その日、とある学校の生徒に異能力が付与された。補習が終わったあなたとギャルは、自分に付与された異能力が何なのか気になっていたが、ギャルに付与された異能力は「足音がめっちゃ変な擬音になる」異能力だった。いらねー！

○教室（放課後）

(チャイム音）

ねえ。ねえオタク君。オタク君って！なんで聞こえないフリすんの？

いや、教室ウチらしかいないし。無理でしょ。シカトするの。

ねぇ～何で無視するのぉ～。一緒に補習受けてる仲じゃ～ん。

てかさ、オタク君はどうだったの？ーーいや補習の話じゃなくて。ほら「異能力」よ！今日先生が言ってたじゃん。「今日から皆にひとつだけ“異能力”が付与されます」って。ヤバくない？あたしまだ自分の異能力わかんないんだけど？オタク君は？

え～分かったの？なになに？

いーじゃん教えてよ！あたしのも分かったら教えるからさあ～。

てかあたし絶対オシャレな「異能力」がいいんだけど。髪色が自由に変えれる異能力とかぁ～。目の色自由に変えれる異能力とか。そしたらカラコン買うお金が浮いて、バイトの時間減らして友達と遊べるし。

そーいや隣のB組ずっと光ってたのも異能力？ーーあ～高橋のやつ「体がめっちゃ光る異能力」付与されてんだ。ウケる。マジの陽キャじゃんｗ

あ～あ～、家帰る前にあたしの異能力も分かったらいいのになあ～。つ～かオタク君の異能力マジでなんなん？

（遠くから足音　ギャルの友達がこっちに来ている）

あ、マミじゃん。（マミに向かって）マミ～！もう帰る？あたしも帰るからそっちいくわ～！

（椅子から立ち上がる音）

（めっちゃ変な擬音が足音と同じリズムで鳴る）

…は？何これ。

（めっちゃ変な擬音が足音と同じリズムで鳴る）

…え、足音ヤバ…。

（マミに向かって）え、い…いや、ウチじゃないよ。マジで。

ちょ、オ…オタク君さぁ…。変な音出すのやめてくんない？(震え声)

（マミに向かって）ごめんマミ!先帰ってて!あたし今日バイトだったわ～！

（マミが去っていく足音）

え…ちょ…これ何？　

ーーは？「足音がめっちゃ変な擬音になる」異能力？なにそれ、最悪なんだけど。

もー！全然おしゃれでも可愛くもないし！最悪ー！やだやだやだー！

（地団太を踏むが変な擬音ばっかり鳴る）

うるせぇー！

ねえオタク君！これ、止める方法ないの！？

イヤ絶対あるでしょ！なかったら高橋とかヤバいじゃん。あんな光ってたら夜中とか絶対職質されるって！

めっっちゃムカつくんだけどこの「異能力」！おい、これでオタク君の「異能力」がオシャレだったらさらにムカつくから、今ここで見せろって（八つ当たり）

（オタク君移動　足音）

ちょ…どこ行くんだよオタク君。

（ビュン！）

は…速いっ！

（ビュン！）

速めっちゃ速いスピードで廊下走ってる…。もしかしてオタク君の異能力って「すごく足が速くなる」ってこと？

（ビュン！）

ちょ、オタク君ｗ速い速いｗ速いのはわかったから…って、どこいくんだよ、離れすぎｗ

…てかその異能力さあ、オタクに一番いらんでしょ(笑)だって足速くなってもモテないしょ。オタクだもん。宝の持ち腐れ～笑

ーーああ、聞こえてた？ごめんごめんｗ　怒んなって～。てか早く教えてよ。異能力どうやって解除すんの？

…ねえ、そんな離れた場所からじゃ聞こえない。足速いのはわかったからさ、こっち来て教えてよ。

いやあたしはほら、あれじゃん…。足音がさ…。ん～！ねえ、お願いだからオタク君！こっちきて教えてって～！

（ビュン！）

ちょｗ速っ！びくった～！…ん？なになに…これをこうすれば…。え、これだけでいいの？

（ギャルの足音　普通に戻る）

戻ったぁ～！よかった～！やっぱオタクは頼りなるなあ～。

はぁ？先生朝のホームルームで説明してたの？いや、知らんし。そんなん。聞いてないもん。

真面目に先生の話聞いてるの何でオタク君くらいっしょｗ

冗談だって～。んで？オタク君はウチに何をお願いしたいわけ？

ーー「1日一緒に遊ぶ」？全然いいけど、そんなんでいいの？

オタクの考えることだから、どうせエッチなお願いかと思ったら、意外と真面目じゃん。

いいよ！何する～？あ、最近さあ、あたしもゲーム始めたんだよねえ。

あれ知ってる？可愛いイカ人間に、帽子とか服着せるゲーム。あれやってんの。楽しいよ！

ーーえ、あれってインクを塗るゲームなの？…へえ～そうなんだ。

オタク君もそのゲーム持ってるなら、今度やり方教えてよ。

てか今からオタク君ち行こうよ。え～いいじゃん、足速いんだからあたしのチャリ引いて連れてってよ～(フェードアウト　完)

・台本（ゆるボイ！）
めちゃくちゃ変な異能力が付与されてしまったギャル
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
エナドリ飲んで寝る人