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クラスの不良女子に守られつつ、貸しを作ってしまった
written by 松平蒼太郎
  • 学校/学園
  • 寝落ち
  • 添い寝
  • 同級生
  • 不良 / ヤンキー
  • 微ツンデレ
  • お泊まり
  • クラスメイト
  • 護衛
  • 学生
公開日2023年03月06日 03:34 更新日2023年03月06日 03:34
文字数
3539文字(約 11分48秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
不良女子
視聴者役柄
草食系男子
場所
学校、通学路、男子の家
あらすじ
いじめられっ子の貴方は、とある事情でクラスの番長ポジである不良女子に守ってもらっていた。彼女の行いを余計なお世話と感じつつも、同時に感謝もしていた貴方。そんなある日、貴方は彼女の弟と知り合い、結果的に彼を窮地から救うことに成功する。その甲斐あってか、彼女からは「ただの護衛対象」から「一人の男の子」へと評価が少しずつ変わってきて…?
本編
[前編]〜不良女子の護衛〜


よぉ。面白えことやってんじゃん。アタシも混ぜろよ。


あぁ?アタシがここに居ちゃいけねえってか?


言っとくが、そいつに喧嘩売るってことはなぁ、アタシに喧嘩売ってるも同然なんだよ。


おら、どうした?かかってこいよ。いくらでも相手してやっからよぉ。


(不良たちが逃げ出す)


ったく、腰抜けどもが…


おい、立てるか?ほら、掴まれ。


…あ?情け?アタシがそんなもん、いつかけた?


言っとくがなぁ、アタシがお前を助けたのは同情なんかじゃねぇ。


そ。分かってんじゃねえか。


契約だよ。お前のお袋さんとのな。


おばさんから、お前をいじめっ子から守れって言われてんだよ。


んで、その対価としてアタシはおばさんから金をもらう。簡単だろ?


余計なお世話ァ?アタシがいなきゃ、ボコられてたままのくせに。


ま、いいや。とりあえず義務は果たしたからな。


お前もせいぜい、くだらねえ連中に目ェつけられないよう、頑張るこった。そんじゃあな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…おい。お前、何しようとしてんの?


どもんじゃねえよ。ハッキリ答えろ。


…やっぱりか。万引きさせられそうになってるとか終わってんだろ、マジで。


とりあえずその商品、元の棚に戻してこい。


いいから戻せ。アタシの言うことが聞けねえってか?


いい。あの陰からコソコソ見てる連中はアタシがボコしといてやる。


大人しくアタシの言うこと聞け。分かったか?


(主人公が棚に商品を戻しに行く)


…ふん。余計な手間かけさせやがって。


さて…金のために一丁働いてやるか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


よぉ。遅かったな。


商品戻しに行くのに、どんだけ時間かかってんだよ。


…は?お前、バカ?


なんでわざわざ店の人に万引きしようとしたなんて言うわけ?


黙って戻せばそれで済む話だろーが。


って、おい!アタシのことまで話したのか⁉︎


〜〜っっ!お前なぁ!どんだけバカ正直なんだよ!言わなくていいことまで言うんじゃねえよ!ボケがよぉ!


あ〜、もういい!お前が嘘つけない大馬鹿野郎ってのは、よ〜く分かった!


そんなんだから、虐められんだよ。


少しは本音隠すこと覚えろ、バカ。


あ……ってことはお前、万引きしたら自首するつもりだった?


(ため息)


やっぱり…お前、とことん自分が損する性格してんな…


おばさんがなんで金払ってまで、アタシにこんな仕事頼んだか分かった気がする…


あ〜、もういい。説明すんのめんどくせぇ。


てか、そんくらい自分で気づけ、バカ。


おら、帰んぞ。家まで送ってってやる。


うるせぇ。お前の護衛がアタシの仕事なんだよ。


大体お前自身、危なっかしくて、目ェ離してらんねえし。


分かったら、とっとと行くぞ。一々文句言うんじゃねぇ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[中編]〜不良女子の大切な物〜


(舌打ち)


あ〜、クソ…今月も足りねえか…


アタシは我慢できっけど…弟の給食代くらい、払ってやんねえと…


(お腹が鳴る)


…腹、減ったな。仕方ねぇ、どっか友達んとこでもたかりに行くか…


(電話が鳴る)


…もしもし?お前からかけてくるなんて珍しいな。なんか用か?


…は?ちょっと待て、なんでお前がアタシの弟と…


わかった。すぐそっち行くから、待ってろ。


くれぐれも弟から目ェ離すんじゃねえぞ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はぁ…ったく、二人して何やってんだか…


助かったよ、じゃねえよ。アタシをビックリさせんな。


…お前、いつの間に弟と仲良くなったんだ?


ふーん…アタシを差し置いて、二人で楽しくヒーローごっこやってたってわけか。


つか、お前が怪人役かよ…弱すぎて指一本で倒せんじゃねえの?


いや、そんなことより…あ、ありがとな。弟のこと、助けてくれて…


まぁ、な…弟もお前と同じでひ弱だから。


けど、近所の中学生どもに虐められてるとは思わなかったな…


最近様子がおかしいと思ったら…そういうことだったってわけだ…


今はこんなにグースカ寝てっけど…アタシの知らないとこで傷ついてたんだ…


クソ…アタシがちゃんと気づいてやれれば…


…ッ、良くねえよ!弟を守れねえ姉なんて、姉失格だろ!


そ、それは結果論だろーが!


お前がアタシを呼んでくれなきゃ、今頃は…!


