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公開日2021年09月01日 14:11
更新日2021年09月01日 14:11
文字数
1724文字(約 5分45秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
怪我をした先輩軍人
視聴者役柄
お見舞いにきた後輩軍人
場所
病室
あらすじ
敵国の爆撃によって戦争が終結した世界の話。
あなたが訪れたのはとある病室。
ここにはあなたを庇い大怪我を負ってしまった先輩がいると聞きつけたのだ。
お互いに助かった命を喜び合い、そしてこれからのことの話を語り合う。
「私たちは、生きている。生きていなければ、そんな夢すら叶えることが出来ないんだから。」
あなたが訪れたのはとある病室。
ここにはあなたを庇い大怪我を負ってしまった先輩がいると聞きつけたのだ。
お互いに助かった命を喜び合い、そしてこれからのことの話を語り合う。
「私たちは、生きている。生きていなければ、そんな夢すら叶えることが出来ないんだから。」
本編
(ドアをノックする音)
ん…?すまない、誰だ?
ああ、君か。よかった無事だったんだな、入ってきてくれ。
(ドアを開ける音)
…やぁ、久しぶりだな。元気そうでなによりだよ。生きててくれて本当によかった。
すまない、来てくれて早々お願いするのは気が引けるんだが、少し体を起こすのを手伝ってくれないか?
まだ体が上手く動かなくてな。こうして誰かに支えてもらわないと起き上がるのすら難しいんだ。
(支えながら体を起こす)
よいしょっと…ありがとう。
よかったら君もそこにある椅子を使ってくれ。
(椅子に座る)
さて…こうして向き合ったのはいいが、何から聞けば良いのやら。
まぁ、時間はある。一つづつ、話をしていこうじゃないか。
まずはそうだな、君の口からこのことを聞くのは酷かもしれないが…戦争は、我々が帝国のために命をかけて挑んだ戦は、どうなった?
…我が国が降伏をしたのか。そうか、そうか…私たちは、負けたのか。
…終わったんだな、争いは。
もう、仲間が犠牲になっていく姿を、血を流して助けを求める市民を、見なくていいんだな。
降伏という形ではあるが、両国とも和平に向けて同盟を結ぶ、か。
なるほど、ありがとう。そして…すまなかった。
これの言葉は君だけにいうものではないと分かっているのだが。
君たちの上に立ち、指揮をとっていた者の一人として詫びたい。
…すまなかった。国を、君たちを、こんな目に合わせてしまって。
あの時の、最後の作戦の時も、敵に裏をかかれ前哨基地に爆撃を受けてしまった。
最悪の事態は免れたが、それでも犠牲を出してしまったことは事実だ。
この攻撃が決定打となり、戦争にも負けてしまったこともな。
それでも、こうして大切な部下を守れた事は誇りに思うよ。
…君は怪我していないか?
私は…まぁ左足はあの時の爆発で…太ももから下はないんだ。
それから左目も、ほとんど見えていない。
…頼む、そう泣かないでくれ。
私が選んだことだ。私自身の意志で、あの時君をかばったんだ。
君が無事で…生きていてくれたことの方が、ずっと嬉しいんだ。
それに、こうしてお互い助かったんだ。それだけで、十分幸せじゃないか。
残念ながら、あの時の爆風に巻き込まれて帰らぬ人となった同士たちも多くいる。
彼らの分まで生きてやろうじゃあないか。
もう我々は兵士ではない。
この戦争も終わりを迎えた、時期に軍も解体されることになるだろう。
そしたら晴れて私たちは無職だ。アハハ!
君は自由になれたら…何をしたい?
私か?…うーんとりあえず仕事を探すところから始めるかな。
それならせめて、かつてなりたいと思っていた仕事に就きたいなぁ。
そうだ、笑わないで聞いてくれるか?
私はな…ずっとパン屋さんを開きたいと思ってたんだ。
おい、笑うなよ!そんなに爆笑するほどのことでもないだろう!
こう見えても私、幼いころから食べることが大好きでね。特にパンが大好物なんだ。
柔らかくて、甘くて、美味しくて…休日はパン作りに没頭していた日も少なくない。
軍の遠征で街を訪れるたび、部下たちに見つからないようパン屋に忍び込んでいたのも懐かしいな。
そんな好物を食べるたびに考えたものさ。
ああ、こんな大好きなパンに囲まれて仕事が出来たらどんなに楽しいんだろう…とな。
私は両親が共に軍に仕える仕事をしていた人たちだったから、私も必然的にこの道を歩まざるを得なかった。
このことに後悔はないよ。誇りを持って仕事はしていたさ。
…でも時々、もしもの事を考えることがあった。
もしも普通の家に生まれていたら、もしも軍の道に歩んでいなかったら、もしも大好きな事を仕事にできていたら…なんて。
…その夢を叶える時が、ようやく来たのかな。
リハビリもしなきゃいけないし、軍の解体作業も残っている。
それから自分の店を開くための準備だってしなきゃいけない。
片付けなければならないことが山積みだな。
きっと随分と遠回りになるかもしれないが、それも悪くないだろう。
私たちは、生きている。生きていなければ、そんな夢すら叶えることが出来ないんだから。
すまない、少し自分の話ばかりになってしまったな。
そういう君は何かしたいことはないのかい?
