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公開日2025年05月16日 12:49
更新日2025年05月16日 12:49
文字数
1437文字(約 4分48秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
冥界の女王
視聴者役柄
魔術師の男
場所
冥界(ヘルヘイム)
あらすじ
巨大狼・フェンリルを懐柔するために、腕一本を持っていかれた男は、冥界を支配する女王・ヘルの元へ行き、彼女に腕を生やしてもらうよう頼む。しかし、初見の男の頼みなど聞いてやる義理がない彼女はそれをあっさり断る。そこで男は、容姿にコンプレックスがあるであろう彼女に美容魔術をかけてやることを取引材料として…?
※1 ヘル…冥界(ヘルヘイム)を支配する女王。死者を管理・統括するよう、オーディンから押し付けられた。生まれながらに左半身が腐敗していたため、長らく容姿にコンプレックスを抱いていたが、それを解消してくれた魔術師くんに感謝の念と異性としての興味関心を抱くようになった。
※2 魔術師…オーディンの側近兼補佐役。見た目はその辺のモブっぽいのに、様々な魔術に精通している。目的のためなら、自分の身すら滅ぼしかねない危うい奴でもある。
※1 ヘル…冥界(ヘルヘイム)を支配する女王。死者を管理・統括するよう、オーディンから押し付けられた。生まれながらに左半身が腐敗していたため、長らく容姿にコンプレックスを抱いていたが、それを解消してくれた魔術師くんに感謝の念と異性としての興味関心を抱くようになった。
※2 魔術師…オーディンの側近兼補佐役。見た目はその辺のモブっぽいのに、様々な魔術に精通している。目的のためなら、自分の身すら滅ぼしかねない危うい奴でもある。
本編
こんなところに人間のお客様なんて珍しいわね……貴方、誰?
…!オーディンの、側近…?
ハッ…バカも休み休み言いなさい?
貴方みたいな見るからに平凡な人間が、あの主神さまに近づけるわけないでしょう?ましてや、そんな片腕がない状態で…
な、なによ、いきなり…腕を生やして欲しい、ですって?なんでそれをわたしに頼むわけ?
……ふーん?貴方、人間にしちゃ、ずいぶんと肝が据わっているのね?
この冥界(ヘルヘイム)を治めるわたしに堂々とお願いができるなんて…
その度胸は買ってあげてもいいけど…わたしが貴方の願いを叶えてやる義理はないのよね。
えぇ。わかったらさっさとお引き取りなさい?生身の人間がいつまでもここにいると、死者になっちゃうわよ?
……なんですって?美容魔術で、わたしの容姿を…?
ハッ…無駄よ、無駄。そんなこと、できっこない。
だって…見てみなさい?この醜い姿…特にこの左半身、腐敗した死体みたいでしょう?
これは生まれついてのモノ…小手先の魔術で、決して治ったりはしない。
…へぇ?大した自信ね…一介の魔術師ごときが、そんな大口を叩くなんて…
いいわよ?やれるものなら、やってみなさい?
ただし、チャンスは一度きり…わたしもそんなに暇じゃないの。
……驚いたわ。まさか自分の血液を使って、魔法陣を描くだなんて…
え、えぇ…この中に立てばいいのね?
(魔法陣の中に移動すると、魔術が発動)
…ッ⁉︎ これは、この魔術は…!
(魔術の行使が終わる)
……終わったみたいね。なら早速、鏡でも見て………
……え?これが、わたし…?嘘でしょ…?
い、いえ…まさかこんな、綺麗になってるなんて/// まるで別人みたい…
これほどの魔術を行使できるなんて…なるほど、さっきの発言は撤回するわ。
貴方は一介の魔術師ごときではなく、非常に優れた魔術師よ。あのオーディンがそばに置いているだけあるわ。
さて…約束通り、貴方のその失われた腕を復活させてあげようかしら?少し触れるわね…
(片腕を生やす)
…ざっとこんなものよ。どう?違和感ない?
そう…それはよかった。特に問題ないなら、微調整をかける必要もないわね。
そうだ、一つ提案なのだけど…君、オーディンの補佐なんてやめて、わたしの補佐をしない?
だって…さっき魔術を行使した時に、自らの寿命を削り取ったでしょう?
わたしの目は誤魔化せない…わたしはこの冥界の支配者よ?あらゆるものの寿命は一瞬で見通せる。貴方も今ので確実に死に近づいたわね?
目的のためなら、躊躇なく己の寿命を削る…貴方、平凡そうな顔して、実は頭おかしいでしょ?
どうだか…普通の人間は死に近づくことを極端に恐れるのだけどね。
それより、わたしをここまで綺麗にしてくれたお礼がしたいのだけど…腕を一本生やす程度じゃ、全然足りない。腕、借りるわね…///
(彼の腕を取り、自分の胸元に引き寄せる)
ふふ…ねぇ、側近くん?わたしと生涯、ここで過ごすのも悪くないと思わない?