…バカがよ。誰のせいでこんな苦労してると思ってんだ…


何が「俺のことはもういいから、弟のことだけに集中しろ」だ。


二人まとめて守ってやるに決まってんだろ。


お前は仕事の契約、弟は姉の責務って意味でな。


…別にしんどくねえよ。当たり前のことしてるだけだ。


あ?お前にできること?んなもん、特にねぇ…


…いや。一個だけある、かも…


お前、料理はできるか?


じゃあ、アタシになんか食わせろ。


今月も金欠で腹減って仕方ねえんだよ。


あ?おばさんからのバイト代なんて、全部弟の給食代につぎ込んでるに決まってんだろ。


…まぁな。ちょっと家庭の事情がアレでアレなんだよ。


おぅ。じゃあ弟家まで送ったら、お前ん家行くわ。そんじゃ。


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[後編]〜不良女子のお泊まり〜


ごちそうさん。久々に腹一杯食わせてもらったわ。サンキューな。


てか、料理上手いな。普段からお前が作ってんのか?


へぇ…家のメシ係はお前か。どうりで…


んっ…あ、やべ、なんか意識飛んでた…


あぁ…ちょっとってか、かなり眠い…


(あくび)


悪りぃ…少しその辺で寝かせてもらっていいか?


おぅ…悪りぃな。おやすみ…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


んっ…あれ?ここってたしか…


あ…そういやあのまま寝ちまったのか…!


てか、やべぇ…!今何時だ…⁉︎


うおあっ!おっ、おま…!なんでアタシの隣で寝て…⁉︎


な、なんだよ、それ…修学旅行気分じゃねえっつの。


大体、修学旅行は男女別で泊まるもんで…


…お前、手ェ出さなかったんだな。アタシに…


な、何でもねえ!こっちの話だ!


ま、まぁ、要するに、お前みたいなヘタレがアタシを襲う度胸は無いって話だ。


…そっちの襲うじゃねえんだよ、バカが…


もういい。ピュアッピュアなお前にこの話は早すぎるっつーこった。


じゃあアタシ、今から家帰るわ。


当たり前だろ。早く家に帰らねえと弟が…


…マジか。泊まりの連絡入れたのか。アタシが寝てる間に…


さんきゅ…恩に着る。メシまで食わしてもらったし…


何だよ、改まって…くだらねえ提案だったら、ぶっ飛ばすぞ?


助け合い?アタシとお前が?


ふーん…なるほど。そういう契約か…


いいぜ、乗った。お前とも契約結んでやるよ。


アタシはこれまで通り、お前を守る。


その代わり、お前は今日みたく、アタシにメシを提供する。


悪くねぇじゃねえか。アタシも腹減りすぎて力が出ねぇってことも無くなるしな。


んじゃあ、新しい約束するってことで……うおあっ⁉︎


(立ちあがろうとして転ぶ)


いてて…わ、悪りぃ…


なんか足がもつれちまって…


え?あっ…お、前…


か、顔近えんだよ…こんな至近距離で見つめられたらアタシ…


あっ、あー!そうだよな!アタシが退かなきゃ、動けねえよな!ははは!


あっ、ぶねー…唇、危うく触れるとこだった…


何でもねえよ!てか、アタシはどこで寝りゃいいんだよ!


え……同じ、部屋?お前と…?


いや、だから修学旅行気分は味わえねえよ!普通は男女別だろうが!


え、や、嫌じゃ、ねえけど…その、色々問題があるっつーか…


あー、もういい!アタシだけがこんな悩んでんの、バカらしくなってきた!


いいよ!お前と同じ部屋で寝てやる!


お前とならそーいう間違いも起こらねえだろうし!


(咳払い)


と、とりあえずシャワー借りるな。


悪りぃけど着替え用意しといてくれ。頼んだぞ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


……なぁ、起きてるか?


起きてんのかよ…寝てるかと思った。


いや…お前とこうして同じ部屋で寝てる状況が不思議だと思ってさ…


アタシとお前は友達ですらねえのに…なんでだろうなって…


あー、いや…一応、恩人だったな。アタシの弟の。


虐められっぱなしのお前が、まさか誰かを助ける側に回るなんてな…


アタシ?アタシがどうかしたのかよ?


…ッ、そ、そっか…


アタシみたいに守る側になりたかったから…


お前ってひ弱でへなちょこで、指一本で倒せそうなのに…案外、根性あるじゃねえか。ちょっとだけ見直した。


おい…そのまま後ろ向いてろ。絶対振り向くなよ?


(バックハグ)


こ、これはその、お礼だよ…


弟を助けたのと、遊び相手になってくれたっていう…


あぁ…アイツはアタシにとって大事な家族だから。


何があっても守りたいって思うくらいには。


だから…今は感謝のハグ、してやってんだよ。


こ、これしか思いつかなかったんだよ。お前に対するお礼…


気持ちいい?そっか…そりゃよかった。


なぁ、お前さえ良ければアタシと……


……寝てるか。ばっちし寝息立ててんもんな。


はぁ…こんな奴に返し切れねえ貸しを作っちまうなんて…


寝るか、アタシも…今日はなんか疲れた…


…弟のこと、マジで頼んだからな?ついでにアタシのことも…


…って、何言ってんだろうな、アタシは…眠すぎて頭回ってねえのか…


あったけぇな、コイツの身体…なんかポカポカする…


おやすみ…今はアタシの抱き枕として、せいぜい役に立てよなー…


(寝息)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
クラスの不良女子に守られつつ、貸しを作ってしまった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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