1
ヤンデレヴィランのお誘い
written by 霜月鷹
  • ヤンデレ
  • ヴィラン
  • サディスト
公開日2021年08月26日 13:14 更新日2021年08月26日 13:14
文字数
3245文字(約 10分49秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
敵性組織の少女
視聴者役柄
要人警護班の隊長
場所
主人公のデスク
あらすじ
軽微の仕事中、いつも悪戯(意訳)を仕掛けてくる敵性組織所属の少女。
どうやらそれなりの地位にあるようだが、組織の目的よりも何故か自分にばかり執着してくる変わった少女──そんな彼女が、どういう訳か真夜中に自分のデスクに現れた。
敵意は無いようだが、いつにも増して悪戯めいた笑みを見せる彼女が持ち掛けて来たのはとんでもない要求だった。
断ろうとした貴方の口を塞ぐ彼女は、部下にすら隠していた貴方の「秘密」を淡々とバラしていくのであった──
本編
(扉をノックする音)
こんばんは~お忙しい所、ちょっと失礼させてもらうよ……って、そんな物騒なモノはしまってもらえないかなぁ?
別に今日は君とドンパチしに来たって訳じゃないんだからさぁ……とりあえず、私の姿を見る度に銃口を向けてくるのは止めてくれない?
すぐに撃たないのは分かってるけどさぁ、流石にちょっと心臓に悪いかなぁ……私だって人間なんだし、普通に驚いたりするからね?
君だって顔馴染みとすれ違う度に撃たれそうになったら気が気じゃないでしょ?
だから、取り合えずその悪癖だけはどうにか治してくれないかなぁ──そうそう、言い忘れてたけど建物の外に居た君の部下は私の仲間が制圧させてもらったから。
この部屋の外にも結構な人数を待機させてるから、間違っても変な真似を試みたりしちゃダメだからね?
流石の君でも数の暴力に勝つのは難しいんじゃないかなって思うんだけど……そうそう、やっぱり君は賢いね♪
お話の為に私が用意したテーブルに「自分の意志」で着いてくれるなんて、私も頑張った甲斐があったよ。
とりあえず、そうだなぁ……まずはこのコーヒーとクッキー、貰っても良い?
折角のお茶会なのに肝心のお茶もお菓子も無いなんて、興ざめも良い所だからね~はい?
「お話するだけじゃなかったのか?」って、相変わらず君は堅物だねぇ……そんな真面目さん気取って疲れたりしないの?
君と私の仲なんだしさぁ、こういう時くらいは肩の力を抜きなよ……って、流石にそれは無理かな?
君は要人警護のトップで私は君が警護してる人を狙ってる組織の「ちょっとだけ」偉い人……なんだか映画みたいなシチュエーションでワクワクしてくるね♪
え、君はそうでもないの?
残念だなぁ……君も同じことを考えてくれてたら良いな~って思ってたけど、流石に堅物君はそうもいかなかったかぁ。
「話が長い?」「早く本題を教えろ?」
あのさぁ……そんなに急いだって良い事ないと思うんだけど、君って実は意外と堪え性が無かったりする?
はいはい分かったから、そうやってすぐ人に銃を向けるのは止めてよ……本当に空気を読めない奴だな君は。
まぁ良いか、それじゃあ早速だけど本題に入らせてもらうね。
はいそこ「なにが早速だよ」みたいな顔をしない!
そうやって露骨に嫌そうな顔をされると私も気が滅入っちゃうでしょ?
せっかちな君の為に分かりやすく教えてあげるんだから、しっかりと聞いててね──

君さぁ……私のところに来ない?

(相手を揶揄うような口調)
やっぱりそういう顔するよね~怖い怖い、そんなしかめっ面してると表情筋が固まっちゃうよ?
君、職務には忠実なワンちゃんだもんね~上司を裏切ったりは出来ないもんね♪
でもさぁ、私としては至って本気なスカウトなんけどなぁ……君、私達からすれば超魅力的な人材だし。
私が調べた内容に間違いが無ければだけど、君ってアイツが台頭してきた頃に起こった騒乱で家族を何人か亡くしてるよね。
原因を作ったのはアイツ側の部隊で流れ弾が原因だったとか……生き残ったのは双子の妹さんだけなんだっけ?
その後に腕を認められた君は警護班へ半ば強制的に入隊させられて、妹さんはアイツの傍で働いてる──私の見立て違いじゃ無ければ、これって妹さんを人質に取られてるよね?
しかも妹さんとは小さい時に引き離されて以来もうずっと会えてなくて……生きてるって知らせだけは届いてるけど、それもイマイチ信用できなくて。
だから君はたった一人の家族の為に、自分の家族を奪った相手の警護なんてしてるんだ……なんて言うか、可哀相な話だね。
君がこの仕事をしてるのって、本心からじゃ無いんでしょ?
さっき私が言った事があるから仕方なく従ってるだけで、本当なら今すぐにでもアイツの喉元に噛みついてやりたい……そう思ってるんでしょ?
私的にはそういう生い立ちの君がこっちに来てくれれば味方の士気も戦力も上がるから、是非ともこっちに来てもらいたいんだけどな~おやおや?
もしかして君……今、すっごく悩んでる?
いつもは聞く素振りすら見せない私の言葉で、心がグラグラ揺れ動いちゃった?
それじゃあ、そんな君の心を私が後押ししてあげる♪

