向かって七日間戦いが続いたっていう。
…………え、あれ倒しに行ったんすか?
——ほぼ相討ちに近い形で倒した、とか書いてあった気がするんすが。
……まじっすか……。お客さんその戦いから生還したんすか……。
——腕が立つから甘く……ンンっ、腕が立つって姉さんが言ってたの、本当だったんすね……。
————なんかとんでもない人相手に仕事してないっすか?私。
(左側耳かき終わり)
——はい、こっちも終わりっす。
(声後ろに移る)
——んで、この後なんすけど、私店長と違っていきなり脳みそに触手入れられないんすよね。
——そういうわけでちょっとお耳失礼しますね。
(両耳の指耳かき、マッサージ開始)
——こうやってお客さんを更にリラックスさせて、耳から触手を入れやすくさせて貰いますねー。
……いやー、これが普通っすよ。他人の思考を傷つけずに侵入するのって大変なんすから。
——店長がおかしいんす。
これ結構気持ちいいでしょ?指でぐにぐにーってやるの。耳かき店でも得意だったんすよ。
——いい反応っすねー。そうやってふやけてくれると私も触手入れるの楽っす。
——ってあれ、姉さん。
(姉の声前から。マスクしたまま)
(妹のマッサージは続いたまま)
(姉)——だから店長です。冒険者さん、この後は私も施術に入ります。
——まただいぶ大きな傷を抱えてここに来てるようですし。
……たとえ傷ついてもここに来れば安心……ですか。頼って頂いてありがとうございます。
——ただまあ……死なれると客が減るのでほどほどにして欲しいですね。
私も横で準備しています。
(囁き声)
(妹)——お客さんも叱られたっすね♪姉さん、お客さんのこと気に入ってるんで心配してるんすよ。
(耳マッサージ終わり)
——はい、マッサージ終了っすね。これで入れると思うんすけど。
——じゃあこれから耳に触手を入れて、耳の神経から脳の記憶に入っていくっす。
(触手が両耳から入る)
(両耳で触手耳かき開始)
(妹の声右側から聴こえる)
——お、入れたっすね。お客さんはどうっすか?
……ああ、両耳なのが気になるっすか。私は両側からじゃないと記憶吸えないんすよ。
すみませんがこのやり方でお願いするっす。
(姉)——冒険者さん、私も触手を入れて記憶に入りますね。
(左側からさらに触手が入る音)
(左側が触手の音二重になる)
(姉の声左側から)
——新人も上手く出来てるようですね。では記憶を調べるのは私がやります。
左脳側から脳全体を触手で探っていって……と。
ふむ……なるほど……
これは……なかなか……。
……やはりあなた、さっきの話で相当な体験をしてきてますね……。
——私もきっちり吸い取った方が良さそうです。
——新人、あなたに任せるのはこのあたりですが、やれますか?
(妹)——ひひっ♪これすごいっすねえ……っと、大丈夫っす。吸い取れるっす。
(姉)では私は一旦左脳側に集中しますので。そっちは頼みましたよ。
(姉、左耳で「ぐーりぐーり……」「ああ……ここと…」「ここにも……」などとぶつぶつ呟いている)
(妹)——あれ、姉さん集中モードに入っちゃったっすね。じゃ私もこっち吸い取っていきますんで。
——ずーりずーり……。
――うわー、この味は……♪
——……あれ、お客さん、目の焦点合ってないっすけど大丈夫っすか?痛くないはずなんすけど。
……あー、気持ち良すぎるっすか。両耳から触手入ってますもんね。
——うちの種族は脳みそ吸いとる時に獲物に邪魔されないよう、脳に快感を送るようになってるんで、
姉さんからは気持ち良く眠れるぐらいに抑えろって言われてるんすよね。
——じゃあもうちょっとゆっくりやるっすねー。
——ずぅーり……ずぅーり……。
——ひひっ。取れてる取れてる……でも大事な所は……おっと、気にしなくていいっすよー。
(左耳から姉の触手の離れる音)
(妹の触手は両耳に入ったまま)
(姉)——ふう、こちらはだいたい終わりました。そちらはどうですか?
