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【ボイスドラマ風】二人のヒーロー先生は生徒の味方
written by 松平蒼太郎
  • シリアス
  • 教師
  • ヒーロー
  • 救出
  • 年上
  • 掛け合い
公開日2023年11月11日 08:37 更新日2023年11月11日 08:37
文字数
2793文字(約 9分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
2 人
演者役柄
先生
視聴者役柄
生徒
場所
某所
あらすじ
学校生活の悩みから、カルト教団の餌食にされてしまった貴女。ついに教祖の男に身体を差し出すまでに追い詰められたところを、二人の先生が助けに来て…?
本編
A.不良先生
B.紳士先生


(Aが扉を乱暴に開け放つ)


A.ちーっす。ここにうちの生徒がお邪魔してると思うんすけどー?


B.あ、よかった…無事だったんですね。迎えに来ましたよ。ご両親も心配していましたし…


A.あぁ?んなこと知るか。お前、何日学校無断欠席してんだよ。このままだと退学だぞ、退学。


B.今は細かい話はあとにしましょう…申し訳ありません。彼女はうちの高校の生徒でして。解放していただけると助かるのですが…


A.おいおい…話通じねえぞ、こいつ。カルト教団の教祖様ってのは、こんなんばっかかよ。こんな乳臭ぇガキで欲情するとか、ロリコンかてめぇは…


B.その偉大なる教えとやらが何なのかは知りませんが…僕たちの大切な生徒は返してもらいますよ。彼女は貴方の都合のいい道具ではありませんので。


(Aが教祖の男を押し退け、女子生徒を確保)


A.はい、お姫様確保~。これ、もともと俺らのだから、返してもらうな?


(激昂する教祖の男の前に、Bが立ちふさがる)


B.あぁ、お話なら僕がうかがいますよ?偉大なる教えとやらを浅学な僕にも教えてください…その小汚いお身体で、ね?


A.おーい、あんまやりすぎんなよー?一応、警察には通報してんだから…同僚が犯罪者の仲間だと思われんのは、流石にごめんだぞ?


B.分かっていますよ…ちょっと『お話』をするだけですので、ご心配なく。


A.うーし、じゃあ俺らは適当にトンズラするか。行くぞ~。


(Aが女子生徒の手を引っ張って、施設の外へ)


A.とりあえずここまで来れば大丈夫か…ちょっとタバコ休憩させてくれ。


(Aが一服)


A.…あ?余計な事すんなってか?バカ言ってんじゃねえよ。お前こそ、余計な事すんなよ。


A.学校サボって家出して、おまけにカルト教団に入信するとか、素行悪いにも程があんだろ。探し出すこっちの身にもなれよ。大人は色々と大変なんだぞ。


A.…ふーん。たしかに俺はお前のことなんも知らねえな。だったら、聞かせてくれよ。お前はなんで学校をサボる悪い子になったんだ?


A.おいおい…まさか話せねえってか?それとも、大人にゃ話しても無駄だとか思ってる?


A.おい、ガキ…耳かっぽじってよーく聞け。悲劇のヒロインヅラすんのは若気の至りってことで目ェつぶってやるがな、散々周りに迷惑かけといて、自分は肝心なこと何も話さねえって、いくら何でもフェアじゃねえだろ?お前、普段何考えて生きてんの?なぁ…


(Bが戻ってくる)


B.まぁまぁ…その辺にしておいたらどうですか?先輩の凶悪なツラで彼女、泣きそうになってるじゃないですか。


A.うるせぇ、この顔は生まれつきだよ…てか『お話」はもう終わったのか?予想の十倍は早えじゃん。


B.いえ、少し話をしていたら、彼が失禁してしまって…流石に大の男のおしめを替えるのは業務外なので、そのまま放置しておきました。あとは警察の方が何とかしてくれるでしょう。


A.相変わらず、えげつねえ詰め方してんな…お前、敵に回すとマジで厄介だな。一生俺の味方でいてくれ。


B.別に先輩を敵に回す理由はありませんので。それより彼女とのお話は…


A.あー、いいいい。気にすんな。こいつもちゃんと反省したってさ。な?もうお説教は十分だろ?