(耳元で囁く)
君はそちら側に居てはダメな人間だよ。
君はアイツを守る事を義務付けられたニンゲンなんかじゃない。
私達と一緒の場所に立って、アイツに反旗を翻すべき人間……正当な復讐の権利を与えられて、その権利を行使する事が許された人物──それが君っていう復讐鬼ニンゲンなんだよ。

(少し真面目な口調)
君が私の隣に来て、私と一緒にアイツに向けて引き金を引く──それで全部が丸く収まるんだよ?
君の復讐も果たされて、困ってる大勢の人が救われて……見事なまでのハッピーエンドになるんだから♪
多くの人達が混乱に巻き込まれるって……それはそれで良いじゃん。
今まで見て見ぬふりをして、陰でアレコレと不満を漏らしてるだけの無能にはむしろそういうグチャグチャになった世界の方がお似合いだと思うけどなぁ。
それに、そうやって混乱してるのもきっと最初のうちだけだと思うよ?
アイツの後釜には私達が座るから、後継者問題とか跡目争いとかもそんなに激化しないと思うよ……まぁ、その前に反抗的な奴らは全部消しちゃうつもりなんだけどね。
別に?私の心は全く痛まないけど?
それに、そんな事しなくたって私達が行動を起こせば「圧政から解放してくれた!」とか言って勝手にすり寄ってくるだろうし。
あぁでも、そうなったら現状の私と君、どっちが悪者かいよいよ分からなくなってきちゃうね。
いや、それは流石に意地が悪すぎるか……ごめんね、今の発言は聞かなかったことにして。

とりあえず私が言いたい事はこれくらいかな、静かに聞いてくれてありがとね♪
質問があるなら答えるけど、何か聞きたいことはある?
「なんでそんなに自分を推すのか」……まぁ、やっぱりそこ気になるよね。
隠す意味もないし、別に話しちゃっても良いか。

君を推す理由だけど──それは勿論、君の事が好きだからに決まってるでしょ♪
組織拡大の為に勧誘したいって理由もあったんだけど、それは殆ど私の建前……本当はね、ずっと前から君を私の傍に置いておきたくて仕方なかったの。
初めて君を見た時に「あぁ……この人が私の探してた運命の人なんだ」って思ってね、それから色々と君の心を折るような事を仕組んでたの。
君を精神的に追い詰めたり味方に対して疑心暗鬼になるように頑張ったんだけど……気付いてくれたかな?
「なんでそんな事を」って、そんな事を聞かれてもなぁ……強いて言うなら身も心も疲弊しきった君に私が手を差し伸べて、君を癒してあげて、君の全てになって、君が私の傍から離れられないようにしてあげたいな~って、そんな感じかな。
えぇ……私がこんなに素敵な告白をしてあげたのに、まだ決心がつかないの?
それじゃあ何方に傾くかで揺らぎまくってる君に、優しい私がとどめを刺してあげるね♪

(悪戯めいた口調)
君の妹さん、思いつく限りの場所を探してみたけど何処にも居なかったよ。
多分だけど君……ずっと騙されてたんじゃないかな?
本当はとっくの昔に死んでて、君を此処に繋ぎ止めておく為に誰かが妹さんの振りをして君と連絡してたんじゃない?
可哀相……君の希望は、もう何処にも存在しないみたいだよ♪

あらら、倒れちゃった──こりゃ相当ショックだったみたいだね、少しやり過ぎちゃったかな?
すっごい辛そうな顔してる……あー、これはちょっと、変な趣味に目覚めちゃうかも……今の君を見てるとなんかすっごいゾクゾクしてくる……って、今は変な事を考えてる暇は無いんだった。
意識は……辛うじて残ってるみたいだね。
それで、君はこれからどうするの?
私の隣に来るのか、それとも此処に縛られ続けるのか……私としては前者を選んで欲しいなぁ。
なに?声が小さすぎてよく聞こえないんだけど?
「好きにしろ」……ふーん、それじゃあ遠慮なくお持ち帰りさせてもらうね!
でもこの感じだと、私の言う事を聞いてくれるようになるまで時間が掛かりそうだなぁ……それはそれで楽しそうだから、別にどうでも良いか。

どんなに時間をかけても、必ず君の全てを私で染め上げてあげるから……覚悟しておいてね♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレヴィランのお誘い
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
有償販売利用の条件
有償・無償問わず演者側キャラクターの性別変更、罰ゲーム等への使用は御遠慮願います。
利用実績(最大10件)
霜月鷹 の投稿台本(最大10件)