- 同級生
公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1837文字(約 6分8秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
放課後、マイナーな図書室で大人しい委員長の弱みを握る的な青春ストーリーです。
いつかメロディーをつけてくれる猛者が現れることを星に願います…
いつかメロディーをつけてくれる猛者が現れることを星に願います…
本編
(たくさんの本を両手で抱えながら鼻歌のち、以下謎のオリジナルソングを小声で歌ってる)
だっだっだっ♪
だーざいおさむっニューにゅっニューにゅっニュートントン♪
ひじひじひじかたルイルイ16世♪
みんな〜まとめて〜人間っ失っ格っ♪
オスカル?フランソワっ?覚えても〜意味なしっ♪……
(クラスメイトの男子に遭遇)
……って……
へ……?
(赤面で動揺)あ、ああああ貴方……い、いつの間にっ……!?
あ、あー、だ、大丈夫です大丈夫ですっ! こ、このくらいの本、自分で持って! いけるんでっ! ……ってあっうっわっ!!!
(手元から大量に落ちる本)
あっ、あっ、あっ……
はぁ……
あっ、だ、大丈夫ですっ! 自分で、拾いますんでっ!! お気になさらずっ!!
(散らばった本を黙々と拾う男子)
あの……
……(ぼそっと)いいって言ってるのに……
……ええっと、その……私の本、拾うの手伝ってくれて、ありがとうございました……
そ、それと……
き……
聞いて、ました……?
な、何がって、だから、さ、さっきの……私の……
……か、"可愛い歌だね"って……
うぅぅぅぅ……あんなのを聞かれてたなんて……しにたい……
だってだって! ここは人が滅多に来ない、穴場の図書室だったはずなのにっ……私としたことが、一生の不覚、です……
(ため息)
……私みたいな、ロクに友達もいない、陰キャで眼鏡でオマケにそばかす付きの幸薄そうなクラス委員長が、こんなとこで、1人で陽気に歌なんか歌ってたら、気色悪い、ですよね……
あー、あの、一応忠告しておくと、このことを明日クラスのみんなにバラしたところで、ただただ気色悪過ぎて、笑いのネタにもならず、ドン引きされるのが関の山ですからね……は、はは……は……
……バラさない……?
ほんと、ですか……?
あ、あの……私、家もあまり裕福ではなく、口止め料は、あまり、払えなく……
……そ、それじゃぁ、一体何が、お望みで……?
へ?
"委員長と、お話がしたい"?
い、委員長って……私のこと、ですよね……?
なぜ……?
はぁ……
よ、よくわからないけど、とりあえず、わかりました……
(テーブル席に隣り合って座る)
……え? 太宰治、ですか?
いえ、別に……特に好きでは……
あぁ、この本……
まぁ、そうです、ね……なんというか、適当に文豪の小説でも読んでおけば、ちょっとは頭良くなるのかなぁという、安易な理由で、ちょっと手にしてみただけの次第です……
はい、真面目に言ってます。嘘ついてません。
(フッと笑い)いえ、私は別に、頭が良いわけではないんです……
成績なんて、昔からどの教科も、可もなく不可もない、平凡なもので……
でも、この見た目のせいで、昔からよく、勘違いをされてるという性分(しょうぶん)で……
それで、案の定、高校入学しても、またこうして委員長に推薦されてしまうし……断るの苦手だから、断れないし……
だから、今度こそどうにか「この見た目に追いつこう」って、それで、授業後にいそいそと、ココで、自習をしたり……してて……
バカみたいだ。って、思いましたよね……?
いいんです、気を遣ってもらわなくても。
現に私、バカですし。
どんなにいろんな本を読んでみても、何一つ、一回でスッと覚えらんないし、すぐにキャパオーバーになって、眠たくなってしまうし……
そんなのわかってます……
だけど、いつかクラスの皆に、「偉そうに委員長やってるクセにあの女はただのバカだ」ってバレるのは、やっぱり、怖いんです……
……はい?
今、なんと?
……この本のタイトルを読み上げろと……?
……「人間失格」……
あの……楽しそうですね?
私はまったく、面白くありませんが……
いや、別に、怒ってませんけど……
どーせ私は、人間失格です……
って、ちょっ、
(眼鏡を取り上げられ)
それ、私の眼鏡っ……!
……か、返してくださいっ……
……は?
「かけないほうがいい」って……
よ、余計なお世話です……
どうせ、面白がってるだけなクセに……
騙されませんよ?
私、小学生の頃、男子にいじめられてて……それで、今みたいに眼鏡を強奪(ごうだつ)された時、「こんな顔にキスする男はいない」って、爆笑されたことがあって……
だから私は、もう絶対に!! って……
(顔接近)
なななななななななっ
か、顔! 急にっ顔っ近いっ……
(キス)
……んっ!
い、いま……あたしにき、きっ……
な、な、な、何考えて!!
あ、貴方、こ、こんな公共の場で、やっていいことと悪いことがっ……!
……ハイ?
"これで委員長も失格"……?
ぅぅ……もう……
わけわかんないぃ……
思考を停止させよう……
(しばらくして先程の謎ソングを歌い出す男子)
(無意識に釣られて歌い)
……ニューにゅっ、ニューにゅっ
って、はっ!!
……ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと! なっ何私の持ち歌、歌ってんですか!?
えっ……えええ、いや、ちょっと待ってなんでそんなっ完コピッ……!?
ま……まさか貴方……も、もっと前から、このことを……!!?
や、その歌! もうやめてください!
