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お気に入りのぬいぐるみはあなたをずっと抱きしめていたいようです
written by ソライヌ
  • ヤンデレ
  • 寝かしつけ
  • 睡眠導入
  • 洗脳
  • 添い寝
  • 百合
公開日2021年09月23日 21:00 更新日2021年09月23日 21:00
文字数
2376文字(約 7分56秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
擬人化したぬいぐるみ
視聴者役柄
幼いころぬいぐるみを愛していた社畜
場所
ぬいぐるみが創り出した異空間
あらすじ
気が付くと見知らぬ空間と見知らぬ人に抱きしめられていた。
パニックになりながらも誰か尋ねると溺愛していたぬいぐるみだと語る。
抱きしめられるぬくもりと甘い言葉にあなたはだんだんと心を許していってしまってーー

「わたしと幸せな事だけしか考えられない様にしてあげますからね。」
本編
(眠っているご主人をトントンしている)

ご主人…ご主人様…そろそろ起きると思うんですが…まだ眠たいんですかねぇ…
ん…あ、起きた!気が付いた!ようやく起きてくれましたね。
えへへ、よかったです。
わ!…おっと。どうして急に暴れるんですか。
もう…それなら!!

(ギュッと抱きしめてハグをする)

ぎゅ~…これでもう暴れられませんね。
わたしの腕の中で大人しくしてて下さい。
「ここはどこで、きみはだれか?」って…
そっか…そうですよね。ちゃんと説明しないとですね。
まず最初に、ここは現実世界とは切り離された異次元空間…
うーん…分かりやすく言うとわたしが創った夢と現実の間にある場所…と説明したらいいんでしょうか。
まぁ、その辺の細かいところはあんまり気にしないでください。
それよりも…気になっていることがあるんじゃないですか?
「わたしがいったい何者なのか…?」
簡単に答えを出してしまってはつまらないので、ヒントを出してあげましょう。

…幼いころの誕生日プレゼントにもらったかけがえのない家族。
フフ…その顔は心当たりがあるって感じですね。
そう、そうです。わたしは、ご主人様が小さい時からずっっっと愛用してくださっている、あのぬいぐるみなんです。
今はこうしてご主人様とおんなじ人間の姿になっていますけどね。えへへ。
信じられない…ですか?
それなら…小学生の時に怖くて一人でトイレに行けなくてわたしを一緒に連れて行っていたお話とか、恋愛ドラマに憧れてこっそりわたしにチューをした時の話とかをしたら信じてくれますかね…?
そりゃあ知ってますよ。正真正銘、あなたの家族であるあのぬいぐるみなんですもの。
ところで…どうですか?こっちのわたしもかわいいですか?
普段のわたしは動けないし喋れない…どこにでもいるただのぬいぐるみですからね。
そんなわたしをご主人様は…何よりも大切にしてくださりましたよね。
子供のころからずっとご主人様のそばにいて、色んな時間を過ごさせていただきました。
家族旅行に連れてってくれたり、外の世界であったお話をたくさん聞かせてくれて、帰ってきたら真っ先に抱きしめてくれましたよね。
わたし、幸せでした。
ありふれた表現かもしれませんが…ご主人様のお側に入れてよかったって、ずっと思ってました。
お父様とお母様の元を離れて暮らすことになった時も、真っ先に荷物と一緒に運んでくれましたよね。
だけど…ご主人様は、大人になって会社に行くようになってから変わってしまいました。
ずっと暗い顔したまま帰ってきて、そのままお風呂にも入らずパソコンとにらめっこして…倒れるように眠ったと思えば、すぐに身支度だけして会社に行っての繰り返し。
お休みの日も辛そうな顔は消えないままで。

…いつしか一番大好きだった、ただいまのハグもしてくれなくなりましたよね。
わたしはぬいぐるみだから、外の世界のことやご主人様の身の回りで起きていることが分かりません。
けど、ご主人様が苦しい顔をしていると…わたしまで苦しくなるんです。
ベットに横になって泣いているご主人様を見ているだけしかできない自分が、どうしようもなく悔しかった。
だけど、ある日わたし思いついたんです。
…もしもわたしがぬいぐるみじゃなかったら、ご主人様のことを助けてあげられるのかもしれない。
だからわたし、神様にお願いしました。
どうか、ご主人様を愛することが出来る姿と力をください…って。
そしたら、この姿とわたしとご主人様しか入れない空間を創る力を手に入れたんです。
(強く抱きしめる)
ねぇ…ご主人様。あったかいですか?
抱きしめるの…きつくないですか?
ぬいぐるみの姿だと柔らかさはあっても、この暖かいぬくもりはありませんでしたから。
どうですか?ポカポカしますか?

(再度抱きしめる)

「すごく落ち着く」…?えへへ…なんだか夢見たいです。
こうやって、ご主人に抱きしめられるだけじゃなくて、わたしからご主人を抱きしめたかった。
わたしは元々はぬいぐるみです。
こうしてハグをすることでしか、ご主人様を励ませないから。
泣いているご主人を、辛い顔をしているご主人を、ギュってしたかったんです。
もう大丈夫ですよ、嫌なことぜーんぶ忘れさせてあげますって言いたかった。
ここなら、ずっとご主人様を癒してあげられます。
だから…ね?もう、いいんですよ。
ご主人様は十分頑張りました。
今度は頑張った分お休みする番です。
頭もいっぱい撫でてあげますね。

(頭を撫でる)

よしよし…今はいっぱい泣いてください。
疲れたら寝ちゃってもいいですからね。
安心できるようにもっともっとギュッてしてあげます。
なでなで…よしよし…ギュッ…
もっとリラックス出来るように体の力を抜いてみましょうか。
わたしの声だけを聞いて、体をゆだねて下さい。
そう…上手です…上手くできたらもっともっと抱きしめてあげますからね。
手も…足も…肩も…背中も…全身の力を抜いて…
ダラーん…ダラーん…力が抜けていきます。
わたしの声を聞くたびに力がどんどん入らなくなっていきます。
もう一人ではなんにも出来ないほどに、体はフニャフニャです。
ユラユラ…ユラユラ…だんだんまぶたも重くなっていきます…
そのままゆっくり目を綴じて…わたしの声とご主人様の呼吸音だけしか聞こえなくなっていきます。
肌に感じるのはわたしとご主人様のぬくもりだけ。
あったかいですね。心地いいですね。
…ずっとこのままでいたいですよね。
優しさとぬくもりに満ち溢れたこの世界で、永遠に過ごしていたいですよね。
だから、辛い事しかない外の世界のことなんか早く忘れちゃいましょうね。
全部全部忘れて…わたしだけを抱きしめていてください。

息を吸って…吐いて…(何度か繰り返す)

さぁ、お休みしましょう。
たくさん眠って、外の世界とバイバイしましょう。
起きたらまた、ドロドロになるまで甘やかしてあげますからね。
わたしと幸せな事だけしか考えられない様にしてあげますからね。

ずっとずっと一緒ですよ。ご主人様。(小声で)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
お気に入りのぬいぐるみはあなたをずっと抱きしめていたいようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ
ライター情報
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