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ヤンデレストーカーに水槽で監禁された話
written by 市 砂鳥
  • 監禁
  • ヤンデレ
  • ストーカー
  • サイコパス
  • 洗脳
公開日2021年07月05日 14:41 更新日2021年07月05日 14:41
文字数
1882文字(約 6分17秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ストーカー
視聴者役柄
一般女性
場所
ストーカーの部屋
あらすじ
ある日、水槽の中に閉じこめられてしまったあなた。
狂おしい愛と水で迫ってくるヤンデレの正体は…。
本編
(水槽を叩く音)

ダメだよ…

せっかくの水槽が傷ついちゃう。

もう、そんなに内側から叩かないで。

何より、あんまり強く叩くと

大切な君が傷ついちゃうよ。

それだけは絶対に嫌だから

やめよう、ね?


そう、君は今

大きな大きな

「水槽」の中に

閉じ込められてるんだ。


僕の声、そこからでも聴こえるかな?

…良かった。

アクリル越しだけど

ちゃんと声は届いてるみたいだね。


気に入ってくれるか心配だったよ。

一般には販売されてない

オーダーメイドの水槽なんだ。

世界でたったひとつ、君のための…ね。

規格外のサイズだけど

どの角度からも君を眺められるように

ちゃんと僕の家のリビングの

真ん中に置いてもらったよ。


え…大丈夫?

…へたり込んじゃって。

動き回るには十分な大きさだから

決して狭くはないでしょう?

もちろん水も入れてないから

呼吸だってできるでしょう?


そう、君は自由。

…水槽の中でなら、ね。


ああ!

ちょっと待って!

そのまま、起き上がらないで!

今の君、ちょうどスカートで足が隠れて

人魚姫みたい。

…良い。

とっても良いよ。

竜宮城の乙姫様よりも

ずっとずっと絵になるよ。

うん…美しい。

もう少しこのまま、眺めさせて?

この目にしっかり

その姿を焼き付けさせて、ね?


(再び水槽を叩く音)

あのね、さっきも言ったけど

水槽を叩かないで欲しいんだ。

ほんとはやりたくないけど

あんまり抵抗するなら…

(蛇口をひねる音)


「水」

入れなきゃいけなくなる。

そうだな…このサイズの水槽だと

何分でいっぱいになるだろう?


(蛇口を閉める音)

ありがとう、分かってくれて。

はい、止めてあげたよ。


あ…そうだ。

君の不安を少しでも減らしてあげたくて

僕、用意しておいたんだ。

「君が愛してやまないもの」を

たっくさん、ね。


君は花が好きなんだよね?

ほら見て

水槽の中にたくさん飾ったよ。

僕の手作りの水中花だから

拙いところもあるんだけど

気に入ってくれると嬉しいな。


それから…ピアノが好きなんだよね?

君が好きそうな曲

プレイリストにしたから

いつでも流してあげるからね。


ライトもこだわったよ。

君が好きなのは、青色だね?

ほら…ライトアップしてあげる。

澄み切った青空みたいな光で

癒されて欲しいな。


他にも欲しいものがあったら言ってね?

やっぱり水槽は

生体に合わせた環境にしたいから

もちろん、食べ物だってあげるし

身体も綺麗に保ってあげるからね。


「あなたは誰」?


…そっか。

そうだよね。

僕のこと、覚えてないよね。

いいよ、いいんだ。

忘れてても、無理ないから。

初めて会ったのはもう何年も前のことだ。


ああ、ちょうどいい。

そろそろ君も媚薬が効いてきて

少し眠くなって来てるでしょ?

子守歌の代わりに話してあげる。


話が終わったら

僕からとっておきの

「プレゼント」

贈るから、楽しみに聴いていて?


初めて君に逢ったのは

小さな小さな水族館だった。

君は制服を着ていたね。

平日だったし

学校をサボって来ていたんだね。

…僕もそうだった。


君はゆらゆら彷徨って

行き場をなくした美しい魚。

そんな強烈な印象だったよ。


ああ…君は大きなクラゲの水槽を眺めて

一人、つぶやいていたことがあったっけ。

「生まれ変われるなら、クラゲがいいな」

って。


社会人になっても

君はたびたび水族館に来ていたね。

…そうだよ。

僕らは何度も水族館で逢っていたんだ。


「あなたと話したことなんかない」

って?


…うん、そうだね。

でもさ、言葉なんか交わさなくたって分かる。

サカナだって

言葉を介さずに群れているでしょ?


君と僕は似ている。

ううん、僕らは「同じ」なんだ。


派手なイルカショーよりも、

静かにクラゲをみるのが好きなところも。


学校でも社会でも

どこかはみ出ていて

水族館が心の居場所だったところも。

僕らは一緒だったんだよ。


「どうしてこんなことするの」?


って?

君を自由にしてあげたいからだよ。


君は現実でいつも

酸素を失って

もがいているように見えたから。

僕は君をさらって

水槽の中で自由にしてあげることにしたんだ。


クラゲに生まれ変わらなくても

大丈夫。

君は君のままで

幸せに生きられるんだ。


これまでよく頑張ったね。

「愛してる」

の言葉の代わりに

僕は描ける限りの夢を

掛けられる限り魔法を

この水槽の中で実現してみせる。


外の世界は

君の本当の良さが生かせない。

その美しさも、持て余すだけだよ?

水槽の中に居れば、

もう、はみ出すことを

怖がらなくっていいんだ。


…もう目がトロンとして来たようだね。

身体も熱くなってきたかな?

良かった。

遅効性の媚薬だから

本当に効くか心配だったんだけど。


話、最後まで聞いてくれてありがとう。

今、そっちに行くよ。

約束通り、僕からの

「とっておきのプレゼント」

渡しに行くからね。


(水槽の中で)

…こっちを向いて?

口移しで

「酸素」

あげるから。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレストーカーに水槽で監禁された話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
市 砂鳥
ライター情報
市 砂鳥(イチ サトリ)です。

ヤンデレ中心です。
現実的なものからファンタジックなものまで、幅広く書いていきたいと思います。

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