各地を放浪していた男は、疲労と空腹のあまり、山越えの最中に行き倒れてしまう。そんな彼を助けたのは、どこか気品のあるお淑やかな女性で…？

おや…お目覚めになられましたか？旅人様…


ここですか？ここは山奥にあるわたしの家です。旅人様が行き倒れになられているのが見えたので…


はい。そのあたりで倒れられていたので、見て見ぬフリをするわけにもいかず、保護するに至ったという次第です。


いえいえ、お気遣いなく。体力が戻るまで、ここでゆっくり休んでいってください。


それはそうと、お腹は空いていませんか？空腹で倒れているのではと思って、あらかじめご飯を作っていたのですが…もしよろしければ、いかがですか？


かしこまりました。それでは、すぐお食事をご用意いたしますので、しばらくお待ちください。


(食事を用意する)


お待たせしました。どうぞ…


いえいえ、これくらいは大したことありませぬ。それより、旅人様のお口に合えばよろしいのですが…


ふふ、よかった。おかわりもありますので、遠慮なくお召し上がりくださいませ。


(彼が食事を続けるのを黙って見届ける)


そうそう…ちょうどお酒も用意しているんでした。お食事が終わったら、持ってきましょうか？


ふふっ、かしこまりました。では、食事をお下げしてから、持って参りますので、少しばかりお待ちください。


(食事を下げ、お酒を持ってくる)


どうぞ…こちら、旅人様のために用意しましたお酒にございます。盃(さかずき)にお注ぎしますね…


(酒を注ぐ)


いかがでしょうか…？もしお口に合わないようでしたら、遠慮なくおっしゃっていただければ…


まぁ…！ふふっ、それはよかった♪ お気に召していただけたようで、何よりです♪


さぁさ、まだまだありますので、いくらでも飲んじゃってください。もし酔ってしまっても、わたしが介抱しますので、ご安心を♪


(酒を何度も注ぎ、彼を酔い潰す)


あらあら…ふふふ♪ もう酔ってしまわれましたか？それでは、わたしの膝にどーぞ♡


(膝枕する)


よしよし…いい子、いい子…うふふ♡


よくここまで長く、苦しい旅を続けてきました…ですが、もう大丈夫です。貴方の旅はここでおしまい。これからはわたしがずーっとそばにいてあげますからね♡


えぇ…ずーっと、です♡ 今日からわたしが貴方の母となります。つまり貴方はわたしの息子♡ これからよろしくお願いします♡


そうそう…先ほど飲んだお酒、あれはわたし特製の秘薬が含まれておりまして…具体的には、わたしを大好きになるお薬なんですけど♡


まさかこんなところで人間の殿方を拾えるなんて思いもしませんでした…♡ わたしの運もまだまだ捨てたものじゃありませんね♡


そうだ♡ 母の尻尾でモフモフしてあげましょう♡ 言いそびれていましたがわたし、九尾の狐ですので♡ こうして、貴方の全身を尻尾で包むことだってできるんですよ♡


(尻尾で彼を包み込む)


よしよーし♡ 今までたくさん頑張ってきた分、わたしに甘えていいですからね〜♡貴方はもう、わたしの可愛い息子なんですから♡


えぇ…♡ このまま母の温もりに身を委ねて♡ 貴方には十分、その資格がありますので♡


ふふ…もうおねんねですか？いいですよ〜…ゆっくりまぶたを閉じて、身体の力を緩めて…そのままおやすみしちゃってください♡ 朝はおはようのチューで起こしてあげますから…ね？

・台本（ゆるボイ！）
【微ヤンデレ/人外】母性を持て余した九尾の狐に拾われた男の末路…
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