0
本性の私が愛したい本性の君
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 学校/学園
  • 恋人同士
公開日2021年09月11日 18:00 更新日2021年09月11日 16:45
文字数
2772文字(約 9分15秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼女
視聴者役柄
彼氏
場所
体育倉庫
あらすじ
恋人同士の彼女とあなたは体育倉庫で二人きりの点検をすることに。
そこで何かを企む彼女、気付かないあなた。
密室の雰囲気は危険なものに……
本編
はぁーっ、あの体育教師のすべき仕事の押し付けには腹が立つけど、君と一緒だから頑張りますか!
私、手前の方見るから君は奥の方からお願いね?

なんかさ、体育倉庫って見た目は狭く感じるけど、物品一個一個確認しろってなると思っている以上に物に溢れてるんだなって思わない?

……というか、無駄に大量のネットとか、全部使うのかって感じ。
異常なまでにボロボロで取り替えろってみんなから言われてるけど、結局新品を買いそうな気配もないのは流石、教師陣が口を揃えて「うちの学校お金ないから」って言うだけはあるね。

壊れでもしないと買い替えないのなら、いっそビリビリに引き裂いちゃうしかないのかもね。

まあ、そんなことよくないのはわかってるよ。
何でも新しいものに取り替えればいいってものでもないしね。

ネットだったら何にも思わないかもしれないけど、人間だったら私たちはそれぞれが違う存在なんだって理解してる。
壊された方は直ることもなく捨てられてしまうって、あまりにも残酷な気がするよ。

え? 私なんか怖いこと言ってる?
それは君が怖がりなだけでしょ?

日も落ちて暗くなりつつあるこの狭い体育倉庫。
例えば入口の所にある鏡に向かって「ココカラデタイ」「ココカラデタイ」「ココカラデタイ」って言うと、ずっとこの体育倉庫から出ることの出来ない霊が鏡から出てきて君と入れ替わってしまう……みたいな。

あれ、耳塞いでどうしちゃったの?
そっかそっか、やっぱり怖いんだね。

ちょっと君の怖がるところ見たくなっちゃって揶揄ってごめんね?
ん? まあ今の話は今考えただけだから。

はい、もうこんな話はしないしないっ。
怖い話してると君が作業に集中できなくなっちゃうものね。

あと私は高いところの確認ね、マットの上に乗るか……
ん? どうかした?

マットは危ないからこの台使って?
あ、ありがとう。

やっぱり君は優しいね。
そんな君だから私も惚れたんだろうね。

はい、照れてないでさっさと作業!
終わったら好きなだけイチャイチャしていいから!

……よし、こっちは終わったけど、君の方はもう少しだけかかるかな?
うん。すぐ終わるんなら私、出て待ってるね。


……さっきの君の怖がる顔、可愛かったな。(独り言)

 (施錠音)

何? 鍵を掛けた音がした?
ああ、それなら大丈夫だよ?

鍵を掛けたの、私だから。

(マットに押し倒す)

おやおや、そんなに怯えた顔してどうしたの? 可愛いよ?
もしかして、突然のことで困惑しちゃってる?

大丈夫だよ。
訳が分からないとしても、君は今私に委ねてくれればいいんだから、そのままでいればいいの。

何をするつもりかって、鈍感っていう次元じゃないわよ?

……言うならば、本当は君が今一番望んでいる行為、かもしれないね。
真面目過ぎる君がそれを口にすることが絶対ないっていうのはわかってる。
でも、君だって私と密接しているこの瞬間、ドキドキしてるんでしょ?
ほら、心臓バックバク。

たまには、自分に正直になろう?
真面目な君だって当然私は好きだから付き合ってるけど、24時間ずっと真面目な君と一緒にいたいわけじゃないの。

君は自分が真面目だっていう周囲からの評価で、真面目な自分を演じ切ることに精一杯になってるところ、私なんとなく感じているんだ。

君の純粋な姿……本当の姿を知りたいの。
愛し合うってそういうことでしょ?

