【【】の中は読みません、注釈などです】
【キャラ：男の娘の冒険者、明るい感じ。10代後半。全体的にシリアスな雰囲気。獣人要素薄め】

明日はついに魔王と……か。まさか2人でここまで来れるなんて、夢にも思わなかったよ。
今夜が最後のキャンプだね。……今までいろいろあったなぁ。
【微笑】……おいやめろよ、初めて会った時のことは忘れようって約束したろ？　
だから、僕が悪かったって。でもしょうがないだろ、人間を見るのも初めてだったし。いきなり襲って悪かったって。いつまでその話引きずんだよ。

【微笑】……あーあ、それにしても。まさか最後まで僕に手を出さないなんてなぁ。こんなに可愛い子(こ)とずっと一緒で、よく我慢できたなぁお前。ほんとは僕が寝てる間に、いろしろしてたんじゃないの？
ははっ……言われなくても分かってるよ。男同士だもんね、そりゃ手を出さなくて当然さ。当然当然。

あー……。
男同士じゃだめかな？
いや、ごめん。今のなし。忘れて。

【気まずそうに】ははっ……その……えーっと……。
僕さ、この旅が終わったら結婚するんだ。
許嫁(いいなずけ)の、すごくいい子なんだよ。僕とは正反対で大人しくて、僕にはもったいないぐらい、その……。今日はその子の誕生日で……そういえば帰ったら結婚するんだなって……。ああいや……その……。
もう僕には時間がないんだなって、思い出してさ。言わなきゃ、って。
その子よりも、僕はお前のことが好きなんだ。好きになっちゃったみたいなんだ……。男同士なのに……。はははっ……。あー……。

もう少し早く、お前と出会ってたら……。
いや、関係ないか。男同士だし。
あははっ、ごめんな。急にこんな、わけわかんない話。大丈夫、明日はちゃんと戦うから。……今日は別々に寝よう。僕はあっちで、1人で寝るよ。それじゃ、おやすみ。

は、はなせよ……。尻尾掴むのやめろって。ぬ、抜けちゃうかもしれないだろ。
……忘れて、って言っただろ。もういいんだ。最後に伝えられただけで、僕は満足だから。それに、お前にあんまり迷惑かけたくなっ……んんっ！？【口をふさがれる】
【照れ】い、いきなり何すんだよ！
……良いのか？　僕で。……本当に？　む、無理してるんじゃないのか？　んっ……そっか。
あははっ……言ってみるもんだな。……いや、めちゃくちゃ嬉しいよ。今にも泣きだしそうなぐらい、本当に嬉しい。
僕、今すっごく幸せだよ。このまま死んでもいいぐらい、幸せだよ。

あの子なら……ちゃんと説明すれば理解してくれるさ。本当にいい子だから。うん、僕にはもったいないぐらいね。……もしかしたら刺し殺されるかもしれないけど。あははっ、冗談だよ。

……もう1回、好きって言ってほしいな。
なんだかその、実感がわかなくて。……うん、僕も好きだよ。明日は、絶対に一緒に生きて帰ろうね。
大丈夫、僕たちが負けるはずないさ。明日は今までにない本気が出せそうだし。あはは。それに、いざとなったらアレを使えばいいしね。アレを使えば絶対に、魔王を倒せるはずだから。

そ、それじゃあ……一緒に寝よっか。
……んっ？　何だ今の音。あっちから……もしかして何かいるのか？
……ちょっと確認してくるよ。ううん、1人で大丈夫。すぐ戻るから、その間に準備しといて。
【照れ】ば、ばか。そんなこと確認するなよ。言わなくても分かるだろ。
……だから大丈夫だって。もし魔物でも、僕がこの辺りの魔物に負けるわけないだろ？　何が出てきても余裕だよ。それに、今の僕は何にも負ける気がしないしね。
んじゃ、ちょっと待ってて。

ただいま。確認してきたけど、何もいなかっ……。
えっ……なにこれ……。
嘘……。そんな……まさか……。
嘘っ……嘘だって言ってよ！　ねぇ！　そんな……ここまで……2人で一緒にがんばってきたのに！　あと少しだったのに！　ねぇ！　嘘って言ってよ！

【間】

いやぁ、驚いたね。
まさか僕達が魔王を倒す前に、他の人が魔王を倒しちゃうなんて。
それにしても驚いたなぁ、あんなところまで報告しに人が来るなんて。しかも真夜中に。
あーあ、報奨金(ほうしょうきん)で死ぬまで遊びながら暮らす予定だったのになぁ。
ま、いっか。あの子も許してくれたし、死ぬまでお前と一緒にいられるんだから。
あははっ……僕も大好きだよ。うん、今日も一緒に寝ようね。ふふふ。

・台本（ゆるボイ！）
最終決戦を前にして死亡フラグを立てまくりながら告白してくる獣人の男の娘
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
さめたろ