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君の幸せは私だから
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 幼なじみ
  • 依存誘導
公開日2023年03月18日 18:21 更新日2023年03月18日 18:21
文字数
2495文字(約 8分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幼馴染
視聴者役柄
他の女子に告白しようとした男子
場所
幼馴染宅
あらすじ
ある日の帰り道、あなたは幼馴染にふと、「クラスメイトに明日の放課後、告白しようと思う」と言った。
彼女に応援してもらうために言ったひとことだったが、反応は動揺そのものだった。
それだけに止まらず、彼女は「話し合いをしよう」と半ば強引にあなたを家に連れ込んだ。
それは、あなたを自らの意思で思いとどまらせ、自分のことを選んでもらうための彼女の誘導作戦だった。
本編
ねえ。
さっきの話ってさ、冗談、だよね?
そうだよね?

流石にびっくりしちゃったよ。
君が言いそうにもないこと急に言い出すんだから。
心臓止まりそうになった。

あの子に告白しようだなんて、本当は嘘、なんだよね?
それも、明日の放課後だなんて急に。
なんか、本気みたいに聞こえたけど、ま、まさか、そんなはず、ないよね?

(怯えるように)ない、よね?

こんなことって、これは、大事おおごとなんだよ?
だから、急遽君には私の家に来てもらってこうして話をしてるの。

だって、こんなこと、あっちゃいけないから。
私が、間違わせないようにしなきゃいけないから。

君はこの事の重大さを理解してくれてないみたいだから、尚更ここは私がしっかりしないといけないでしょ?

もし、あの子に告白する決意が本当ならば、言わなきゃいけないの。

君は必ず、後悔することになる。

ううん、あの子の悪口が言いたいわけじゃないの。
どうせフラれて傷付くだけとか、君を馬鹿にするつもりも嫉妬もない。

君の告白が上手くいったとしても、あの子が素敵な人だとしても、その先にあるのはそれでも後悔でしかないんだよって、君自身に気付いて欲しいだけ。

君のこと、幸せにできるのは、たったひとりの君の理解者だけで、君が幸せのまま生きていけるのは、そのひとりを選ぶ未来だけだから。

いいかな。
君が思ってるよりも君の心は繊細で、今も不安定なんだ。

ずっと一緒にいたの。
私がそれを知ってる。

だから、今まで君の心をずっと守ってきた。
君が、誰かに嫌われたとか、誰かを傷付けたとか、過剰に病むことがないように。
君が、君らしく笑えるように。

確かに、一度、離れてみたらわかるかもしれないね。
何にも守られてない君の晒されてる心が、どんなに苦しいものか。

でも、私はそれが想像できるから、想像するだけで辛くなるから、君には知らないでいてほしいの。

あの子が悪いわけではないけれど、君のことを長い時間かけて理解してきた君の隣の私と比べたら、誰だって、君のことをわかってあげられないようなものだから。

もしかすると、私と君との時間と同じ分だけ一緒にいたら、私よりも君のことを理解してあげられる人はいるかもしれないし、それは君の言うあの子なのかもしれない。

それでも、理解してもらえるまでの時間を、君の心は耐えられるのかな。

それが、ただ心配で。
私とずっといてくれるなら、そんなの気にしなくていいんだけど、君が君の道を選ぶって言うなら、どうしても、ついて回ることだもの。

それでも君がいいって言うんなら、私に止める手立てはないのかな。
嫌だけど、君自身に、身をもって感じてもらうしか。

んふっ、怖くなってきちゃった?

いいんだよ、それで。

君は自分で思うより、私に依存してるんだもの。
それもそうだよね。
君の心を守れるのは私だけ。
守ってくれる誰かを必要とするのは人として当然のこと。

少しは、君に私のことを必要としてもらえるように立ち回ることもあったけど、これは、ずっと君のことを守り続けていたからだよ。
君は無意識に知ってるの。
君には私が必要なんだって。

だから、君は本気であの子に告白しようなんてこと、言えないの。言えるはずがないの。
そうしたら、ここまで守られてきた心が崩れてしまうこと、本当はわかってる。

私の気持ちを、試したくなったのかな。
君には、私がいないとダメだから、離れようとしてたら、繋ぎ止めなくちゃいけないから。

だったら、ごめんね。
私の気持ち、足りなかったのかな。

ちゃんと届いてたら、不安になんてならないよね。

だけど、そうしたら私、まんまと君の策略に乗せられちゃったんだね。
物の見事、私、慌てて君のこと家に呼んで話の場を設けて。

こんなことしちゃったら、もう言い訳のしようがないよね。
隠す気はなかったけど、はっきりさせてなかったからこうなっちゃったんだもん。
ちゃんと認める。

だから、安心していいんだよ。
私は君のこと、ずっと守ってあげるから。
いつまでも君の身体、預けてくれていいんだから。

ねえもっと私に依存していいんだよ。
他の誰も頼ることなく、私だけに依存していいんだよ。
いっつも私ばかりに負担掛けたくないって思ったとしても、そんなことより、私は君が他の人に頼ろうとしてる方が嫌なんだからね?

君が信用できるのは、私だけで十分。
私はいつでも君のことを一番に思ってるから。

それが、私の与えられた役割なんだって思ってるもの。
ただ、君の為に在るということを。

そうして君の求める私もまた、君を必要としてるから。

だから、本当は冗談でも、聞きたくなかったの。
いいの、謝ることはないんだよ、私のせいでもあるものね。

でも、もうこれでお互い何も探らなくていいってわかったでしょ?
私に嫌われてるかもとか、何も気にすることなんてないんだから。

私、君のこと一度も嫌いなんて言ってないでしょ?
そんな素振りだってしてない。

君も、少しずつ私のこと、知っていってくれたらいいから。
いつまでも、ここにいていいってこと、わかってね。

でも、君は私のことよりも、自分のこと、知っておいた方がいいのかな。
これだけ言っても、何を言ってるんだって顔してる気がするんだ。

そりゃ苦しいよね。
君の本当の気持ちをわかってないんだもん。
自分の幸せが何なのか、自分でわかってあげられてない。

いいかな。
何度だって教えてあげる。
君の気持ちがわかってるのに、君に知らせてくれない君の真実を。

君は、私から離れられない。
君の幸せは私でできてるから。
君は、私で生きてるから。

忘れないように、もう一度。

君は、私から離れられない。
君の幸せは私でできてるから。
君は、私で生きてるから。

わかった?

自分のことをわかってあげられてないから、君は今まで沢山苦労してきたんじゃないかな。
ごめんね。私、君のことを、何もかもわかってるつもりだったけど、こうして初めて気付くこともあるみたい。
でも、大丈夫だから。

私のそばにいてくれるなら、大丈夫。

君の幸せは私だから。

ここにさえいれば、間違いはないよ。

ね、だから、明日の放課後も、一緒に帰ろう?
必要のないことなんかして、待たせないでほしいな。

ただ、私だけを選べば君はいいんだから、ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
君の幸せは私だから
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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