君の笑ったところも、君の泣いているところも、怒っているところも、悩んでいるところも。
ありのままの、きっと私しか知ることのない君の姿を恋人、いずれは伴侶として目に焼き付けていきたい。

そして一番君に見せてほしいのは、快楽に溺れて壊れてしまった君の姿。

ほら、そんなあられもない姿、恋人の私でもないと見せてくれないでしょ?
そもそも真面目な君は自分から快楽に手を出そうだなんてしないし。

性に消極的なのは君のアイデンティティとも言えるから文句は言わないけれど、あくまでも私たちが愛もよく知らずに燃え上がってさえしまえばいいと勘違いしている思春期の男女だってこと、忘れないでほしいな。

ね? 私たちに出来る一番の愛情表現は体の交わり。
まさに恋人同士じゃないと分かり合うことの出来ないお互いの本当の姿を晒し合うこと。

教えてよ、私が知りたい君の体と私の体を知ってしまった君の溶けていく貞操観念。

君が見せてくれないからこそ知りたいの。

普段の姿からは想像もつかない君の不真面目な感情はどう君に現れていくのか。
いたって善良な男の子の胸に飼っている危ない欲望が解き放たれる姿。
快楽に欲望を放たれて壊れていく真面目なはずの君。

ああ、想像しただけでそそるわ……

ねえ、教えてちょうだい?
私に本当の君を教えてよ。
教えて、教えて。

あ、君怖がってるんだ。
その顔も可愛いって言ったでしょ?
可愛くてその顔もそそられちゃう……///

何、どうしたの?
こんなところでするのはまずい?

あはははははっ、だから私は鍵を閉めたんだよ?
どうせ君が気にしてるのは、ここだと誰かに見られる心配があるからでしょ?

さっき、内側に自前の南京錠を掛けたから、開けられるのは私だけなんだ。
ほら、鍵。

開けるのは、私が君のことを十分楽しんでから、だよ?
抵抗なんかしてたら、一生私とここから出られないね。

あと、叫んでも無駄だよ?
この体育倉庫の有名な噂話。

夜になると繰り返し助けを求めるような声がする。
「ここから出たい」「助けてくれ」
君が言おうとしていることを叫ぶたびに周りの人は怖がって余計に体育倉庫に近付こうとしなくなる。
逆効果でしかないからね。

どうした? 涙目になってるよ?
ん? こんなの私じゃない?

あはは、君が知らなかっただけだよ。
最初から君のことが壊したくて恋人になったんだ。

これを好きと言うことには変わりないはず。
だけど、私だってこんな正直な気持ち見せてたら君に嫌われちゃうことくらいわかってたから、ずっと普通の女の子を演じてたの。

でも、満たされるためには君を壊すしかないってだんだん心の声が大きくなってね、もう、抑えきれなくなったんだ。
もう私は隠せないよ。

え? 今まで私は君を騙していたのか?
うーん、そういうことにはなっちゃうよね。

でも、それは君も同じだと思うの。
私はずっと本能の素直な君を求め続けているけど、君が見せているのは演じている真面目な姿でしょ?

それって、君も同じで騙してるってことにならない?

仕方ないんだよ。
私たちはお互いに思われたい姿を演じようとする生き物なんだから。

まあ、それで落ち着けてしまう恋人の関係なんて薄っぺらいと思わない?
やっぱり、男女たるもの騙し愛じゃつまらないんだよ。

愛しているあなたは本当のあなたじゃなくて、愛されている私は本当の私じゃない。
そんな虚しいこと、私は嫌だもの。

……まだ、私を怖がるんだね。
いいよ、君の気持ちは関係ないから。

大丈夫。
私はどんなに醜い君の姿が晒されようとも君を一途に愛せるから。

……今以上に。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
本性の私が愛したい本性の君
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

Twitterアカウントは@yorugi_suu以外一切関与しておりませんのでご了承ください。
有償販売利用の条件
TwitterのDM等にてご一報ください。
利用実績(最大10件)
夜木嵩 の投稿台本(最大10件)