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男嫌いの女子高生、カテキョの俺にデレる
written by 夜木嵩
  • ツンデレ
  • 学生
  • 男嫌い
  • 家庭教師
公開日2021年09月09日 18:00 更新日2021年09月09日 16:13
文字数
1872文字(約 6分15秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
男嫌いの女子高生
視聴者役柄
バイトの家庭教師
場所
女子高生の家
あらすじ
家庭教師のバイトで教えることになった女子高生は男嫌いであなたを厄介払いしようとする。
それでも結局(形だけ)教えることになり、気まずい二人きり。
しかし、二人の距離を縮めるささやかな出来事があって……?
本編
(インターホン)

 (ここから無愛想に)

はい、どちら様でしょう……?
は、はぁ……家庭教師、ですか。
まさか、私の、じゃないですよね? お名前、聞いてもいいですか?

……そ、そうですか。確かに、母が言ってた名前と同じですね。
はぁ、中性的な名前だったからてっきり女性かと思い込んでましたが……
お母さん、何考えてるんだか。

え、すみません、今日は立て込んでるんで後日出直して……いや、一生来ないでください。
この度はうちの母が勝手な真似をして申し訳ございませんでした。

どうしたんですか、私そういうボサっとしたところ嫌いです。
はぁ、これだから男の人は……

とにかく、とっとと帰ってください。
うちに家庭教師など不要……チッ。

(独り言)うわぁ……お母さん帰ってきた……

あの、言ったことを翻すようですが、やっぱり今だけ、今だけです。
上がって下さい。

ただし、勘違いしないでくださいよ?
私は私の意思であなたに教わろうとしたわけではありませんから。
母にあなたを帰したと言うと怒られるので仕方なく教わることにしただけですからね?

いいですか、し・か・た・な・く! ですよ。
万が一、というか男の人なんて大概そういうこと考えてるんでしょうけど、私と二人きりになるのをいいことに何かしらを企んだら即出禁・通報・訴訟ですからね。

わかったら母に見つかる前にさっさと来てください。

あ、ただし半径1メートル以内に来たら問答無用でぶっ飛ばします。
そして話しかけないでください。
別に私はあなたと関わりたいわけではないので。

本当は部屋に男性を入れることなど最悪ですが、今回は特別に許可します。
もしあなたが悪いことをしようとしても、スマホで録音しておくのでしっかりと証拠は残りますから諦めてください。

……はい、あなたはここに座ってください。
随分私の机から遠いって、なんで私があなたと密着しなきゃいけないんですか。
これだから男の人は気持ち悪いんです。

まあ、適当に一時間ぐらい経ったら帰ってください。

 (ペンの音)
 (止める)

 (ここから不思議そうに)

まさか、少しもこっちに興味なさそうに本を読み始めるとは……
面白い人ですね。

……何読んでいるんですか?

あ、これ私読んだことありますよ。好きなんですか?

 (男、頷く)
 
 (ここから笑うように)

もー、頷くだけってどういうことですか。
コミュ障なのに家庭教師やってるんですか?

 (ここから自然に)

すみません、私がきついこと言ってたせいですよね……。
1メートル以内に入って来るなとか話しかけるなとか言いながら、私の方から近付いて話しかけてわけわかんないですよね。

いいです、今からは発言も接近も許可します。
当然変なことしたら許しませんけど。

それで、あなたもこの小説好きなんですよね。
えっと、最後まで読んだことはあるんですよね?

じゃあ、やっぱり最後は泣いちゃいました?
ふふふっ、一緒ですね。

 (ここから感傷的に)

私、物語で泣くっていうことがそれまで全くと言っていいほどわからなかったんですけど、これを読んで初めてわかりました。
文字に引き込まれて読んでいる自分ですらも辛くなってしまうというか、物語の当事者になった気分にされてしまうような感じなんですね。

そのおかげで変われた気がするんです。私。
主人公である彼女の価値観に触れて生き方が変わったというか、読み終えてからこの胸に彼女が生きているような気がします。

人のことを大切にしようって思えるようになったのはいいんですけど、そうしたら今度は他人にも厳しい目を向けるようになっちゃって。
元から好ましくは思ってませんでしたけど、乱暴で幼稚な振る舞いをするクラスの男子も、世に溢れる女性への配慮の欠片もない男も、何もかもが嫌に思えて、気が付けば盲目的に嫌悪するまでになっていました。

でも、この物語に涙を流せる繊細なあなたなら、少しは信用してもいいんじゃないかって思えます……。

 (ここから無愛想に)

何ですか、ニヤニヤして。
素直じゃないところが可愛い……?

ううーっ、やっぱり嫌いです! 帰ってください!

 (男、帰ろうとする)
 
 (ここから必死に)

ごめんなさい、嘘です嘘です!
帰らないでくださいぃぃっ!

 (ここから自然に)

あなたのことは嫌いじゃないです。
はい、今帰ってほしくないって思ったことでよくわかりました。

え? 一時間経った?
もうそれは無しです!

 (ここから照れる)

……私がいいって言うまで、帰らないでください。

もともと母が夕飯もごちそうするみたいでしたし、少なくとも夕飯を召し上がってからにしましょう?

まあ、夕飯まではもう少し時間ありますから、勉強、教わってあげます。

……私の隣、来てください。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
男嫌いの女子高生、カテキョの俺にデレる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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