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【吸血鬼二人で…1】吸血鬼と生きたいと願った少年(少女)…吸血鬼ver.
written by 葛葉 茉白
  • シリアス
  • ファンタジー
  • 少女
  • 少年
  • 人外 / モンスター
  • 病院
  • 切ない
  • 吸血鬼
  • 俺様
公開日2021年07月25日 00:11 更新日2021年07月23日 03:09
文字数
2402文字(約 8分1秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
吸血鬼(男女どちらでも)
視聴者役柄
人間(少年・少女どちらでも)
場所
総合病院
あらすじ
【あらすじ】
吸血鬼目線で書いた台本です。

病院の屋上で出会った吸血鬼と余命幾ばくもない少年(少女)話をするうちに打ち解けていく。少年(少女)は本当は生きたいと願いながらも家族を思って天命を受け入れようとしていた。
吸血鬼自身もずっと一人でいることに寂しさを抱えていた。そしてそんなに少年(少女)に吸血鬼はある提案をする。

※この台本は女性向けに吸血鬼を男性と見立てて書いてはおりますが、一人称と言葉の語尾を変えて頂くことで男性向けとしてもご使用頂けます。
相手も少年でも少女でも大丈夫なように二人称はすべてお前(男性向けにする場合は変更可)に統一しております。

☆吸血音がYouTube等ではR指定になり広告等がつかない場合がありますので、ご使用の際にはお気をつけください。
《ご挨拶》
初めまして拙い本を手に取って頂きありがとうございます。