(妹)——こっちもだいぶ吸い取れたっす。
(姉の声が右に移動する)
(姉)——では確認を兼ねて、右脳の方も吸い取っていきますね。
(妹の声が左に移動する)
(妹)——あ、私こっちに行かないと邪魔っすか。
(姉)——ああ、そうだ冒険者さん。
——一応新人の研修ですが……。フフッ。眠くなったら気にせず寝てしまって良いですからね。
——リラックスされた、良いお顔になってきてますよ。
(右耳に姉の触手の入る音)
(右側が触手の音二重になる)
——ぐーりぐーり…。
——さて新人の仕事具合は……。ふむ……。
——全く、前から言ってますよね?食べるんじゃないから記憶はもっと綺麗に吸い取れって。
……脳を経由して言い訳しないでください。今は仕事中で……
っと、お見苦しい所をお見せしました。私がこちらの続きをやりますので、大丈夫ですよ。
冒険者さんはそのまま私たちの触手に身を委ねててくださいね。
(姉、右耳で「ぐーりぐーり……」「こっちはここと…」「ここもですかね……」などとぶつぶつ呟いている)
(妹)——じゃあ私も左脳の担当やって行くっすねー。
ずぅーり、ずぅーり……と。
——……にしてもお客さん、なかなかすごい人生っすねー。
人間なのに数百年生きてる私より全然濃いっていうか。
……私なんて適当で。この口調も最初に吸い尽くした人間の言葉そのまんま使ってるし——
ってこれ言っちゃまずいんでした……。
——すみませんお客さん、店長がこっち見ながらゲンコツ確定のサインしてるので黙ってて……。
……お客さん?
——あー、もうほとんど耳に入ってない感じっすか。
——いいっすよー。そのまんまでー。
——ずぅーり、ずぅーり。
——ずぅーり、ずぅーり。
——……
(右耳から姉の触手の抜ける音)
(姉)——ふう、こちらも終わりました。
(妹)——……姉さん。お客さん寝ました。
(姉)——わかってますよ。あなたもその触手抜きなさい。
——そのままじゃ私が入(はい)れる空間がないじゃないですか。
(妹の両耳の触手が抜ける)
——では冒険者さん。心の傷は問題なく吸い取れたことですし、
今日もちょっとだけ……美味しく頂きますね♪
(両耳に姉の触手が入る音)
(姉の声右から)
(妹の声左から)
(妹)——じゃあ私もちょっぴり頂かせてもらうっすねー♪
(両耳に妹の触手が入る)
(両耳から姉の触手と妹の触手の音が同時に聞こえる)
(姉)——ああ、何度味わってもこの人の記憶は美味しいですね……♪
——初恋の思い出は数週間ぶんぐらい食べちゃいましたし、今日は別の記憶を頂きましょうか。
この人、記憶の質感っていうのかな、幸せな記憶の味がとっても私好みなんですよねえ♪
(妹)——姉さん、二人がかりなのに激しく吸ったら起きちゃうっすよ。
ほらお客さんも気持ち良すぎてビクンビクンしてる。
——ひひっ。私は起きないように脳みそを寝かせておくのとか、得意なんすけどね♪
——でも確かに私たち好みっすよね、この人♪ 仕事中も美味しいって口にしないの大変でしたもん。
——はー。おいし。
(姉)——あなたの味覚がおかしいんですよ。わざわざ嫌な記憶を味わいたがるなんて。
——はあ…♪
(妹)——他人の不幸は蜜の味って知らないんすか?
——この人の心の傷、濃厚で美味しいんすよー♪
——さっき残しておいた分も食べちゃおっと♪
(姉)——……ふう♪今日はこのぐらいにしましょうか。
(姉の触手が抜ける)
(マスクをつける音)
——いい?この冒険者さんには迷惑かけないように。店に来なくなったら困りますから。
(妹)——わかってるっすよー♪こんな美味しい人間滅多にいないっすもんね。
——じゃあ起こしてあげますか。
(妹の触手が抜ける)
(マスクをつける音)
——お客さーん。治療全部終わったっすよー。
(姉)——体調はどうでしょうか?傷はすべて取ったと思いますが。
……とても軽くなった?これ以上ないくらいに?
——それは良かったですね。妹はまだまだ未熟ですが、元々心の傷を取るのが得意な性質ですので。
(妹)——そういうことなんで、嫌な事があったら私を呼んでくれると嬉しいっす。
——……あ、支払いっすね。えーと…。姉さん、これっすかね。
……また今回も安い?らしいっすけど姉さん。
(姉)——ああ、今回は新人の研修に付き合って頂いたので、そのぶん差し引いてます。
……毎回これで大丈夫なのかって?ええ。なんとか。
ですのであなたも、軽率に死にそうな仕事をしないでくださいね。お客が減るのは困りますから。
——近いうちにまた来てください。二人で待ってますよ。
(妹)——じゃあ外までお送りするっすね。こっちっす。
(姉)——では。
(同時)
(姉)またのご来院をお待ちしております。
(妹)またのご来院をお待ちしてるっすー。
(扉の閉まる音)
クレジット
ライター情報
ファンタジー系ASMRが好き。
耳かきしながらずっと話してるタイプの作品が好きなので、文章長くなりがちです。
pixivにも同じ内容で投稿しています。
耳かきしながらずっと話してるタイプの作品が好きなので、文章長くなりがちです。
pixivにも同じ内容で投稿しています。
有償販売利用の条件
商品として販売する場合のみご連絡ください。それ以外(有料の支援サイトの音声に台本を使う場合など)では自由に使って頂いて大丈夫です。
利用実績(最大10件)
えむおーおー の投稿台本(最大10件)