やめてくださいぃぃぃ……
おわり
だっだっだっ♪
だーざいおさむっニューにゅっニューにゅっニュートントン♪
ひじひじひじかたルイルイ16世♪
みんな〜まとめて〜人間っ失っ格っ♪
オスカル?フランソワっ?覚えても〜意味なしっ♪……
(クラスメイトの男子に遭遇)
……って……
へ……?
(赤面で動揺)あ、ああああ貴方……い、いつの間にっ……!?
あ、あー、だ、大丈夫です大丈夫ですっ! こ、このくらいの本、自分で持って! いけるんでっ! ……ってあっうっわっ!!!
(手元から大量に落ちる本)
あっ、あっ、あっ……
はぁ……
あっ、だ、大丈夫ですっ! 自分で、拾いますんでっ!! お気になさらずっ!!
(散らばった本を黙々と拾う男子)
あの……
……(ぼそっと)いいって言ってるのに……
……ええっと、その……私の本、拾うの手伝ってくれて、ありがとうございました……
そ、それと……
き……
聞いて、ました……?
な、何がって、だから、さ、さっきの……私の……
……か、"可愛い歌だね"って……
うぅぅぅぅ……あんなのを聞かれてたなんて……しにたい……
だってだって! ここは人が滅多に来ない、穴場の図書室だったはずなのにっ……私としたことが、一生の不覚、です……
(ため息)
……私みたいな、ロクに友達もいない、陰キャで眼鏡でオマケにそばかす付きの幸薄そうなクラス委員長が、こんなとこで、1人で陽気に歌なんか歌ってたら、気色悪い、ですよね……
あー、あの、一応忠告しておくと、このことを明日クラスのみんなにバラしたところで、ただただ気色悪過ぎて、笑いのネタにもならず、ドン引きされるのが関の山ですからね……は、はは……は……
……バラさない……?
ほんと、ですか……?
あ、あの……私、家もあまり裕福ではなく、口止め料は、あまり、払えなく……
……そ、それじゃぁ、一体何が、お望みで……?
へ?
"委員長と、お話がしたい"?
い、委員長って……私のこと、ですよね……?
なぜ……?
はぁ……
よ、よくわからないけど、とりあえず、わかりました……
(テーブル席に隣り合って座る)
……え? 太宰治、ですか?
いえ、別に……特に好きでは……
あぁ、この本……
まぁ、そうです、ね……なんというか、適当に文豪の小説でも読んでおけば、ちょっとは頭良くなるのかなぁという、安易な理由で、ちょっと手にしてみただけの次第です……
はい、真面目に言ってます。嘘ついてません。
(フッと笑い)いえ、私は別に、頭が良いわけではないんです……
成績なんて、昔からどの教科も、可もなく不可もない、平凡なもので……
でも、この見た目のせいで、昔からよく、勘違いをされてるという性分(しょうぶん)で……
それで、案の定、高校入学しても、またこうして委員長に推薦されてしまうし……断るの苦手だから、断れないし……
だから、今度こそどうにか「この見た目に追いつこう」って、それで、授業後にいそいそと、ココで、自習をしたり……してて……
バカみたいだ。って、思いましたよね……?
いいんです、気を遣ってもらわなくても。
現に私、バカですし。
どんなにいろんな本を読んでみても、何一つ、一回でスッと覚えらんないし、すぐにキャパオーバーになって、眠たくなってしまうし……
そんなのわかってます……
だけど、いつかクラスの皆に、「偉そうに委員長やってるクセにあの女はただのバカだ」ってバレるのは、やっぱり、怖いんです……
……はい?
今、なんと?
……この本のタイトルを読み上げろと……?
……「人間失格」……
あの……楽しそうですね?
私はまったく、面白くありませんが……
いや、別に、怒ってませんけど……
どーせ私は、人間失格です……
って、ちょっ、
(眼鏡を取り上げられ)
それ、私の眼鏡っ……!
……か、返してくださいっ……
……は?
「かけないほうがいい」って……
よ、余計なお世話です……
どうせ、面白がってるだけなクセに……
騙されませんよ?
私、小学生の頃、男子にいじめられてて……それで、今みたいに眼鏡を強奪(ごうだつ)された時、「こんな顔にキスする男はいない」って、爆笑されたことがあって……
だから私は、もう絶対に!! って……
(顔接近)
なななななななななっ
か、顔! 急にっ顔っ近いっ……
(キス)
……んっ!
い、いま……あたしにき、きっ……
な、な、な、何考えて!!
あ、貴方、こ、こんな公共の場で、やっていいことと悪いことがっ……!
……ハイ?
"これで委員長も失格"……?
ぅぅ……もう……
わけわかんないぃ……
思考を停止させよう……
(しばらくして先程の謎ソングを歌い出す男子)
(無意識に釣られて歌い)
……ニューにゅっ、ニューにゅっ
って、はっ!!
……ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと! なっ何私の持ち歌、歌ってんですか!?
えっ……えええ、いや、ちょっと待ってなんでそんなっ完コピッ……!?
ま……まさか貴方……も、もっと前から、このことを……!!?
や、その歌! もうやめてください!
やめてくださいぃぃぃ……
おわり
クレジット
ライター情報
初めまして。蚊ネコと申します。
演じる方、聴く方が楽しめるような台本を目指しています。
お気軽にご使用いただけますと非常に嬉しいです!!アドリブや一人称・タイトル変更もご自由にどうぞ!!
※お手数ですが、ゆるボイ!さんの規約は必ずお守りください!!
※素敵なクソデカ感情作品を利用実績に埋め込ませる作業をたまにします。ご容赦くださいますと幸いです。
演じる方、聴く方が楽しめるような台本を目指しています。
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