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気弱な結界魔導士の弟は、わたしだけの自慢の弟
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • 年下
  • 戦闘
  • 結界魔導士
  • 魔眼
  • 内向的
  • ヒーロー
  • 気弱
公開日2023年01月04日 14:47 更新日2023年01月04日 14:47
文字数
1754文字(約 5分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役柄
場所
某所
あらすじ
国一番の勇者である貴女には弟が一人いる。彼は結界魔導士で、時折貴女のパーティに加わっては、パーティ全体のサポートをしていた。そんな彼だが、最近は姉である貴女に内緒で、何か秘密の特訓をしているようで…?
本編
はぁっ、はぁっ、はぁっ…


や、やっぱり今の僕じゃ
これくらいが限界かな…


けど、もうちょっとだけ
頑張ってみようかな…もう一回…


…ッ、ね、姉さん…?
いつのまに…?


あ、や、何でもない…
ちょっと鍛錬してただけ…魔法の…


うん…張り切りすぎて
少し疲れた感じ。あはは…


大丈夫、無理はしてないから…
それより姉さんも怪我はしてない?


そっか…よかった。まぁ僕が
心配するのも変な話だけど…


いや、だって…姉さんは国一番の勇者だし…


僕なんかが心配するのは
余計なお世話かなって…


そ、そう…ならいいけど…


う、うん、そうだね…
ご飯にしよっか。
今日は僕が作るよ。


だ、大丈夫…全然平気。
姉さんは楽な格好に着替えてきて。


うん…ホントに大丈夫。
そんなに大したことしてないし…


じゃ、じゃあ僕ご飯の準備してくるね…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そういえば姉さん…
今度の任務、僕も同行していいの?


うん…ドラゴン退治でしょ?
かなり高難度の任務なんじゃ…
僕、足手まといにならないかなぁ…


うーん…まぁ姉さんが
そう言ってくれるなら
頑張るけど…


いや、そうだけど…
ていうか、それしか
できないんだけど…


僕、結界魔導士だし…
後方支援で結界張るくらいが
関の山だし…


わ、分かった…
できる範囲のことは頑張るね。


あ、姉さん…ご飯のおかわり、いる?


うん、じゃあ追加持ってくるから…
ちょっと待ってて。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ…おはよう、姉さん。


だ、大丈夫…ちょっと緊張して
寝る時間が短くなっただけ…


平気…足は引っ張らないようにする。多分…


そ、そろそろ行こう。
パーティのみんな、
もう待ってると思うから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…ッ、姉さん!下がって!


(荒い息)


前に出過ぎだよ、姉さん…
ちょっと落ち着いて…


そ、それはそうだけど…
姉さんまで冷静さを失ったら
このパーティ全滅するよ…


大丈夫…みんな気絶してるだけ。
命に別状はないから…


姉さん…ここは退却しよう?
あのドラゴン、強すぎるし…


け、けど…このままじゃ
民間人だけじゃなくて
僕らのパーティまで全滅しちゃう…


…分かった。じゃあ姉さんは
僕の後ろに下がって、みんなを守って。


うん…僕が戦う。
あのドラゴンと一対一で。


大丈夫…奥の手はあるから。


絶対上手くいく保証はないけど…
このまま何もしないで
全滅するよりはマシだから。


言ったでしょ?
できる範囲のことは
頑張るって。


頑張るから…みんなのことは
姉さんが守って。任せたよ…!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


んっ…あれ?僕は…


あ、姉さん…
だ、大丈夫だった…?


え、えっと、落ち着いて?
僕は大丈夫だから…


ちゃんと目も覚ましたし…
一応意識はハッキリしてるから…


あ、えっと、あれは…
その、魔眼?みたいなやつ…


うん…僕の師匠が僕に
勝手につけた能力…的な。


師匠、気まぐれだから…
なんで僕に魔眼の力を与えたのかは分からない…


まぁ、うん…魔眼で
ドラゴンを別時空に飛ばした。


時空の狭間?っていうのかな…
そういうところに飛ばした…と思う。
ちょっと自信ないけど…


的が大きかったから
力はかけやすかったけど…


質量が大きすぎて
飛ばすのも苦労した…
ちょっと疲れたかな…


うん…魔力が枯渇して
ぶっ倒れたみたい。


あと、制御するのが難しくて…
下手すると自分ごと別時空に…


お、落ち着いて…僕なら大丈夫だから。


制御のための鍛錬も
こっそりやってたし、
ある程度はなんとか、ね…


うん…ごめん。
姉さんに黙って
こっそりやってた。


姉さんの前で使うことに
ならなきゃいいなって思ってたけど…
あの時はそうも言ってられなかったし…


…ごめん。姉さんに余計な
心配かけたくなかったから…


(抱きしめられる)


姉さん…力、強いよ。
ちょっと苦しい…


そう、だね…既に心配かけてた。ごめん。


分かったよ…もう一人で無茶しない。
姉さんにもちゃんと頼るから…


か、かっこいい?僕が?


そんなこと言われたの、初めて…


腰抜けとか雑魚とか
役立たずとかなら
たくさんあるけど…


あ、や…だ、誰が言ったかまでは
覚えてないかな…?あはは…


怒らないで…僕は気にしてないから。


うん…周りになんて言われても
僕は僕のできることをするだけだから…


それに…僕は姉さんの力になれれば
それでいいって思ってるから。


うん。姉さんは国一番の勇者で、
僕の自慢の姉さんだから。


僕を姉さんと比べるのも烏滸がましいけど…


姉さんに置いていかれないように、
これからも頑張るから。


(強く抱きしめられる)


いたた…力強いって、姉さん…
そんなに強く抱きしめられても…


う、うん…ありがとう。
これからは無茶しすぎない
程度に頑張るね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
気弱な結界魔導士の弟は、わたしだけの自慢の弟
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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