やりたいこと、叶えたいこと…何でもいい。
もし協力出来ることがあれば、力になりたいんだ。
よかったら、君の話も聞かせてくれないか?
ん…?すまない、誰だ?
ああ、君か。よかった無事だったんだな、入ってきてくれ。
(ドアを開ける音)
…やぁ、久しぶりだな。元気そうでなによりだよ。生きててくれて本当によかった。
すまない、来てくれて早々お願いするのは気が引けるんだが、少し体を起こすのを手伝ってくれないか?
まだ体が上手く動かなくてな。こうして誰かに支えてもらわないと起き上がるのすら難しいんだ。
(支えながら体を起こす)
よいしょっと…ありがとう。
よかったら君もそこにある椅子を使ってくれ。
(椅子に座る)
さて…こうして向き合ったのはいいが、何から聞けば良いのやら。
まぁ、時間はある。一つづつ、話をしていこうじゃないか。
まずはそうだな、君の口からこのことを聞くのは酷かもしれないが…戦争は、我々が帝国のために命をかけて挑んだ戦は、どうなった?
…我が国が降伏をしたのか。そうか、そうか…私たちは、負けたのか。
…終わったんだな、争いは。
もう、仲間が犠牲になっていく姿を、血を流して助けを求める市民を、見なくていいんだな。
降伏という形ではあるが、両国とも和平に向けて同盟を結ぶ、か。
なるほど、ありがとう。そして…すまなかった。
これの言葉は君だけにいうものではないと分かっているのだが。
君たちの上に立ち、指揮をとっていた者の一人として詫びたい。
…すまなかった。国を、君たちを、こんな目に合わせてしまって。
あの時の、最後の作戦の時も、敵に裏をかかれ前哨基地に爆撃を受けてしまった。
最悪の事態は免れたが、それでも犠牲を出してしまったことは事実だ。
この攻撃が決定打となり、戦争にも負けてしまったこともな。
それでも、こうして大切な部下を守れた事は誇りに思うよ。
…君は怪我していないか?
私は…まぁ左足はあの時の爆発で…太ももから下はないんだ。
それから左目も、ほとんど見えていない。
…頼む、そう泣かないでくれ。
私が選んだことだ。私自身の意志で、あの時君をかばったんだ。
君が無事で…生きていてくれたことの方が、ずっと嬉しいんだ。
それに、こうしてお互い助かったんだ。それだけで、十分幸せじゃないか。
残念ながら、あの時の爆風に巻き込まれて帰らぬ人となった同士たちも多くいる。
彼らの分まで生きてやろうじゃあないか。
もう我々は兵士ではない。
この戦争も終わりを迎えた、時期に軍も解体されることになるだろう。
そしたら晴れて私たちは無職だ。アハハ!
君は自由になれたら…何をしたい?
私か?…うーんとりあえず仕事を探すところから始めるかな。
それならせめて、かつてなりたいと思っていた仕事に就きたいなぁ。
そうだ、笑わないで聞いてくれるか?
私はな…ずっとパン屋さんを開きたいと思ってたんだ。
おい、笑うなよ!そんなに爆笑するほどのことでもないだろう!
こう見えても私、幼いころから食べることが大好きでね。特にパンが大好物なんだ。
柔らかくて、甘くて、美味しくて…休日はパン作りに没頭していた日も少なくない。
軍の遠征で街を訪れるたび、部下たちに見つからないようパン屋に忍び込んでいたのも懐かしいな。
そんな好物を食べるたびに考えたものさ。
ああ、こんな大好きなパンに囲まれて仕事が出来たらどんなに楽しいんだろう…とな。
私は両親が共に軍に仕える仕事をしていた人たちだったから、私も必然的にこの道を歩まざるを得なかった。
このことに後悔はないよ。誇りを持って仕事はしていたさ。
…でも時々、もしもの事を考えることがあった。
もしも普通の家に生まれていたら、もしも軍の道に歩んでいなかったら、もしも大好きな事を仕事にできていたら…なんて。
…その夢を叶える時が、ようやく来たのかな。
リハビリもしなきゃいけないし、軍の解体作業も残っている。
それから自分の店を開くための準備だってしなきゃいけない。
片付けなければならないことが山積みだな。
きっと随分と遠回りになるかもしれないが、それも悪くないだろう。
私たちは、生きている。生きていなければ、そんな夢すら叶えることが出来ないんだから。
すまない、少し自分の話ばかりになってしまったな。
そういう君は何かしたいことはないのかい?
やりたいこと、叶えたいこと…何でもいい。
もし協力出来ることがあれば、力になりたいんだ。
よかったら、君の話も聞かせてくれないか?
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