《朗読される演者様へ》
話の本筋が変わらないアレンジや言い回しは演者様にお任せします。
文字と読み言葉では違いが出ますので、その辺に関しましては演者様のやり易い方向でお願いいたします。
本編
ト書の種類
【 】 場所、シーンチェンジ、SE:指示
( ) 心情、行動 、呟き


~~~本編~~~
【病院の屋上】

おいお前、いつまでここにいる気だ。
邪魔だからさっさと病室に戻れ。

俺はこっち…お前の後ろだよ。
お前、この間からしょっちゅうここ来るよな?

だ、か、ら…後ろだって言ってんだろ!
また看護士が探しに来るぞ。
その前に戻ればーか。

熱が出るだの、何とかが上がるだの…また怒られんぞ。

なに?別にどうなってもいいって…

(ストンと少年(少女)の隣に降り立つ)
どうしてそんな風に思うんだ。
病気を治す為に、ここにいるんだろ?


ふーんそうかぁ、お前はもうすぐ死ぬのか…
まぁ人間には寿命ってもんがあるからな…
俺なんぞ、死にたくてもそうそう死ねないって言うのにな(笑)

あっ、俺?俺は吸血鬼。

そう…よく映画やアニメ出てくるヴァンパイア様。

なんで笑うんだ。言い方が古臭いさって…
はぁ、何百年生きてると思ってんだ。

…お前なぁ…って確かに知るわけないか(笑)
本気にするかしないかは別にして、間違いなく本物の吸血鬼だから…


あのなぁ、俺の話をちゃんと聞いてたか?
俺は吸血鬼であって死神じゃねぇんだよ。

当たり前だろが…死神は死んだ人間を冥府(めいふ)まで連れてく案内人。
俺は吸血鬼で、神でも案内人でもねぇよ。

お前は早く死神に迎えに来て欲しいから、俺を死神と勘違いしたのか。

黙っててもそのうち迎えにくんだろ?
お前の話からすると…

【SE:重いドアの開閉音】

あっ…誰か来た。俺はこのまま消える。

じゃあな…


【シーンチェンジ・病室】

最近、屋上に来ないと思ったら…

(少し心配そうに)
お前、随分と弱ってるな。
そろそろか…

なんだ?

そうか、本当は死にたくないんだろ?
言わなくてもわかるさ…

誰だって死ぬのは怖い。
この俺だって、いつかはきっと死ぬだろ…
その時は怖いと思うさ。

お前、本当に死にたいのか?


よしよし…(頭を撫でる)
そんな風に考えてんのか…
生きてる事が家族に迷惑をかける…なんてそんな悲しい事を…

お前、家族と別れる事になっても生きたいか?
二度と会えなくなるってわかってても…
それでも生きる事を望むか?


そうだ。お前が今、考えてる事。
俺と契約を結べばお前は俺の眷属になる。
そうなれば病気も消えてお前も不老不死になるって寸法だ。

ただし、そうなればさっきも言ったように家族とは別れる事になる。

二度と会えないというか…お前の見た目が変わるから向こうにはお前だとわからなくなるんだ。

実は俺はさ、もうずーっと一人なんだ。
だからそろそろ一緒にいる話し相手が欲しいなと思ってる。

もしも…お前がこのまま死にたいのなら邪魔はしない。
それはお前が自分の運命を受け入れたってことだからな。

でも、もしもその運命に抗い(あらがい)生きたいと願うなら…俺と契約しろ。
そして俺と共に生きてみろ。

どうだ?


イヤ…返事は今じゃなくていい。

しかし、お前に残された時間はわずかた…

ハッキリわかる訳じゃないが、精気が落ちて血の臭いが薄い…

次のその次の満月まで大丈夫だが、その後の満月は…

そうだな人間の時間だと一ヶ月くらいだな…

次の次の満月にまたここへ会いに来る。
その時まで決めろ。

その時にお前がいなかったら、それもまたお前の運命だったって事だ。
そのまま死を受け入れろ。

いいか、だからって適当に考えるよ。
きちんと頭と心で考えろ。どっちか片方じゃなく、両方で考えるんだ。

とにかく言うことを聞けその両方で考えろ。
そうすればお前の本当の気持ちが見えてるくるはずだ。

あっ見回りが来たみたいだな…

じゃあな…満月に来る。

【SE:引き戸の開閉音】


【シーンチェンジ・次の次の満月の晩】

(ベッドに近づく)
おい、生きてるか?ギリギリのようだなその様子だと…

それでどうするか決めたか?

そうか決めたか…それで後悔はしないな。
今までの人間としての生活を全て捨てる事になるぞ。家族も友達も…
その後は俺と二人になる覚悟もいるぞ。

本当にそれでいいんだな?

わかった。ならそのまま目を瞑れ…
さっさと契約してしまおう。
そろそろ死神が現れる頃だからな…

じっとしてろ、いいな

【吸血シーン】
(基本演者様にお任せ。途中に台詞を挟んで下さい)

そのまま…じっとしてろ…


大丈夫だから…


【吸血シーン終了】

だいぶ血が薄くなってるがこれくらいでも大丈夫だろ。
起き上がれるか?

月が見えるここに来い。

よし…
(自分の指を噛む)
手を出せ…
(相手の指を噛む)
この二つの血を一緒に飲め。

そうだ。この二本の指から流れる血だ。

ゆっくりでいいから…

そう上手いぞ…もっとだ…

二つが混じりあったこの血は契約の証(あか)しだ。俺の血がお前を吸血鬼にする。

息が苦しいか?そのうち身体中が燃えるよえに熱くなる。

おっ…と大丈夫か?

少しの辛抱だ、俺の血がお前の身体中の細胞をひとつ残らず活性化させてる。
その反動だ。
それが病気も消えて不老不死の吸血鬼にしてるんだ。


そろそろ落ち着いたか?
次にお前には明日の朝、死んでもらう。

いいから聞け。もしもこのまま消えたらお前の家族はどう思う?心配するだろ?
だからその家族の心配を無くすために、一度お前は死ぬんだ。

そして吸血鬼として生まれ変わる。

これを飲め。これを飲めば朝にはお前は死んでる。死ぬのは24時間だけだから、その後は生き返るから安心しろ。
俺が迎えに行くから、それまでじっとして待ってろいいな?

そうだ。お前が眠りにつくまで傍にいてやる。だから安心していい。

さぁ横になって目を瞑れ…そのまま深い眠りに落ちろ…


【シーンチェンジ・告別式】

さぁこれが最後の別れだ。自分の告別式に出るって言うのも変な感じか?

大丈夫。誰が見ても俺の弟にしか見えないから安心しろ。

別に礼なんかいらん。ただちゃんとケジメはつけた方がいいと思ってな。


さて…これで全部終わったな…

これからお前は新米吸血鬼で俺の相棒?パートナー?だな。

これからお前はどうしたい?どう生きたい?時間だけはたっぷりあるからゆっくり考えろ。

勉強がしたい?はぁなんだそれ(笑)

じゃあどこか住む場所でも見つけるかぁ
新米吸血鬼さんよ(笑)

【二羽の鳥の羽ばたきでフェードアウト】
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【吸血鬼二人で…1】吸血鬼と生きたいと願った少年(少女)…吸血鬼ver.
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
葛葉 茉白
ライター情報
初めまして台本を手に取って下さりありがとうございます。
葛葉 茉白(くずのは ましろ)と申します。

シナリオの書き方を勉強中の為、読みづらい点が多々見受けられると思います。
また語彙や言い回しも同様なのでその点を了承の上読んで頂ければ幸いです。
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