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俺に対してだけめちゃくちゃ辛辣な幼馴染が恋をした
written by 松平蒼太郎
  • からかい
  • 告白
  • 学校/学園
  • 罵倒
  • 片思い
  • 同級生
  • 幼なじみ
  • ボクっ娘
  • 毒舌
公開日2021年12月12日 19:02 更新日2021年12月12日 19:02
文字数
2688文字(約 8分58秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幼馴染
視聴者役柄
幼馴染
場所
学校/通学路
本編
おはよう。今日は珍しく一人で起きれたみたいだね。

うん、珍しいよ。

これはもしかしたら天変地異の前触れかもしれないね。

失礼な奴だなって…

普段の自分の言動を思い返してみたら?

そっか、君は過去を振り返らない主義なんだ。

じゃあ、おばさんからもらった、君が昔おねしょした写真を友達に公開しよう。

お昼の退屈な時間の、ちょうどいい暇つぶしになりそうだ。

なんでダメなの?

過去を振り返らない主義なら、気にすることないじゃないか。

前言を撤回する、か。

ずいぶん早い手のひら返しだね。

それでも君は男かな?

ふふ…自分の名誉のためなら、恥も外聞も即座に捨て去る君の姿勢、嫌いじゃないよ。

とりあえず、くだらない寸劇はここまでにして早く学校に行こう。

遅れると優等生の名が廃るからね。君は別だけど。

ははっ、何を言ってるの?

君が優等生?寝言は寝て言うものだよ。

遅刻常習犯で、テストも毎回赤点ギリギリであっぷあっぷしてる人を優等生とは言わないよ。

一度、優等生という言葉を辞書で調べてみたら?

辞書がないなら、貸してあげるよ。

はい、ポケット辞書。まずは「ゆ」のページを開いて…

いや、馬鹿にはしてないよ。

ただ君のレベルに合わせて喋ってるだけ。

君とは昔からの仲だからね。

君の知的水準がどれくらいかは大体把握してるから、安心してほしい。

っと、君と長話をしていると本当に遅刻してしまう。

ちょっと走るよ。

ついてこいとは言わないけど、君もせっかく早起きしたんなら、遅刻しないようにね。



どうかした?

嫌いなカボチャを食べた後のような顔してるけど?

なんだ、そのことか。

いいじゃないか、女子からの注目度が上がったんだし。

前からモテたいって恥ずかしげもなくほざいてたから、君にとっては結果オーライだろう?

ははっ、そうだね。

君の昔のおねしょ写真見せたら、みんなキャーキャー騒いでたもんね。

え?僕は君のモテたい願望を叶えてあげただけだよ。

感謝されることこそあれど、怒られることはないと思うな。

ふふっ、悔しかったら僕の弱みの一つでも握ってみるといい。

まぁ君の前で隙を見せるつもりはないけど。

ん?君、呼ばれてるよ。行ってあげたら?

ははっ、まさか。

たしかに女子だけど、君に限って告白されるなんて有り得ない。

え?僕も?

お互いお呼ばれみたいだし、一旦ここでお開きとしようか。

うん、帰りはいつもの正門前で。それじゃ。



やぁ、ずいぶん待たせてくれたね。遅いよ。

どうかした?

今度は鬼の数学教師に怒られて、へこんだ後のような顔してるけど。

え?お前こそ苦手なピーマンを目の前に出されたような顔をしてるぞって…

…気は進まないけど、お互い何があったのか、せーので同時に言ってみる?

うん、それじゃいくよ…せーの。

「校舎裏に呼ばれて告白された」。

うん、最悪だね。ゲロ吐きそうだよ。

君も?こんな形で同じ気持ちを共有したくなかったね。

百歩、いや一万歩譲って告白されるのはいいとしよう。

でもよりによって、なんで君とまったく同じタイミングで告白されなきゃいけないのか…理解に苦しむよ。

それで?君は告白を受けたの?

いや、その流れはもういい。

結果は分かりきってるから。

そっか、断ったんだ。僕もだけど。

断った理由を君に話す必要、ある?

