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無職のイケおじを見つけたので、吸血してみた
written by 松平蒼太郎
  • イケおじ
  • 知り合い
  • ベランダ
  • ヤニカス
  • 無職
  • ファンタジー
  • 年上
公開日2023年01月18日 14:32 更新日2023年01月18日 14:32
文字数
1815文字(約 6分3秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
無職の中年男
視聴者役柄
吸血鬼のお嬢様
場所
男の家
あらすじ
いいとこのお嬢様で吸血鬼の貴女は、眷属にしたいと思っている一人の男がいた。男は中年で、現在無職だが、働く意思はあるらしく、就職口を探していた。そんな男の容姿も中身も匂いも気に入っていた貴女は、日頃から何気に彼にまとわりついていて…?
本編
誰だ?さっきから俺の跡を尾けてんのは…


なんだ…お嬢ちゃんか。


あんまりおっさんを脅かすなよ…


いや、十分驚いてる。これでも、一応…


今日はどうした?またきょうだい喧嘩でもしたか?


ふぅん…まぁいいが。俺もあとは帰るだけだし。


(ため息)


ホントは嫌なんだがな…お嬢ちゃんみたいな若い子を家に連れ込んでるところを他の人に見られたら、通報されちまう。


…それはやめとけ。余計誤解が広がるだけだから。


通報されたら、おっさんは大人しく捕まるとするよ。できるだけの弁解はするが。


あ、そ…弁明してくれるのは助かるな。ありがとう。


ん、わかった…とりあえずついてこい。家まで案内するから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コーヒーだ。砂糖とミルクも好きなだけ淹れるといい。


ん、そうか…美味しいならよかった。


プロ級って…大袈裟だな。
こんなんじゃ、店も出せねえよ。


本当だ。凡人が淹れたコーヒーだ。
そんなにおだてんな。


ん?……嬢ちゃん、いきなり痛いとこ突いてくるな。


まぁな…いまだに無職だよ。再就職のアテはない。


ここ最近でどれだけお祈りメールもらったっけか…一、ニ…あぁ、もう数えたくねぇ。


これでも一応頑張ってんだがなぁ…やっぱこんなおっさんじゃ、どこも雇ってはくれねえか。


ホストって…お前、こんなくたびれたおっさんに務まるかよ。逆立ちしても無理だな。


嬢ちゃんのイケメンイケボの基準がよく分からん…変わった趣味してんのな。


ハァ…ちょっとベランダでタバコ吸ってくる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(一服)


…どうした?副流煙吸ったら、身体に悪いぞ?


いや…嬢ちゃんは悪くない。


俺が勝手に落ち込んでるだけ。


そろそろ俺も人生の幕を引く準備しなきゃかなぁ…はは…


今は失業手当とか貯蓄とかあるから、どうにか生活できてるけど…再就職しなきゃどうにもならんよなぁ…お先真っ暗だな。


…?どうした?そんな真面目な顔して…


え?急にどうした?養うって、誰が誰を?


い、いやいや…年若い娘に養われるのは流石にな…


あ、そうなの?嬢ちゃん、マジでいいとこのお嬢様だった?


へ、へー…俺一人くらい余裕で養える、か…
そりゃ、美味い話だな。


けど、やめとくわ。
俺にもプライドやら
意地やらはあるし。


たとえ、嬢ちゃんが全く迷惑を被ってなかったとしても、自分で自分が情けなくなりそうだからな。


バイトでも派遣でも、とりあえずどっかで勤め先見つけねえと……っ!?


(ベランダの欄干に押し込まれる)


何すんだよ…俺、嬢ちゃん怒らせるようなこと言った?


……あ、えーっと…いきなりのカミングアウトでおっさん、頭がついていかないんだけど…


つまりアレか…お嬢ちゃんはマジもんの吸血鬼で、おっさんの不味い血が欲しいと。


嬢ちゃんに血液を提供するという仕事をしてくれっつー認識でOK?


なるほどなぁ…献血みたいなもんか。


献血より気持ちいい?ふーん…


じゃあそうだな…吸血お願いすんのはやめとくか。


いや、そのな?さっきも言ったけど、こんな俺でも男の意地とかプライドとかはあるわけだわ。


血を提供するだけで衣食住が保証されるってのは、俺にとっては得しかないんだが…だからこそやめとく。


だってよ…俺は無職だぞ?いまだに社会に何の貢献もしてないダメダメなおっさんだぞ?


元がダメダメなのに、お嬢ちゃんのヒモになっちまったら、もっとダメになるだろーが。


血が欲しいならいつでもくれてやる。


でも、養われるっつー話は今回は無しでいいか?


な、何笑ってんだよ…俺、そんな変なこと言ったか?


あ、うん…じゃあどうしようもなくなったら、嬢ちゃんを頼らせてもらおうかな…


はいはい…嬢ちゃんは見かけによらず、押しが強いな…


あー、どうぞ…どこ噛むか知らんけど、まぁ、その、優しく頼むわ…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うぐ…ちょっと目眩する…貧血か?これ…


いや、大丈夫。多分…


てか、もうこんな時間か。


そろそろ帰らなくていいのか?


あー、迎えに来てもらえんのか。流石お嬢様。
羨ましい限りで。


いや、いい。てか、さりげなく人を誘拐しようとすな。


わかったわかった…経済的にピンチになったら、
お嬢ちゃんを頼る。約束するから。


お、おぅ…次、嬢ちゃんが来るまでに就職先確保しとかないとな…マジでヒモにされる…


ん?お迎え、もう来たのか?早いな…


おぅ、じゃあな。気をつけt…ッ!


(キスされる)


口、ヤニ臭くなるぞ…って、すでに手遅れか。


タバコ臭い俺のそばにいたもんな。臭い、移っちまってるか…


そこは気にしろよ…なんか責任感じるな。


あぁ、うん。それに関しては、まぁ前向きに検討しとく。


おぅ…夜遊びは程々にな?それじゃあまた。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
無職のイケおじを見つけたので、吸血してみた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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