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龍族彼女との最後の耳かき
written by シス=リリシア
  • 耳かき
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年08月31日 21:46
文字数
1206文字(約 4分2秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
龍族彼女
視聴者役柄
彼氏
場所
指定なし
本編
「ん?なんじゃ?」
 
「昔みたいに耳かきをしてほしいじゃと?」
 
「仕方ないのう…」
 
(太ももを叩く音)
「ほれ、頭を乗せんか」
 
「…前々から気になっておったのだが、痛くはないのか?妾は人化の術は苦手でのう…その上、人間と違って肌が鱗で隠れるから服とか着る必要ないし…鱗、痛かろう…?」
 
「大丈夫?なら良いのじゃが…そんなことより耳かきをしてほしい?」
 
「はぁ…お前はどこまでも欲望に忠実じゃのう…」
 
「では、始めるぞ?」
 
(右耳 耳かき開始)
「ほんとに気持ちよさそうな顔をするのう…そんなに好きか?」
 
「妾にはよくわからんのう…まあ、お前がそれで良いのなら良いのじゃが」
 
「…これ、あまり足を触るでないわ。変態め、妾のブレスで焼くぞ?」
 
「ばっ、馬鹿者、別にくすぐったくなぞないわ!」
 
「この程度別になんとも…」

「ええい!やめんか!やめんと妾も耳かきやめるぞ!」
 
「それは困る?なら即刻やめるんじゃ」
 
「まったく、お前と言うやつは…」
 
(右耳 耳かき終了)
「ほれ、仕上げをしてやるからの」
 
(右耳 耳ふー)
「ほれ、右耳は綺麗になったぞ」
 
「反対もやってやるから、反対を向くんじゃ」
 
(布が擦れる音)
 
「どさくさに紛れて顔をうずめたのわかっておるからな。今回は許してやるが、次やったら軽く炙るぞ?分かっておるな?」
 
「分かれば良いんじゃ」
 
「では、反対の耳も綺麗にしてやるからの」
 
(布が擦れる音)
 
「では、始めるぞ…」
 
(数秒無言)
 
「こうしておると、出会った時のことを思い出すのう…」
 
「お前、耳かき中に告白したの憶えておるからな?なんと間の悪かったことか…」
 
「まあ…嬉しかったのも事実じゃが」
 
「瞬きの時間とは思えぬほど色々あったな。ま、大概お前が原因じゃったがのう」
 
「お前の魔法研究にも付き合ってやったか…結局成果は得られんかったが…楽しかったよ」
 
「『寿命を伸ばす魔法』が完成しておれば、お前は確実に歴史上の偉人であったであろうに…残念じゃ」
 
「どうしたのじゃ?そんな顔をして」
 
「一緒に居れなくてすまない?」
 
(左耳 耳かき停止)
 
「…いいんじゃよ。人間のお前とは違って、龍種の妾にはお前との時間なぞ瞬きの時間じゃ」
 
「ただの戯れにすぎんのじゃから」
 
「だから、安心して逝くと良い」
 
「ありがとう?別に感謝されるいわれはないのう」
 
「もう息をするのも辛いじゃろう。楽になれ」
 
「…妾もお前と居れて幸せじゃったよ」
 
「…」
 
「逝ってしもうたか…安らかな顔をしよって…」
 
「………ぐすっ」
 
(以降のセリフに嗚咽を入れる)
 
「一生幸せにすると言っておったのに…」
 
「ずっとそばにおると言っておったくせに…!」
 
「ばかものがぁ…!」
 
「妾は最初から分かっておったのに…!なのに期待だけさせて…!結果がこれじゃ…!」

「何が魔法研究じゃ…!何が寿命を伸ばす魔法じゃ…!」
 
「そんなもの、出来なければ無いのと同じじゃろうに…!」
 
「その結果、耳かきすら最後までやってやれなんだではないか…!」
 
「ばかもの…!」
 
「嘘つき…!」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
龍族彼女との最後の耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シス=リリシア
ライター情報
 シス=リリシアと申します。普段はトピアという配信アプリで不定期で活動しております。
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