あなたが私のものだと実感したい彼女の激しい愛情は危険な方向へと舵を切ってしまった。

おはよう。今日も君はカッコいいな。

惚れ惚れしてしまう。

どうだ、そろそろ、この生活にも慣れてきたか？

……ダメか。唇を尖らせるとすぐ後ろを向いてしまうな。

露骨に避けられるのは私でも傷付くぞ？

ほら、こっち向いてくれ。

……はぁ

　（強引に顔を向けて襲い掛かるようなキス）

こうしてしまうのも気持ちいいな。

やっぱり、嫌か？

それならば、すまないが慣れてくれ。

私に君を愛したくなる衝動は抑えられないものでさ。

特に、接吻は気持ちいいし、何よりも君が私のものであるように感じられる。

君の唇が乾くことはないと思ってくれ。

なんだその目は。

もう一回して欲しいというのか？

それならば私はありがたく君の唇を貰おうか。

　（キス）

ああ、この罪悪感も堪らない。

君は最高だな。私の欲望を的確に昂らせてくる……

君を一秒でも早く堕としたい……君から求めてくれるように染めたくなるよ……

……おっと、そろそろ私は仕事に行かなければいけない時間になってしまった。

今日も、いい子で留守番するんだぞ。

絶対にここから出るんじゃないぞ？

ふふっ、そうか、大丈夫か。

じゃあ、よろしく頼む。

　（ドア閉）

　（時間経過）

　（自力でドア前へ移動）
　（ドア開）

ただい……

おい、何でそんなところにいるんだ？

君はベッドの上から動く必要はないはずだろ？

それに、ドアの前で必死に体を伸ばして、何をしようとしているんだ？

私にはどう見てもドアを開けようとしているようにしか見えないのだが。

まさか、ここから出ようとしたわけじゃないよな？

首を振って、否定しようとしているのか。

じゃあ聞こうか、何のために外に出ようとした？

……ほら、何も言うことが出来ない。

さ、君は早くベッドに戻ろうか。逃げられなくて残念だったな。

ふっ、よいしょっ。

本当、手間掛けさせないでくれよ。

君がいくら力がなくとも、それでも相応に成長した男なんだから運ぶのは大変なんだぞ。

そもそも君の力には勝てないからって四肢の自由を奪っているわけだし。

やっぱり、君の思考まで支配しないと安心は出来なさそうだな。

すまないが、これは君の犯した重大な罪への罰だから抵抗なんてするんじゃないぞ？

まず、錠で両手、両足同士を繋いでも君は動けてしまうから、ベッドの柵に繋いでおこう。

どうだ？　これで動けないはずだが。

ふふふ、必死に藻掻く姿、可愛いぞ。

これで、私が身体を押さえつけたら……ははっ、何にもできないねぇ。

だから……

　（キス）

またまた衝動的に君の唇を奪ってしまったな。

だが、今の衝動はそんなものでは抑えられないみたいだ……

私、本当はこうして君が必ず逃げることのないようにしても、安心も満足もできないんだよ。

どうしても、君が私のものになったって実感したくてさ。

これからすることは君にとって乱暴かもしれないけど、これも一つの愛だってこと、わかってくれ。

……ふふっ、すまん。私も緊張しているんだ。

出来れば、嫌がらないでくれるとありがたい。

……無理だとは思うが。

さあ、グダグダしていると始められなくなってしまいそうだからな。いいか……？

　（間）

……はぁっ、すまない、そしてありがとう。

ああ、君のその冷たい瞳を見るに、君の頭の中までは支配しきれなかったのだな……

まあいいだろう、今、私の身体が君を支配している確信で満たされているんだ。

……気が変わった。

私の身体が君とのつながりを示す愛を宿せば私は満ち足りるような気がする。

私を愛すことはなくても、その愛を君は憎むことはないだろうからな。

そうと決まれば、朝までよろしく頼もう。

もはや君の心はどうでもいい。私の思い通りになれば、逃げようだなんて思えなくなるだろうからな。

私の愛の実を結ばせるため、君の何もかも、このまま搾り取らせてもらおう。

・台本（ゆるボイ！）
脱走未遂のお仕置きを口実とした彼女の深い愛は拒めない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