1
あなたを捕らえたヴィランはかつての後輩だった
written by ソライヌ
  • 監禁
  • シリアス
  • 学生
  • 後輩
  • ヤンデレ
  • 拘束
  • サイコパス
  • 看病
  • 敬語
  • 洗脳
公開日2021年07月28日 17:38 更新日2021年07月28日 17:38
文字数
1885文字(約 6分17秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
元後輩ヒーローだったヴィラン
視聴者役柄
捕らえられた先輩ヒーロー
場所
ヴィランによって作られた異空間
あらすじ
ヒーローとヴィランが対立している世界。
あなたは世界を守るヒーローとして活動をしていた。
しかし、「とある理由」により重傷を負い気を失ってしまう。
次に目を覚ますと見知らぬ場所に拘束されていた。
あなたのことを「先輩」と呼ぶヴィラン。
しかし、そのヴィランはかつて可愛がっていた後輩ヒーローで…
本編
…あ、ようやく起きましたね、先輩。気分はどうですか?
おっと、あんまり動かないほうがいいですよ。私の力で生み出したその鎖はそう簡単にほどくことは出来ないでしょうし…それに、先ほどまで重傷を負っていたんですから、無理はしないで下さい。一応、応急処置は施しましたとはいえ、傷が開いたら危ないですよ、先輩。
え?お前みたいな化け物に「先輩」と呼ばれる筋合いはない?
まぁ確かにこの街を破壊し、ヒーローであるあなたをここまで連れてきたのは、紛れもなく私ですが…
そんな言われ方すると、傷つくなぁ(低く)
ふふ…そんなに怯えないでください。まぁ、この姿では誰か理解するのは難しいですよね。
それじゃあ、感動の再開と致しましょうか。
(化け物が変身を解く)
お久しぶりです、先輩。
そうです、あなたの愛しの後輩ちゃんですよ。
「どうしてきみがここに?」…そうですねぇ、どこからお話したらいいんでしょうか。
うーん、それじゃあ先輩、一つ質問してもいいですか?
他のヒーローから、わたしはどうなったと聞かされましたか?
「ヴィランに捕まり、殺された」と…なるほど、そうですか。
やはり、アイツらは信用なりませんね(小声で)
では、私の身に何が起きたのか答え合わせといきましょうか!
とはいっても、一から全て話すと長くなってしまうので、手短に結論から言いますね。
私は、奴らに、ヒーローに裏切られたんですよ。
自分でこんな評価をするのは恥ずかしいですが、私は落ちこぼれでした。
それなりに努力をしてヒーローになったつもりですが、上には上がある、私より優れた人なんてごまんといます。
それでも、先輩はこんな私でもいつも気にかけてくれましたよね。嬉しかった、ほんとうに嬉しかった。
こんな私でも、もっと努力を重ねていけば、きっとあなたみたいな優秀なヒーローになれると、信じていました。
でも、その夢は叶うことはありませんでした。
初めてのヴィラン討伐任務、私は攻撃を受けて戦闘不能の重傷を負いました。
そうです、その時の攻撃こそ、ヒーローに、あの時の仲間達に、負わされたものなんです。
フフ…アハハ!!今でもあの時のことを思い出すと、怒りで頭がおかしくなりそうです。
「何もできない役立たずはせめて時間稼ぎでもしてろ」「ついでにゴミ処理もできた」…そういってアイツらは私を見捨てました。初めから、囮として私を使うつもりだったらしいです。
絶望しましたよ。アイツらが本当に、世界を守る英雄の姿なのかと。
ですが、ここからが私にとっての転機でした。こんな私を、ヴィランの皆様が救ってくださったのです。
重症の私を保護して下さり、闇の力を与えてくださいました。
「裏切り者のヒーローたちに復讐をしたい」
その強い憎悪が、ヴィランとしての才能を開花させたそうです。
そして私は、ヒーローではなく、ヴィランとなりました
この世界の悪として、ヒーローと対立し、世界を蹂躙する…孤児の私には家族もましてや親しい友人もいませんでしたから、人類がどうなろうがどうでも良くなってしまいました。
ですが…先輩、あなただけが、唯一の心残りでした。
落ちこぼれヒーローだった頃の私を、何もかもがうまくいかない私を、泣いてばかりの弱い私を…先輩はいつも優しく慰めてくれましたよね。
あなたにとって、わたしはたくさんの後輩のうちの一人だったのかもしれませんが、私にとってあなたは、たった一人の特別なんです。
先輩だけは、傷つけたくない…他の誰にも取られたくない…ずっと、そう願っていました。
だけど、ようやく、この時が来たんです。
先輩を、この場所に連れてくることが出来ました。
さて、聞いてばかりだとつまらないでしょうし、また一つ質問をしてもいいですか?
…先輩の、その傷は、一体誰に負わされたものなんですか?
…すみません、そんな怯えた顔をさせたかった訳ではないんです。
私、全てを見ていたので知っていますよ。…先輩も、ヒーローたちに裏切られたんですよね。
優秀すぎるが故に、多くに妬まれて、見捨てられる。
…っ泣かないでください。辛かったですよね。信じていたものに裏切られた時の気持ちは、私も痛いほどわかりますから。
(抱きしめて、背中を優しく叩く)
もう、大丈夫ですよ。私が先輩を守りますから。あの時、先輩に救われた分、今度は私が先輩を助ける番です。
誰にも邪魔はできません。この空間は、私と先輩だけの場所ですから。
まずはそのキズをゆっくり治していきましょう。体も、心も、痛いものがなくなるように私が尽くしますからね。
私は先輩を裏切ったりなんかしません。ずっと、ずっと、そばにいます。
どうか、先輩にとっての特別が、早く私になりますように(小声)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
あなたを捕らえたヴィランはかつての後輩だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ
ライター情報
ソライヌと申します。
こちらに投稿している台本と同じ作品をpixivにも掲載しております。

【ご利用に関しての諸注意】
台本使用のご連絡をいただけましたら微力ながらツイッターにて情報のRT、そして作者が喜んで聞きに行きます。お手数でなければよろしくお願いします。
有償販売利用の条件
台本を有償販売を目的とした形でご利用したい場合はお手数ですがTwitterのDM又はライターページよりソライヌまでご連絡下さい。
利用実績(最大10件)
ソライヌ の投稿台本(最大10件)