単純に気になるって…僕は気にならないけど。

はぁ…じゃあこれで貸し一(いち)ということにしてあげる。

やっぱなしは認めないよ。

で、断った理由だけど…

相手に興味なかった。それだけ。

ひどい奴だなって…君もどうせ似たような理由だろう?

僕より遅れてきたのだって、泣かした女の子を泣き止ませるのに時間がかかったからでしょ?

その女の子的には、泣かした元凶に慰められてもって感じだと思うけど。

分かるよ。君とは腐れ縁だからね。不本意なことに。

ん?告白を断った理由に関しては違うって…じゃあ何?

…要らない気を使うんだね、君は。

その子を好きな男が他にいるのを知ってたからだ、なんて。

知ってる?そういうのを余計なお世話っていうんだよ。

ふーん…ま、君らしいといえば君らしいけど。

こんなところで立ち話もなんだし、帰ろうか。



ん?何?ずいぶん真剣な表情だけど。

悪いけど、告白なら受けないよ。

たとえ君相手でも。

そうじゃない?じゃあ何?

…ぷっ、くくく……あははははははっ!

ははは…し、真剣な顔で何言い出すのかと思えば…!

他に好きな人がいる⁉︎この僕に⁉︎はははっ!

あー、苦しい……

君はたまに、僕の予想の斜め上を突いてくるね。

ふふふ…だから君とは縁を切ろうって気になれない。

うん、君は存在自体が面白いから。

そこだけは堂々と胸を張って、誇っていいと思うよ。

で、僕の好きな人の話だっけ?

…まぁいると言えばいる、ね。

嫌だね。君には教えない。

教えて欲しいなら、それ相応の対価を払ってもらわないと。

いや、それくらい自分で考えなよ。

対価の払い方を教えたら、答えを教えたも同然じゃないか。

うん…まぁヒントくらいはあげてもいいかな。

その人は端的に言うとバカ。

成績は赤点常連だし、学校にはよく遅刻するし、要らない物を持ってきては風紀委員に捕まるし…

けど真っ直ぐな性格なんだ。

義理堅いし、お人好しだし……

何より一生懸命なんだ。

なんていうか、生きてることそのものに。

そのせいかな…あぁ見えて意外と女の子の隠れファンが多かったりする。

そう、大変なんだ。ライバルが多くてね。

どう攻略したものか、毎日悩んでるよ。

まずはその性悪な性格を直すところから?

失礼な。僕のどこが性悪なのか、140字以内で言ってよ。

たしかにTwitterの限界文字数だけど、今はそのツッコミはいいから。

…そっか。まぁそうだよね。

アドバイス、ありがとう。

さっきの貸し一(いち)は今ので帳消しにしてあげる。

さっき君が言ったそういう可愛げ(?)がないところは、おいおい直していくとするよ。

…っ!ま、まぁそうだね…うん…

君は僕の恋が実るように、せいぜい応援してるといい。

僕がやるときはやるってことは、君も知っているだろう?

だから…(咳払い)

僕はずっと前から君のことが好きでした。

どうか僕と、付き合ってください。

…ふふっ、その顔は今の告白で合格ってことだね。

練習に付き合ってくれてありがとう。

これなら本番でもきっと大丈夫だ。

…やれやれ、ここまで鈍いと一周回って可愛いな。

いいや、こっちの話だから気にしないで。

さ、帰ろう。宿題もやらなくちゃいけないしね。

(耳ふー)

いきなり何すんだって…別に?

ちょっとからかいたくなっただけ。

期待通りの反応をしてくれて嬉しいよ。

大丈夫。自分の恋くらい、ちゃんと叶えてみせるから。

脈ありだってわかったしね。

…そうだね。君にはちゃんと応援してもらわないと。

僕のこと、これからもよろしく頼むよ。

一応、君のこと期待してるからね。ふふっ♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
俺に対してだけめちゃくちゃ辛辣な幼馴染が恋をした
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
 pixivにてフリー台本を投稿しています。
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