どうせ近い将来、貴方は死ぬ…これはどう頑張っても変えられない未来。
そして死ねば、大抵の人間はこのヘルヘイムに流れ着く。
戦死したらヴァルハラに行くだろうけど…貴方に限ってそれはないでしょう。
だから…ね?わたしに全てを委ねてしまっていいのよ?
わたしに美という最高の贈り物をくれた貴方には感謝しかないのだから…
……そう。それは残念…あくまであの主神さまに忠誠を尽くすというのね?
ま、いいわ…どうせ近いうちにまた会えることになるのだし。
さ、そうと決まれば、ヘルヘイムの出口までお見送りするわね。行きましょうか。
……腕?いいじゃない、このままで。
だってわたし、貴方のこと気に入っちゃったもの…ギリギリまで、こうしていさせてちょうだい。ね?///
…!オーディンの、側近…?
ハッ…バカも休み休み言いなさい?
貴方みたいな見るからに平凡な人間が、あの主神さまに近づけるわけないでしょう?ましてや、そんな片腕がない状態で…
な、なによ、いきなり…腕を生やして欲しい、ですって?なんでそれをわたしに頼むわけ?
……ふーん?貴方、人間にしちゃ、ずいぶんと肝が据わっているのね?
この冥界(ヘルヘイム)を治めるわたしに堂々とお願いができるなんて…
その度胸は買ってあげてもいいけど…わたしが貴方の願いを叶えてやる義理はないのよね。
えぇ。わかったらさっさとお引き取りなさい?生身の人間がいつまでもここにいると、死者になっちゃうわよ?
……なんですって?美容魔術で、わたしの容姿を…?
ハッ…無駄よ、無駄。そんなこと、できっこない。
だって…見てみなさい?この醜い姿…特にこの左半身、腐敗した死体みたいでしょう?
これは生まれついてのモノ…小手先の魔術で、決して治ったりはしない。
…へぇ?大した自信ね…一介の魔術師ごときが、そんな大口を叩くなんて…
いいわよ?やれるものなら、やってみなさい?
ただし、チャンスは一度きり…わたしもそんなに暇じゃないの。
……驚いたわ。まさか自分の血液を使って、魔法陣を描くだなんて…
え、えぇ…この中に立てばいいのね?
(魔法陣の中に移動すると、魔術が発動)
…ッ⁉︎ これは、この魔術は…!
(魔術の行使が終わる)
……終わったみたいね。なら早速、鏡でも見て………
……え?これが、わたし…?嘘でしょ…?
い、いえ…まさかこんな、綺麗になってるなんて/// まるで別人みたい…
これほどの魔術を行使できるなんて…なるほど、さっきの発言は撤回するわ。
貴方は一介の魔術師ごときではなく、非常に優れた魔術師よ。あのオーディンがそばに置いているだけあるわ。
さて…約束通り、貴方のその失われた腕を復活させてあげようかしら?少し触れるわね…
(片腕を生やす)
…ざっとこんなものよ。どう?違和感ない?
そう…それはよかった。特に問題ないなら、微調整をかける必要もないわね。
そうだ、一つ提案なのだけど…君、オーディンの補佐なんてやめて、わたしの補佐をしない?
だって…さっき魔術を行使した時に、自らの寿命を削り取ったでしょう?
わたしの目は誤魔化せない…わたしはこの冥界の支配者よ?あらゆるものの寿命は一瞬で見通せる。貴方も今ので確実に死に近づいたわね?
目的のためなら、躊躇なく己の寿命を削る…貴方、平凡そうな顔して、実は頭おかしいでしょ?
どうだか…普通の人間は死に近づくことを極端に恐れるのだけどね。
それより、わたしをここまで綺麗にしてくれたお礼がしたいのだけど…腕を一本生やす程度じゃ、全然足りない。腕、借りるわね…///
(彼の腕を取り、自分の胸元に引き寄せる)
ふふ…ねぇ、側近くん?わたしと生涯、ここで過ごすのも悪くないと思わない?
どうせ近い将来、貴方は死ぬ…これはどう頑張っても変えられない未来。
そして死ねば、大抵の人間はこのヘルヘイムに流れ着く。
戦死したらヴァルハラに行くだろうけど…貴方に限ってそれはないでしょう。
だから…ね?わたしに全てを委ねてしまっていいのよ?
わたしに美という最高の贈り物をくれた貴方には感謝しかないのだから…
……そう。それは残念…あくまであの主神さまに忠誠を尽くすというのね?
ま、いいわ…どうせ近いうちにまた会えることになるのだし。
さ、そうと決まれば、ヘルヘイムの出口までお見送りするわね。行きましょうか。
……腕?いいじゃない、このままで。
だってわたし、貴方のこと気に入っちゃったもの…ギリギリまで、こうしていさせてちょうだい。ね?///
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