大切な家族同然の仲間たちとはぐれ、自身もボロボロになってしまった貴女。生きる意味も希望も無くしてしまったところに、顔見知りの傭兵男が現れて…？

よー…相変わらず腐ったツラしてんなぁ。戦場で血の匂いに当てられたか？


あ？俺？その辺散歩してたら、不機嫌なツラしたブッサイクなガキがいたからよぉ、暇つぶしに声掛けただけだ。


そりゃまぁ、たしかに。俺、お前とは特に直接的な繋がりはねぇし…声かける必要もないっちゃないわな。つーか、いつも一緒にいるお友達は？


はぐれた？生きてるか死んでるかもわからねえってか？そりゃ大変なこって…


…とりあえず、こっから移動しね？また面倒な連中がワラワラと寄ってくんぞ？


あ〜、出ました。悲劇のヒロイン(笑)。 そうやって、「大人は信用できない〜」とか「どうせ誰もわたしのことなんて助けてくれない〜」とか、そんなこと考えてんだろ？


んー…まぁ、お前に寄越す金はねえかな。同情なら、ちょっとばかしはくれてやってもいいけど。俺は俺で生活カツカツだし……って、ヤベ。話してたら、面倒な連中がぞろぞろと…


(座り込んでる彼女を無理やりおぶる)


よっ、と…おし、今から全力で走るから、しっかり掴まってろ？


うるせぇな…ギャーギャー騒いでっと、舌噛むぞ？行くぞ…！


(彼女をおぶりながら、その場から全力で走り出す)


ハァッ、ハァッ…！つ、疲れたぁ…！でも、ここまで来りゃ、問題ねぇだろ…！


…あ？誰が誰を助けたって？


おいおい…俺みたいな悪人ヅラの男が、無償で人助けすると思うか？これ、お前への貸しイチだから。


そ、貸し。お前、スナイパーとしてはめちゃくちゃ優秀っぽいからな、その力を借りたい。


おぅ。人使いの荒い上司から、クソみてえな任務請け負っちまったからさ。せっかくだし、お前を手駒として使おうと思って。


心配すんなって。報酬はきちんと山分けすっからよ。どうだ？悪くねえ話だろ？


…いや、無理に俺のことは信用しなくていいけど。行き場もやることもないなら、暇つぶしに俺に付き合わね？って話。


…貸しイチ。さっきそう言ったろ？一回くらい、俺に力貸してもバチは当たんねえと思うんだけどなぁ〜？


それによぉ…お友達と離れ離れになって寂しいんなら、俺を使うってのも一つの手じゃねえかと思うわけですよ。


そ。俺を利用すればいい。お友達が生きてるって本気で思ってんなら、俺を上手いこと利用して探させりゃいい。死ぬのはそれからでも遅くねえだろ？


いいじゃねえか…生半可な希望持つことの何が悪い？何もねえよりマシだろうが。


あぁ、嫌え嫌え。俺もお前みてーな小汚えガキに好かれる趣味はねえからよ。


お互いがお互いを利用し合う関係…俺たちが手を組む理由なんて、それだけで十分だろ。


へっ…決まりだな。物分かりの良いガキは嫌いじゃねえ。


せいぜい、俺に使い潰されないように上手く立ち回れよ？俺はガキを利用する悪〜い大人だから…な？

・台本（ゆるボイ！）
【ヒール】悪人ヅラの傭兵男からもらった生きる理由
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