一匹狼の貴方には、いつも気さくに声をかけてくる後輩の女の子がいた。その日、貴方にかかってきたとある一本の電話から、彼女の本性を目の当たりにしてしまって…？

あ、こんにちはー！先輩！何だか先輩に呼ばれた気がしたので、来ちゃいました！


えー？何ですか、それ…つまんない反応ですねー。そこは「よく来たな、愛しのマイハニー(ｷﾘｯ)」とか言うとこじゃないですかー？ユーモアが足りませんねー、ユーモアが。


実際に言ったら？「キモっw」って鼻で笑ってあげますんで、ご心配なく。


まぁ、それはともかく…今日から試験期間で先輩も部活休みですよね？せっかくだし、一緒に帰りません？


誤解〜？されませんよ、そんなの。わたしと先輩って、周りから悪友みたいな感じで見られてるじゃないですか。だから何も問題ありません。ねっ？


あ、それとも〜…実はそーいうふうに見られたかったりします〜？あ、それかもしかして、先輩ってわたしのこと、そういう目で見てたんですか〜？


あ、ちょっと！黙って帰ろうとしないでくださいよ！わざわざ教室まで迎えに来た甲斐がないじゃないですか！もぅ！


(彼に続いて帰路につく)


ね〜、せんぱ〜い…今回の期末、だるくないですか？特に英語とか試験範囲広すぎて…


あ、そこでマジレスしないでくださいよ。たしかに学年が違うから、知ったこっちゃないのはわかりますけど。


む〜…相変わらず塩対応っていうか、ノリ悪いんだから。絶対クラスでも孤立してるタイプですよねー、先輩って。


あれ？そーでしたっけ？一人、友達いましたっけ？


へー…いい人じゃないですか。先輩みたいな偏屈者と付き合ってくれるなんて。あ、そういう意味では、わたしもいい人ですね。


ひどっ⁉︎ なんでわたしに対してはそんなに扱いがぞんざいなんですか！対応の是正を要求します！


ん？あれ、先輩、携帯鳴ってますよ？出なくていいんですか？


へー…じゃ、わたしが代わりに出てあげますねー。


(携帯を奪い取り、電話に出る)


もしもーし？この携帯の持ち主の彼女ですけどー？


……え？かの、じょ？


い、いやいや、何言ってんですか…彼女はわたし…


…はい？あの、さっきからホントに何言って…


……あー、そーいう、ね？ふふふっ、そーいうことでしたか…


あ、いえいえ。こっちの話です。まさか、先輩に中学時代の元カノがいるなんて思いもしなかったなーって。で？今さら先輩に何の用です？


くふふっ…友達からやり直したい？それ、面白い冗談ですね。別れて、しかも違う高校に行ってる分際で、よくそんなセリフが吐けたものです。いやぁ、流石は偏屈な先輩の元カノです。


えぇ。先輩なら隣にいますけど、代わる気はありません。だって、先輩はすでにわたしのモノなんですから。わざわざお話しさせてあげる義理なんてありませんよね？


いやぁ、変な言いがかりはよしてくださいよ。わたし、本当に先輩の彼女ですから。


ホントですって。先輩のために毎日お弁当を作ってきたり、放課後は毎日手を繋いで帰る仲なんですよ？これが恋人じゃなかったら何だってんです？


口でなら何とでも言える…？そーですか、じゃあ今から証拠送るんで、一旦切りますねー。


(電話を切る)


ほら、先輩…こっち、顔寄せてください。もっと、こっち…


はい、それじゃ、撮りますよー。はい、チーズ。


(写メを撮る)


で、これを元カノの連絡先に送信っと…で、もう一度電話を…


…あ、先輩は邪魔しないでくださいね？今、邪魔されるとわたしの計画が台無しになるんで。ホントマジで黙っててください。いいですね？


(電話をかける)


あ、もしもし？さっき写メ送ったんですけど、見ていただけました？


ですよねー。あれだけ距離の近いツーショットなんて、恋人同士じゃないとできませんもんねー。証拠も出したし、これで納得していただけました？


嫌ですー。先輩には代わりませーん。ていうか、貴女はここで終わりですから…元カノさん？


え？どういう意味も何も、そのままの意味ですよ？先輩の心も身体も全部、わたしが貰い受けました。貴女が間に割って入る余地なんて、少しも残されていないんです…わたしと先輩は相思相愛なんですから。


……それはどうぞ、ご自由に？もしそっちがそのつもりなら、わたしも手段は選びませんので。それじゃ、失礼します。


(電話を切る)


はい、先輩。携帯、返しますねー。


え？デタラメなことないですよ？これからそうするつもりで言ったんですから。


えぇ。これから先輩に毎日お弁当は作るし、放課後は必ず手を繋いで帰る…わたし、有言実行をモットーに生きてるので。


…本気ですよ？まさか全部冗談で言ったと思ってます？だとしたら心外です…わざわざ放課後に教室まで先輩を迎えに行く健気な後輩が、好意を持っていないわけないでしょう？普通に「あれ？この子、俺のこと好きなんじゃね？」って考えるでしょう？先輩も健全な男の子なんですから。


(ずいっと彼の元に身を近づける)


ね、先輩…元カノさんに好き放題言った手前、わたしももう後には引けません…このまま付き合いましょう？恋人として…♡


いいじゃないですか…♡ 今先輩、ちょうどフリーでしょう？ほら、手頃に付き合える美少女が目の前にいるんです…付き合わない選択肢とかあります？ないですよね？


重すぎで結構です…愛なんて重いくらいの方がちょうどいいですから。じゃないと、元カノさんに先輩をかっさらわれてしまいますんで。


さ、先輩…今日は一緒にテスト勉強、しましょうか？今日うち、ちょうど親いませんし…せっかくですから、ね？

・台本（ゆるボイ！）
【ヤンデレ/修羅場】顔面クソ可愛い後輩女子が元カノとバッチバチにやり合ってるんだが…
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