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【大江山四天王】クールなイケおじの星熊童子は、気に入った女の元へ通い続ける
written by 松平蒼太郎
  • イケおじ
  • 四天王
  • 星熊童子
  • ファンタジー
  • 和風
  • 酒屋
  • クーデレ
公開日2024年03月19日 14:06 更新日2024年03月19日 14:06
文字数
1288文字(約 4分18秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
星熊童子
視聴者役柄
酒屋の女主人
場所
酒屋
あらすじ
夜半に酒屋に一人の男がやってきた。彼は女主人に酒を注文し、何杯も飲み続ける。そして自身の正体を現した上で、彼女の狙いを看破してきて…?
本編
(酒屋の扉を開く)


夜分に失礼する…酒をもらえるか?


あぁ…閉店間際だというのに、すまない。唐突に飲みたい気分になったものでな…


…恩に着る。では、そちらの日本酒をもらおうか。


(女主人から酒が運ばれてくる)


ありがとう。では、有り難くちょうだいする。


(酒を飲む)


ふぅ…ここの酒は五臓六腑に染み渡るな。


あぁ、とても美味い。この酒なら、いくらでも飲める気がする。


…本当か?主人直々に酌をしてくれるとは、有り難い。それでは遠慮なく、酌を頼もうか。


(女主人に酌をしてもらいながら、日本酒を煽る)


ふぅ…美味い。アンタの注いでくれる酒が、世辞抜きで、この世で一番美味い…


だからこそ惜しい…アンタが俺を殺そうとしていることが。


とぼけなくていい…アンタ、鬼封じの巫女の仲間だろう?彼女に頼まれて、鬼である俺の暗殺を目論んでいる…違うか?


分かるさ…この状況もイヤに不自然だしな。


まず一つは、俺以外に客がいない。閉店間近とはいえ、閑散としすぎている。この規模の酒屋なら、二、三人はいてもいいはずだろう。


二つ、酒屋周辺に人がいない。ここに来るまでに人とまったくすれ違わなかったのは、不自然だ。いくら遅い時間とはいえ、ここは城下町。すれ違う人がゼロというのは、あり得ない。つまり、この付近には人除けの結界が張られているということだ。しかもこの結界、あの忌々しい女の術式でできている…鬼封じの巫女、特性の術式だ。


そして…アンタの注いでくれた酒に毒が入っていた。それも妖殺しの毒だ。こんなものを飲んだら、大抵の妖は死ぬ…耐性がある俺みたいな奴以外は。


あぁ、目論見が外れて残念だったな。ちなみに俺の正体も分かっているんだろう?分かった上で、俺を暗殺しようとした…違うか?


(懐から小刀を取り出そうとする女店主を制する)


やめておけ…ここまできたら、アンタに勝ち目はない。酔っ払っている俺相手でも無理だ。そもそも、たいして酔ってなどいないんだが。


あぁ。あれくらいの量と度数の酒じゃ酔わない。生憎、酒はかなり強い方なんでな。飲み比べなら、四天王の中で一番強いまである。


そうだ…改めて自己紹介を。俺は星熊童子。酒呑童子様の配下にて、四天王の一人だ。


アンタのことは…そうだな、俺専用の女将にでもなってもらおうか。アンタの注いでくれる酒は本当に美味いからな…たとえ、それが毒入りだったとしても。


何だ?自分が鬼にされるかもしれんと恐れているのか?


安心しろ…アンタを鬼にはしない。俺は人間としてのアンタが好ましいからな。このまま俺だけの女将になってもらう。異論はあるまいな?


はは…先ほどまでの大人びた顔はどこへやら。アンタも所詮、一人の女だったというわけか。


酒呑童子様にアンタのことは黙っておいてやる…その代わり、俺がここに来た時は、また酒を飲ませてくれ。今度は毒入りでないのを頼むぞ。


そうだな…俺が来る時は、今日みたいにまた人除けの結界を張っておいてくれ。飲むならアンタと二人きりがいい。


さて…俺はそろそろお暇するとしよう。お代はここにおいていく。それではな。


(店を出る前に、一度振り向く)


あぁ、そうだ…俺との約束は違えてくれるなよ?もし次、俺への暗殺を企てたら…今度はアンタの柔首をもぎ取りに行くから、な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【大江山四天王】クールなイケおじの星熊童子は、気に入った女の元へ通い続ける
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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