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【倒錯型ヤンデレ】狩人になった赤ずきんにペットにされる
  • ファンタジー
  • 少女
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2289文字(約 7分38秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
森で途方に暮れていた主人公を家に泊めてくれたのは
人々から「赤ずきん」と呼ばれる孤独な狩人....
主人公は人狼で、人に戻るのと同時に記憶を失うという設定です。
本編
(森の中)

どうしたの?こんなところで
目が覚めたらこの森にいたの?
そう
この森はね、夜になると狼が出て危険だから
ここにいたらだめ
私と一緒に来て
こっちよ

....
ここが私の家
今夜はここに泊って行って
朝になるまで外には出ないでね

....
食事できたけど
どうしたの?
これ食べないの?
口に合わなかった?
ごめんね 粗末なものしかなくて
いいのよ 気にしないで

じゃあこれだけでも飲んで
飲み物くらい飲まなきゃ

あたし?
あたしは狩人
みんなはあたしを赤ずきんって呼んでる

良くは思われてないわ

「一人ぼっちの赤ずきん」って
「狼殺しの赤ずきん」って呼ばれてる

狩人になったのは
ずっと昔
私がまだ小さかったころ
病気のおばあさんの見舞いに行こうとしていたの

その途中で親切そうに声をかけてきた男がいた
私は疑うことを知らずに、いろいろなことを話してしまったの
自分のことや、おばあさんの家のことも全部....

ところがそいつ、狼だったのよね
そう、人狼だった
その後は悲惨だった
おばあさんも私も襲われて

私は
私は....

いいの、なんでもない
そのあと親切な人に助けられて
私は何とか生き延びたけど
おばあさんは助からなかった

私もその時ひどい怪我をして
毎日寝ていることしかできなくて
いろんなことを考えた

それで身体がよくなってから、地元の狩人に弟子入りしたの
いろいろなことを教えてもらった

何年か後に復讐したわ
おばあさんを食べた人狼を捕まえて殺したの

でも過去の傷はそう簡単に消せなくて
私は誰も信じられなくなって
ずっと森の奥で一人で生きてきたの

今は、怖くないわ 狼なんて
もちろん侮ってはいけないけど
やつらの習性を理解して立ち回れば
そんなに恐ろしい生き物じゃない
結局人間のほうが賢いのよ

本当に恐ろしいのは人狼よ
やつらは人に変身できる
人間たちに紛れて身を隠してる
もちろん頭もいいわ
半分人だからね

思い出話はこのへんでいいでしょ
そろそろ休みましょう
道に迷って疲れたでしょう

いいの、遠慮しないで
このベッドを使って
私はソファで寝るから

お礼なんていいのよ....

(数時間後)

....
暴れても無駄よ
やっぱり あんたは人狼だった
自分で気づいてなかったんでしょう

そうよね 時々いるのよ
人の姿に戻るのと同時に
狼に変身していた時の記憶をすべて失ってしまう人
あんたもそうなのね
いいわよ、その方が楽しめるから

飲み物に睡眠薬を入れたの
人狼のあんたにはあまり効かなかったみたいだけどね
人間なら朝まで起きない量なのに
今日は満月だから....

でもおかげで気付かれずにあんたを鎖で繋いだ
ほら、逃げられないよ
これ銀の鎖なの

さあ、どうしてやろうかしら

ええ、おまえに女物の服を着せたのはあたし
だって好きなのよ
そうやってむりやり可愛らしい服を着てベッドにいるお前を見るとぞくぞくする

おかしい?あたしが?
そうかもしれない
でもね 誰のせいでこんなふうになったと思う?

今でも覚えてる
忘れられるわけないじゃない
狼に襲われて身体を引き裂かれたあの日のこと

何度も何度も夢で見たわ
何年も町の治療師のもとに通ったものだった
でも誰も私を治せなかった

それから気づいたの
私を癒せるのは人じゃない この森なのよ
ここでこうして
ひとりきりで狩りをしている時だけ私は幸せなの

なんて硬いの....
人間だった時のあんたは、あんなにか弱くて頼りなかったのに

可愛がってあげる
前から欲しかったのよ
こんなペットが

なぜ?なぜって、そうよ私は....
おまえたち人狼を憎んでいたわ
幼かった私をだまし
大好きだったおばあさんを殺して
私を傷つけた

見て、この傷跡
ひどいでしょう?

わかってる
おまえはあの時私たちを襲った人狼とは違う

そんなことわかってる
でもこの興奮を止められないのよ

言ったでしょう私は復讐を遂げたって
ただね、敵を倒すには情報が必要だった....
私はおまえたち人狼という種族について
誰よりも深く知らなければならなかった

そうすると見えてきてしまうのよ
おまえたちのかかえる飢えも矛盾も、苦悩も

わかってくるの いろいろなことが
あの日なぜ私や祖母を襲わなければならなかったか
なぜあんなふうに私をだましたのか

おまえたちは人にも獣にもなりきれない中途半端な存在
この世のどこにも居場所はない

同情さえしているわ
そうよ、もう恐れてなんかいない
恐れるには知りすぎてしまったの
憎み続けるには知りすぎてしまったのよ

だからって許すつもりもないけどね

今でも覚えてる
血まみれで私の前に立ちはだかったあのケダモノの姿を
なのになんでかしら、私
それを思い出すとね 興奮してしまうのよ

今は、そう 今では
好きと言っていいかもしれない
そうよ、好きなのよ
あんたみたいなケダモノが

でもね、私はもう子供じゃない
あの時は逆らうことすらできなかった人狼を
こうして支配できるの
そのことにたまらなく興奮するのよね

ねえ、神様はこんな私を許してくださるかしら
それとも、おまえたちと一緒に地獄に落ちるのかしらね

それでもいい
私はおまえが欲しいの

おまえを自分のものにして
好きなようにもてあそびたいの

ああ、いいわ
いいわね、この毛皮の手触り
たまらない

ああ、狼さん、狼さん
おまえの目が好きよ
獰猛だけど美しい
おまえの尖った耳が好き
私の声に反応して動いてる

おまえの口が好き 牙が好き その赤くて長い舌が好き

もっとあたしを見て
もっとあたしの声を聴いて

あの言葉を言って ほら
「この腕はおまえを抱きしめるためにあるんだ」って
「この口はおまえを食べるためだ」って....

そうよ もしおまえがその鎖から逃げられるなら
最後にはあたしを引き裂いて食べてもいいから

ああ、いい すごくいいわ
大丈夫 すぐに殺したりしない
おまえはやっと手に入れたペットだもの

ずっとかわいがってあげる
だから 一緒に堕ちて
おまえは 永遠に私のものよ....
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【倒錯型ヤンデレ】狩人になった赤ずきんにペットにされる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
クリスらびっと
ライター情報
 クリスはYouTubeで怪談朗読から出発した個人勢です。
 自キャラのボイスを投稿したのをきっかけにシチュエーション台本も書くようになりました。
 これは音読のしやすさやおもしろさ、演じてみたいシーンや伝えたいことなどを書いた
 読み手の私にとっての理想の台本です。あまり再生されない時もあればロングヒットも誕生しました。他の方が読んでくださっているのを聴くのも楽しいです。
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