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鬼の居る間に安らぎを
written by 霜月鷹
  • 添い寝
  • お姉さん
  • 人外 / モンスター
  • 癒し
公開日2021年07月29日 17:58 更新日2021年07月29日 17:58
文字数
1291文字(約 4分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
鬼のお姉さん
視聴者役柄
頑張り過ぎで疲れている青年
場所
鬼の御屋敷
あらすじ
忙しい日々の連続に疲弊して、いつの間にか転寝をしていた貴方。
自宅のリビングで寝ていた筈なのに、気が付いたら見知らぬ和室で寝かされていました。
少しだけお酒の匂いがする、様々な物が置かれた部屋。
現状が理解できずに困惑しつつも、自分が寝ている布団の心地良さに身を委ねてしまう。

そんな貴方の様子を隣で眺めていたのは、妖艶な雰囲気を纏う──とても綺麗な鬼のお姉さんでした。
本編
ふわぁ……いささか待ちくたびれたが──ようやっと目を覚ましたか。
全く、お主のような年端もいかぬ若者ならそれ程までに眠り耽るのも悪くはないが、それにしてもちと長いこと眠っておったぞ?
わらわ、お主の家に向かう前に友と酒宴を開いておったのだが……まさか妾の酒気にてられてしまったか?
鬼の酒は強いからのぉ……人の子らは飲まずとも酒気だけで倒れてしまうと噂されておったが、まさか本当だったとはの……次から吞み過ぎには気を付けねばならんな。
しかしお主、家に鬼が忍び込んでおるというのにまるで気が付かなんで、あろうことか居眠りまでしおって……まぁそのおかげで、妾は労する事なく其方を攫うが出来たのじゃがな。
ん?そんなに呆けた顔をしおって、どうかしたのか?
「鬼を初めて見た」とな……?あぁそうか、そういえばそうじゃったな。
最近は妾達が人里に降りる事なぞ滅多に無かったし、妾達を知らないのも無理はないか。
お主の先代の先代くらいなら、ひょっとしたら妾の同胞に相まみえた事もあるやもしれぬが……そうか、もうそれだけの間、人の前に顔を出してはおらんかったか。
ふふ、まぁそんな事は妾とお主の間には関係のない事……それより、少しばかり同衾どうきんさせてもらうぞ?
お主を害する訳ではないのだ……だからほら、拒むでないぞ。
ん~、長い事お主が寝ておったおかげでとってもぬくいの……幼い頃、母様に添い寝してもらった事を思い出すわ。
どうじゃ?お主も安らいでくれれば良いのだが──なに、聞きたい事があると?
「どうして自分を攫ったのか」とな……?
どうしてと言われてもさして理由なぞ無いが……それがどうかしたか?
鬼は己の好きなように生き欲の赴くままに日々を過ごすもの、妾だってそうじゃ。
好きなように人の世を覗き見して気になるものがあれば其処に赴く……今回はそれが、お主という人間だっただけの事じゃ。
誰に見向きされる事なく、ただ己が身に降りかかる艱難辛苦かんなんしんくを耐えるその姿……それがどうにも、愛おしく思えてしまっての。
お主の事を守ってやりたい……叶う事ならば、苦しみ続けるお主を癒してやりたい……そう思っての。
なに、人を取って食うだけが鬼ではない──お主、鬼子母神というモノを知っておるか?
人の子を護り慈しむ元は鬼だった女神……鬼とはな、そういう慈悲深い一面も持ち合わせた者でもあるのじゃ。
そしてお主は妾のそういった一面を刺激した……たったそれだけの事じゃ。
さて、妾の話はこれくらいにして──それで、どうなのじゃ?
だから、お主は妾とこうしていて心地良いのか?
うむ、そうか……それならば良い。
実はの、妾は気に入ったモノにとことん執心する性格でのぉ……つまるところ、妾はお主の事をここより一歩も外に出したくないのじゃよ。
愛しいお主を此処に閉じ込め、ときが許す限りこうして傍に置いておきたい……もちろん他の女子の目に触れさせるなぞ論外も良いところじゃ、鬼は独占欲も強いからの~当然の事じゃ♪
な~んて、冗談じゃよ冗談。
少しばかりからかわせて貰っただけじゃ、そんなにたじろぐでない。
最も……此処から逃げようとしたら、少しばかり痛い目を見てもらう事になるがの。
ともかく今は、妾の腕に抱かれてゆっくりと眠っておればよい。

今までよう頑張った……お疲れ様じゃ♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
鬼の居る間に安らぎを
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
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有償・無償問わず演者側キャラクターの性別変更、罰ゲーム等への使用は御遠慮願います。
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