「手違いで悪魔を呼び出してしまったようです」
https://yuruboi.com/script/2430
これの続きのような後日談のようなものです。

今日も仕事を終え、いつものように帰宅するあなた。
そこには手違いで契約してしまったものの、ご飯を作って待っている悪魔がいて…
「これからも私の作ったご飯食べてくださいね。契約者様！」

（自宅に向かう足音）
（ドアを開ける音）

あ、契約者様おかえりなさい。今日も一日お仕事お疲れさまでした。
わ！汗すごいじゃないですか。ベタベタしてるでしょうし、とりあえずお風呂入ってきてください。その間にご飯も準備しておくのでゆっくりでいいですからね～！

（契約者入浴中）

あ、出ましたか。よしよし、さっぱりしましたね。
今ちょうどご飯の支度も終わりましたよ。
今日の献立ですか？最近暑い日が続いていますので、さっぱりと召し上がっていただけるよう冷やし中華？というのを作ってみましたよ。
いや～料理というのは実に面白いですねぇ。下手な魔術よりも複雑ですし何より作り手によって微妙ながらも味に差がある…！！
何度かニンゲンに召喚されたことはありましたが、料理をするのは初めてだったので…！！楽しくてしょうがなくて…！！（早口）
…んん（咳払い）失礼、私としたことが少々はしゃぎすぎました。ささ、早く召し上がってみて下さい。
はい、いただきます。

（契約者食事中）

どう、ですか？…すごく美味しい！？良かったです！！これがあなたとの契約ですから、上手くいってないと色々と悪魔的には不安になるんですよ。
それにしても…今まで色んなニンゲンと契約をかわしてきましたが…「毎日自分のためにご飯を作って食べさせて欲しい」とお願いされたのは初めてかもしれません。
初めは「なにいってんだこいつ？」と思ってましたが、契約と共にあなたと過ごしていくうちに色々と考えは変わっていきました。なにより、今は料理が楽しくって仕方ないんです。
え？契約の願いとは別に前の会社をやめさせてくれたのは何だったのかって？
それは…まぁ、あれですよ、あなたと私の契約は「毎日自分のためにご飯を作って食べさせて欲しい」じゃないですか。
あなたが前いた会社という場所は残業？やらタスク過多？などの地獄でもビビるような環境だった。
なにより契約者様自身のトラウマの根源となる場所であったじゃないですか。すなわち…
貴様との契約が果たされなくなるという危険分子の可能性があったが故、邪魔を排除しただけに過ぎぬという訳だ。
まぁ本来なら我が契約者をいたぶっていたという重罪を持ってジェノサイドをおこしてやっても良かったのだが…
まぁ貴様に免じて運命を少ーしばかり弄り、会社そのものを潰してあの場から貴様を開放するだけにとどめてやったわ。
…ああごめんなさい。つい高ぶるとああいう言葉遣いになっちゃうんですよね。気を付けます。
要はちょっとしたサービスみたいなものです。願いに関することと大幅にズレていなければ、多少のことは許されているので。気にしないでください。
それより、私としては早死にされるよりは長生きしてくれた方が助かるので、まぁ、こういう願いも悪くないのかなって今は思います。
いえ、むしろ…本当は私自身こういうことを望んでいたのかも…（小声）
ああいやなんでもないですよ。
もうそんなこと言ってないで早く食べてくださいよ。

（契約者がご飯を食べているところをじっと見つめる）

…美味しいですか？そっか、そうですか。フフフ…！
兎にも角にも、この契約を果たすその日まで、これからもずっと私の作ったご飯食べてくださいね。契約者様！

・台本（ゆるボイ！）
手違いで契約した悪魔と同棲しているようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