夜、目を覚ますと、そこには顔見知りの女の子がいた。自傷癖のある彼女は、吸血鬼である貴方に吸われる味を知ってしまったようで…？

おはよ、吸血鬼くん…もう夜だけど。


ん、夜。もうちょうどアンタの活動時間だよ。だから迎えにきてあげたんだけど、アンタってばまだ寝てるし。


……あぁ、これ？ちょっとリスカしただけだけど、それが？


別に。慣れたら、そんな痛くないよ。それにアンタと出会ってからは、そこまで深く切ってないしね。傷の回復もずいぶん早くなったし。吸血効果ってやつ？


ふん…そんな遠回しな言い方しないで、素直に吸わせてくださいって言えば？アンタ、吸血鬼なのに、ちょっと女々しいよ？


(押し倒される)


…ッ！いったいなぁ…！いきなり乱暴すんなよ…これでもか弱い乙女なんだけど？


…誘ってないし。ただ、アンタが餓死したら可哀想だから、お情けで血液提供してあげてるだけ。いわば、これは献血ボランティア。そういう変な意味とか、全然ないから…


(胸元を肌ける)


ほら…吸いたきゃ吸えば？据え膳食わぬは何とやらって言うでしょ？お眠りインキャ吸血鬼くんでも、ここまでされたら、我慢できないんじゃない？


ふーん…じゃあこっちは？さっきリスカしたばっかで血滲んでるけど…吸う？


(手首に噛みつかれる)


いっ…！だから、いきなり乱暴はやめてって…！ホント、自制効かないんだから…！


んっ、ふぅ…♡ 仕方ない奴…♡ どーせ、あたし以外の女には逃げられてんでしょ？アンタ、女の扱い下手だもんね…アンタみたいな男、普通の女なら余裕で捨ててるから…あたしだから、どうにかなってるだけで…


くっ、んっ…♡ バカ…♡ だ、だからって、調子に乗るなっての…♡ 誰がそこまでしていいっつった…♡ このっ、変態♡


ハァッ、ハァッ…♡ ダメ…♡ なんか頭、ボーッとしてきた…血、足りなくなってきたのかな…♡ でも、なんか心地良い…♡


(吸血をやめた彼に抱き止められる)


ん……ごめん。変な挑発して…ホントは、アンタに吸ってもらいたかった…あたしの、血…


あたしの自傷行為をさ、周りはみんな知ってて腫れ物触ってくるみたいな態度で接してくるんだけど、アンタは違った…


容赦なく噛み付いてくるから、すごい痛いけど…でもその痛みと、後からやってくる快感とで、生を実感できるんだ…こんなあたしでも必要としてくれるアンタのことは嫌いじゃない…


ううん、わかってる…ホントはあたしじゃなくて、その辺の女でもいいんだって。アンタは血さえ吸えればそれで満足なんだから…でも、あたしが死ぬまでは、アンタの隣に居させて…？


ありがと…じゃあ、もうしばらくはアンタにとって都合のいい女でいてあげる…感謝、してよね…？

・台本（ゆるボイ！）
【共依存/リスカ】無気力な女の子とのやめられない逢瀬
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