《飲み過ぎて帰る途中の道端で眠ってしまった。
目を覚ますと見知らぬ屋敷の布団に寝かされていた……》



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おはよう、カズマちゃん
やっと戻ってきてくれたのね
お母さん嬉しい

は？今なんて言ったの
カズマ……私を忘れたの？

あなたは鈴木カズマ
３年前に行方不明になった私の息子よ

違う？
いいえ、違わない
自分の息子を間違えるはずないでしょ
あなたは私の一人息子のカズマよ

すごく心配したのよ
もう戻って来ないんじゃないかと思って

それが今朝ごみを捨てに行ったら、あなたがうちの前に倒れてて
こんなふうにひょっこり戻ってくるなんて思ってもみなかった
お母さん、どんなに嬉しかったか

しばらく見ない間にこんなに大きくなって
まるで大人みたい
でも無事でよかった

ねえ、みんなはひどいことを言うのよ
カズマはもう戻って来ない、諦めろって
私の頭がおかしくなったって

でも何を言われてもかまわない
お母さんはね
お母さんだけは、あなたが生きてるって信じてた
現にこうして帰ってきてくれたじゃない

もう離さない

お父さんは出ていっちゃったけど、心配しないでね
これからはお母さんと二人でこの家で暮らすのよ

え？別人……？

酔いつぶれて道端で寝てしまっただけ……？

……

だめじゃない、カズマちゃん
カズマちゃんはまだ子どもなんだから
お酒なんて飲んだらだめでしょ

ああ、きっと悪い仲間にそそのかされたのね
でもねえ、そういう時はきっぱり断らないとだめでしょう

悪い子にはお仕置きが必要ね

さ、これを脱いで、後ろを向いてそこに手をつきなさい

こら、暴れたらだめよ

あら、あなたずいぶん力が強くなったのね
子どもの成長って早いものね……
でも悪いことは悪いんだから、しっかり躾けないとね

やめて奥さんって……
奥さん？
どうしてお母さんのことそんな風に呼ぶの？
まるでよその人みたいじゃない
どうしちゃったの？
前みたいにお母さんって呼んでちょうだい

私を知らない……？
俺の家はここじゃないって
あんた何を言ってるの
あなたの家はここ意外にないわよ

わかった
わかったわ、カズマ
あなたは誘拐犯に洗脳されて記憶を失ってしまったのよ
なんてひどい人たちなの

困ったわね
どうしたらお母さんのこと思い出してくれるの？

そうだ、カズマちゃんが大好きだったものをあげる

ほーら、カズマちゃんの大好きなおっぱいですよー
もう一度お母さんのおっぱいを飲めばきっと
何もかも思い出すわよ

飲みなさい
さあほら、はやく
どうしたの？　みないようになんかしちゃって

ああ、もうおにいさんだから恥ずかしいのかな？
ばかねえ、お母さんから見ればまだまだ子どもなのに

いいのよ
カズマちゃんは誘拐されて怖い思いをしたんだから、
これからはたくさんママに甘えてちょうだい
毎日カズマちゃんの好きなご馳走作ってあげる
欲しいものがあったら何でも買ってあげるからね

さあはやく、遠慮しないで
おっぱいを飲みなさい

あっ！
ああカズマちゃん、どこへ行くの

（突き飛ばして逃げたが追いかけてくる）

カズマちゃん……

そこは行き止まりよ……
何度もお母さんと鬼ごっこしたから憶えてるでしょう？

ああ、その仏壇のことなら気にしないで
お父さんがね、勝手にカズマちゃんの遺影を飾っちゃっただけなのよ

ごめんね、びっくりしたでしょう？

こうしてカズマちゃんが帰ってきてくれたんだから、
こんなものもう捨てちゃいましょう

私のカズマちゃんが死んだりするはずないわよね

ほら、捕まえた

やっと会えたんだもの
もうどこへも行かせない
ね、私のかわいいカズマちゃん……


（おわり）

・台本（ゆるボイ！）
【狂気】ヤンデレお母さんに監禁される
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
クリスらびっと