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スパイは機密と君を盗みに来た
written by 夜木嵩
  • 監禁
  • ヤンデレ
  • クーデレ
公開日2021年07月10日 09:25 更新日2021年07月10日 08:42
文字数
2511文字(約 8分23秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
敵国の敏腕女性スパイ
視聴者役柄
恋を知らない天才非力軍師少年
場所
自国→敵国
あらすじ
彼女がスパイであると気付いた時には、その機密は彼女の手の中にあった。
ただ一人彼女の前に立ちはだかったあなたは、為す術もなく機密と共に持ち去られてしまう。
本編
「おっと、思っていたより到着が早かったな。
だが、駆け付けたのはやはり君一人か。
好都合だな。

どういうことか? まあいい、教えてやろう。
君の行動の速さには感服だ、と言いたいところだが、残念ながら既にデータは私の手の中にある。
だから、私はここから逃げさえすれば任務完了。私には容易いことさ。
それも、もう一つの土産を手にしてね。

え? 機密以外に何を盗むつもりか?
それはな……君だ」

(スタンガン)

「起きたようだな。どうだ? 気分は。
どうやら、それどころではない困惑ぶりだな。
何が起こってるかさっぱりわからない。そんなところだろ?

この際、何から話せばいいだろうか……
そうだな、それは君に決めてもらおうか。
君は、何が知りたい?

なぜベッドに括りつけられているのか、か。
それは単純な話だ。逃げられては困る。それだけだ。

逃げられると困る理由? 一つは君も理解しているはず。
私は君にとって敵国の人間だ。私が君の国の国家機密を盗んでいたこと、君にも思い出せるだろ?
そこで私の行く手を阻もうとしたのが君だけだったから、君ごと持ち帰らせてもらったんだ。

君、戦略を立てることに長けていたことで、若いのに高い役職に就いていたもんな。
スパイとして君の配下に潜入したから、君の有能ぶりはよくわかる。
それに、我が国が優勢だったはずの戦況を一気に逆転させたあの作戦は君の考えたものらしいな。
我が国を混乱に陥れてくれたこと、あれはお手上げだ。

だからこそ、これ以上君に采配を振るわせるわけにはいかない。
単純な話だろ? 君の存在が我が国の敗北に繋がる、それだけだ。

君がこちら側に寝返ってくれれば一番いいのだが、そういう演技をして、結果君の国が勝つように仕組む、というのもできるだろう? 
それを考えれば、我が国にとって最善の策は君にこの戦いから退場していただくこと。

安心しろ。戦いの一切に君を関与させないだけで、殺すつもりはない。
それでは、一番の目的を果たせないからな。

ふふっ、そうやって言われると、その一番の目的とは何か気になってしまうよな。
ああ、もちろん教えてやろう。

君を、私の夫にすることだ(キス)

どうだ? 敵国の女に監禁されて、ファーストキスを盗まれる気分は。
そうだろ? 生まれながらに軍師の一家に生まれ、幼少期は兵法を叩き込まれ、間もなく実戦を迎えた。
そのために、恋をする暇などなかったと言っていたよな。

恥かしそうにしているが、もしかして、よかったのか?
君が望むなら、キスぐらい何度でもしてやろう」

(キス・長め)

「んはぁ……まだ、君は聞きたいことがあるようだし、続きはそれを片付けてからにしよう。
答えられる範囲で答えてやろう。

敵国の人間と結婚していいのか?
そうだな、普通なら駄目だろう。私は罪人にされてしまう。
だから、周りには君を私の所有物にした、と言っている。

というか、君を連れ去った時、軍の本部から君のことは私の自由にしていいと言われた。
だから、我が国が正式に君を私のものだと言っているんだ。
もちろん、私の認識では君は夫だがな。

でも、私の部屋のベッドで拘束されて、私に逆らえない状況……君を好き放題できるということを考えると、私にとっても君は所有物かもしれないな。
そう。私のもの。

言い忘れてたけど、この部屋は私以外入られないような仕組みだから、君は私以外誰の目に触れることももうないだろう。
この部屋の中での出来事を知る者もいない。

君の華奢な体を抱き締めて、艶のある黒髪を優しく撫でて、透き通る白くやわらかな頬に頬擦りして、君の無垢な唇にキスをする。何もかもが私の自由だ。

大丈夫。何もかもとは言っても、暴力は振るわないようにするから。

え、放してほしい?
こんなこと言った後にそう言われると、振られたみたいなんだが。
答えとしては、難しい、としようか。

さっき言った、軍の本部から君のことは私の自由にしていいという話があったが、厳密には完全な自由ではない。その一つに、戦いが終わるまでは君を逃がしてはならないとある。
いくら敵国の軍師で信用ならないとはいえ、その技量が使えるかもしれないし、最低でも交渉材料、すなわち人質にはなる。

ああ、本部から君を殺すよう指示が下ることもあるだろう。だが、そんなことは私が認めない。君を殺したように偽る準備だってできている。

そうなれば、君が生きていると気付かれるわけにもいかないから、君には一生私のもとにいてもらうことになる。
ただ、そんなことがなくても私は君を離すつもりはない。

場合によっては、戦いの後に拘束を解くことも考えるが、あくまでも君の心が私のものになった時に限る。だから、君は一生私の夫でいてもらうのは決定事項だ。

おお、出来るなら睨まないでくれ。
君の美しい顔がもったいない。

君は、私が夫にしようとすることに何か裏があると思ってるのか?
確かに私は敵国の女だ。疑いたくなる気持ちはよくわかる。

だが、私はただ君を愛したいだけ。それ以外の目的があるとすれば、君を守りたいこと。
君を連れ去った時、その力の弱さを知った。君を戦闘に巻き込ませたら、きっと死んでしまうことだろう。
でも、私はそれを望まない。

だから、私以外来ることの出来ない特別な部屋に閉じ込めた。
救いは来ないけれど、敵もまたやって来ない。君は安心してここにいられるはずだ。
まあ、それも愛のうちのような気もするがな。

敵国の人間を信用しろ、というのも難しいことだと思うが、時間をかけて君への愛を証明してみせよう。

そうだな、君が夜に求めてくれるくらいには、君の心を盗ませてもらおう。
その私を睨む目も、いつかは私を誘う目に変わっていくだろう。
楽しみだ……

え? 私のものにはならない?
君がそんなことを言えるのも今のうちだけだろう。

果たして、私の身体を知ってしまった君は、今の君のままでいられるだろうか……
今までのどんな任務よりも興奮するよ。

言っておくけど、私に不可能なんてないわ。問題は、短期戦になるか、長期戦になるか。
早めに降伏することをおすすめしよう。
どうせ君は私に愛されることしか出来ないんだ。

(キス)

まあ、キスひとつでこんなにたじろぐ君が長く耐えられるとは思わないがな。
さあ、お手並み拝見といこうか」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
スパイは機密と君を盗みに来た
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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