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わたしの両眼を取り戻してくれたのは、希望の魔法使いでした
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
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  • 俺様
  • 魔法使い
  • 迷宮
  • 指輪
  • ダークヒーロー
公開日2023年07月09日 14:10 更新日2023年07月09日 14:49
文字数
1186文字(約 3分58秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
魔法使い
視聴者役柄
メデューサ
場所
迷宮
あらすじ
とある迷宮に閉じ込められていたメデューサは、人を石に変えてしまう魔眼が怖くて、自身でその眼を封印していた。しかし、そんな彼女の希望になってくれたのは、俺様な魔法使いで…?

※この魔法使いは自身の両眼を犠牲に、彼女の両眼を取り戻しています。彼の発言である「お先真っ暗」とは、そういうことです。
本編
よぉ、メデューサぁ…牢屋で食うメシは美味いか?


あぁ。今日も会いに来てやったぜ?お前の泣きっ面を拝みにな。


あ、お前、そういや失明してたんだっけな。泣くことなんてできやしねえか。


いや、泣くことよりご自慢の魔眼が使えない方がダメージデカい?


ふーん…変な奴。人を石に変えんのが、お前らメデューサの役割だろ?


それを自ら放棄するなんて、俺には理解できねえな。何考えてんの?お前…


へぇ…魔族らしからぬ考えだな。人に危害を加えたくないって、どこの聖人君子かっての。


俺さ、お前みてーな綺麗事抜かす奴って、昔から大っ嫌れーなの。わかる?


そ。人を傷つけたくないとか、そーいうおべんちゃらは物語の中だけで十分なわけ。


お前のこと、気に入らねえから…今から、新魔法の実験台にするわ。


そ。新しい魔法を開発した。俺のためだけの魔法をな。


材料は…この石っころだけで十分か。


ちょっと指貸せ。俺の魔力を十分吸収できるように、指輪嵌めてやるから。


は?なにキョドってんの?別に深い意味はねえぞ?


ほら、いいから貸せって!早く実験してえんだからよ!


(指輪を嵌める)


あとはその薄汚い目の包帯を取って、と…


よし…そんじゃ、始めるか。


俺様の光り輝く魔法、ちゃんと見とけや、コラァ!


(しばらく魔法発動したのち終了)


はぁ、はぁ……どーよ?俺の魔法、ちゃんと目に焼き付けたか?


へへっ…当たり前だろ。俺の魔法成功率は百パーセントだからな。


目、よく見えるようになったか?これで治ってないとか言ったら、ぶっ飛ばすからな。


あー、そう…そりゃよかったこって…


は?奇跡じゃねえよ。魔法だ、魔法。


そ。不可能を可能にすんのが魔法なんだからよ…ありえないなんてことはありえないんだよ。


つーか、この迷宮よぉ、真っ暗すぎね?マジなんも見えねーわ。こんなとこでよく生活できたな、お前……っとと!


(転びそうになるのを堪える)


あっぶね〜…暗すぎて足元見えなくなってたわ。ったく、こんなとこ早く出ようぜ。鍵は…あったあった。


(牢屋の鍵を開ける)


えーっと…ほら、手貸せ。暗すぎて前見えねーから、繋いでやるよ。


(手を繋いで長い廊下を歩く)


あ?礼を言われる筋合いねえよ。魔法の実験台になってもらっただけだしな。


これからは目ん玉かっぽじって、見るもん見とけよ。じゃねーと、大事なモン見失うからな。


はっ…何が希望の指輪だよ。そりゃ、ただの魔法具に過ぎねぇ。


俺はもう使わねえから、オメーにやるよ。


ちげーし。誰がオメーみてえな悲劇のヒロインヅラする女にプロポーズするかよ。


それに俺はもう魔法使いやめるからな。お先真っ暗だし、これからは一般人として好き勝手に生きていくわ。


そりゃあ、アレだよ…魔法なんてもうこりごりだしな。正直、飽きたって感じ。


おっ…もうすぐ出口じゃね?ちょっとは明るくなってきたじゃねえか。


(迷宮を出る)


じゃあな。メデューサ。俺様の最後の実験に付き合ってくれてありがとよ。


おぅ。二度と不幸のヒロインヅラすんなよ?そんじゃなー。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
わたしの両眼を取り戻してくれたのは、希望の魔法使いでした
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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