0
先輩に持ち帰られるわけにはいかない
written by 夜木嵩
  • 先輩
  • ヤンデレ
公開日2021年07月10日 09:50 更新日2021年07月10日 09:46
文字数
2022文字(約 6分45秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
あなたが好きな先輩
視聴者役柄
先輩に引き気味な後輩
場所
職場→
あらすじ
今日は交通的な事情で先輩が車で送ってくれると言うが、どうも下心が見え透いている。
本編
「後輩くーん。今日はこの辺にして帰ろっか。
うん、今日もお疲れ様。
本当に君は偉いよ。いつも頑張ってる。

え? 仕事だから当たり前?
いやいや、そんなことないよ。
当たり前のことを当たり前にできる。
それって常識のように見えて大変なことだもん。
それに、後輩くんがそうやって驕らないのも私、好きだよ?

でも、後輩くんの場合はもっと自信持っていいと思う。
うん、私が言うんだから間違いないよ。

そうだよー? 誰かの評価だけを仕事の糧にしてると、いつか潰れる時が来ちゃうと思うの。
自分で自分を褒めるってことも大事なんだよ。
もちろん、私は後輩くんのことをいつだって褒めてあげるけどね。

え? 褒めるのはいいけど具体性がない?
うう、ひどい。私だって無意味に褒めてるわけじゃないんだよ。
後輩くんの整った顔に見惚れてしまうとか、澄んだ瞳に吸い込まれてしまうとか、溢れ出る優しさに包まれたくなってしまうとか、後輩くんの素敵なところはいくらだってあるんだから。

……え? 仕事のことを言ってほしい? あはは。
いやいやいや、ないなんてことはないもん! 私、後輩くんがいてくれて助かってるのは本当だよ!
係長も言ってたもん、後輩くんは物分かりと仕事への意識の高さがいいって。

……私? ま、まさか後輩くんを男として見るあまり、後輩としての仕事ぶりを見てないなんて言えない! 後輩くんを真剣な目で見られないなんて!
あっ、思いきり声に出しちゃった……

い、いや、これは、別にそんなことはないって言うか、後輩くんの教育を放棄しようっていうつもりじゃないって言うか……
そうだ、これは後輩くんが魅力的すぎるのが悪い。うん。私が言うんだから間違いない。

それで後輩くん。後輩くんって、電車通勤だったよね?
いや、話を逸らすつもりはないけど、後輩くんには大事なことかなって思って。
うん、電車、止まってるみたいだよ?
ほら、鉄道会社のホームページも調べてみたけど、どうやら今夜は動きそうもないね。

どうするつもりなの?
え、バス? やめた方がいいよ、みんな同じこと考えてるんだから、混んでて乗れないかもしれないよ?
かといって、後輩くんの家までは歩けるような距離じゃないもんね。

私、送ろっか?
後輩くんは知らなかったと思うけど、私はいつも車で来てるから。
家の前まで送ってあげる。今夜はこれが一番早いと思うよ。

え、申し訳ない? そんな、遠慮なんてしないでいいのに。
ね、私が後輩くんを家まで送りたいだけだから。
しかも助手席に乗せて夜のドライブなんて私にはご褒美だもん。後輩くんは気にすることないよ?

……え? そういうところ?
いいでしょ? 後輩くんが好きなのはどうせ隠し切れないんだから、いっそ執拗にアピールするのが私のスタイルだもん。
好きだよ、後輩くん。

あーっ、照れたね。今絶対照れてる。
そっか、後輩くんの素っ気なさは嫌よ嫌よも好きのうちってやつだ。
そういうところも、可愛くて好きだよ。
よーし、後輩くんと両想いってことがわかったから、断る理由はないよね。

えー、それでも後輩くんは認めないつもりなの?
そんなんじゃないって、頑なに否定されると私傷付いちゃうよー?

そう、そこまで後輩くんが言うなら、これ以上私が聞いてもしつこいだけだもんね。
でも、先輩に車で送らせてほしいな。もう夜、遅いよ?

え? 私と密室空間で二人きりになりたくない? そう、帰れるんなら無理にとは言わないけど……」

(雷)

「きゃっ! ごめん、私雷苦手で……。
あ、でも、急に雨強くなっちゃったね。後輩くん、大丈夫?

……やっぱり、乗せてほしい?
うん、そっか。もちろん私は大歓迎だよ。
だって、大好きな後輩くんだもん。ぎゅーっ。
えーっ、だからって抱きつくのはやめてほしい?

もう、仕方ないなぁ……
それじゃあ後輩くん、帰ろっか」

 ◇

「はーい、後輩くん、着いたよ。

私の家。

え? まさか、自分の家まで送ってくれると思った?
ふふふ、甘いね後輩くんは。

え、帰りたい? 後輩くん、こんな雨の中で歩いて帰ろうだなんて、無謀だと思うよ?
それに、そもそもここがどのあたりなのか、後輩くんの家までどのくらいかかるのかも後輩くんはわかってないよね。
それで真夜中に一人っていうのは、私、心配だな。

ね? 仕方ないから今夜はさ、私の家に泊まってこうよ。
夕飯も作ってあげる。明日の朝も送ってあげる。

それに、後輩くんが気にしてるかはわからないけど、私、一人暮らしだから今夜は二人きりだよ?
もちろんベッドも1つだけだから、寝るときは抱き合おっか。

嫌? 何言ってるの?
今、後輩くんの右手首にあるものって何だと思う?
……正解。私から逃げられないようにお互いの腕を手錠で繋いじゃったんだ。

何がしたいって、今日までさんざん言って来たでしょ?
私は後輩くんのことが大好きだって。
だから、今夜で後輩くんを私のものにするの。
いわゆる、お持ち帰りってやつだね。

さあ、お家に入りましょうか。
ふふっ、流石に抵抗はしてこないか。

それじゃ、精一杯夜を楽しみましょ? 私の後輩くん」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
先輩に持ち帰られるわけにはいかない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
有償販売利用の条件
TwitterのDM等にてご一報ください。
利用実績(最大10件)
夜木嵩 の投稿台本(最大10件)