B.全くそういう風には見えませんが…その、君の気持ちを僕たちに聞かせてくれませんか?どうして君があの教祖の男に惚れこみ、身体を差し出すまでになったのか…ここで聞いたことは誰にも言いませんから。ね?


A.…俺、向こうでタバコ吸ってくるわ。そういや、ガキの前でタバコ吸うのはご法度だったしな。


(Aが立ち去る)


B.ふふ…すみません。先輩、ああ見えて君のことを誰よりも心配してたんですよ?君がカルト教団に入ったことを真っ先に嗅ぎつけたのは彼ですし…君を助けるために、危ない橋を一緒に渡ってくれって僕に頼んだのも彼ですから。


B.はい。先輩は見た目こそ凶悪ですが、誰よりも大人の責任を理解している人ですから。先生として、可愛い生徒を放っておくという選択肢はなかったんでしょう。


B.はい、素直じゃないですね。けど、先輩はそういう人なんです。ちなみに僕は先輩のおまけみたいなものですので、あまり気負わなくて大丈夫ですよ。お話、していただけますか?


(ぽつりぽつりと語り始める女子生徒の話を聞く)


B.はい…はい…そうですか、それは…


B.いえ、くだらないことだとは思いませんよ。君にとっては、十分深刻な悩みでしょうから。


B.申し訳ありませんが、僕にその問題を一挙に解決する力はありません。どこまでいっても、僕は君にとって部外者でしかないでしょうし…


B.ですが…君の悩みを受け止める器になら、なれますよ?それから、君の環境を少し変える程度のお手伝いなら…


B.はい。今のクラスの環境がきついなら、保健室登校もありですし…家庭訪問という形で、授業の遅れを取り戻すことだってできます。


B.えぇ。カルト教団になんか入らなくても、君の悩みを解決する方法はきっとあるはずです。少しずつでいいので、僕たちと一緒にそれを探していきませんか?


B.それに…あんなブサイク男に、君の貴重な青春と純潔を明け渡すのは、なんだかもったいないでしょう?


(Aが戻ってくる)


A.おーい…話は終わったかぁ?俺ぁ、そろそろ帰りてーんだが。パトカーもなんかこっちに近づいてきてるしよぉ…事情聴取にはまた今度応じるってことで。今日はもうめんどくせぇ。


B.はいはい…今日はもう遅いですし、君のことは僕たちで送っていきますよ。そういうわけなんで、彼女の護衛はきちんとお願いしますね。先生?


A.んだよ、いきなり…気持ちわりぃな。まぁ、ガキの面倒見るのは先生ってか、大人の役割だしなぁ。今までのちょっとしたヤンチャくらい、目ェ瞑っといてやるよ。


B.…はい。君のことは僕らが守ります。子ども同士のいざこざにはあまり介入できませんが…悪意ある大人相手なら、手加減しなくていいですからね。ふふふ…


A.怖えって。お前、ガキの前でくらい本性隠せよ。俺よりお前のがよっぽど凶悪じゃねーか……あ?何笑ってんだよ?俺ら、何も面白れぇことしてねえけど?


B.あぁ、それは良かったです。ツンケンされるよりは、笑いものにされた方がよっぽどマシですから。


A.ハァ…思ったより洗脳されてなくて助かったわ。あんまりヤベー状態だったら、一発殴ることも検討しなくちゃいけなかったからな。


B.ん?……あ、そうですね。連絡先、交換しておきましょうか。いざという時のために、必要になるかもしれませんから。ほら、先輩も携帯出して。


A.ちっ…しゃーねぇな。言っとくけど、つまらねえことで連絡してきたら、生徒指導室でお説教だからな?


(彼女と連絡先を交換)


B.……はい、では今後何か相談したいことがありましたら、僕か先輩に気軽に連絡してください。いつでも飛んで駆けつけますから。


A.なぁ…腹減ったし、飯食って帰ろーぜ。ガキの分は俺とお前で割り勘な。


B.ふふ、わかりました。勝手に決めちゃいましたけど、君も僕たちとご飯、一緒にいいですか?


A.うし…じゃあ、いつものラーメン屋で腹満たすか。小難しいことは明日の俺らにでも任せよーぜ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ボイスドラマ風】二人のヒーロー先生は生徒の味方
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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