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転校生isヤンデレストーカー
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 転校生
  • ストーカー
公開日2021年12月24日 20:58 更新日2021年12月24日 20:58
文字数
2462文字(約 8分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
転校生
視聴者役柄
ただの生徒
場所
帰り道
あらすじ
ふとしたきっかけで帰り道を共にすることになったその道中。
転校生の彼女はあなたのストーカーで……
本編
あ、あのー……いきなり、ごめんね?
これから、時間ある?

あ、よければ一緒に帰ってくれないかなってだけなの。
こっちに来たばかりで街のこと、ぜんぜんわかってないから、教えて欲しいんだ。

何で僕なのかって、先生が言うには家が近いんだって。
いくらそうだとしても転校生の初日に異性を薦めてくるなんて、私だって変に感じたけど、他に誰にも教えてくれなかったんだもん。

話しかけづらくて緊張したけど、話してみると君ってなんだか優しそうだね。
私、君のこと気に入っちゃったかも。
あれ、なんか偉そうな言い方になったかな。

それで、迷惑だったら断ってくれてもいいんだけど、今日これから、いい?

ありがとう。
それじゃ、何かの縁ってことでいっぱいお話しさせてほしいな。

君って、生まれた時からここに住んでるの?
そっか。いいな、そういうの。

どうしてって?
転校したことのない人って、たまに転校を羨んだりするけれど、慣れた環境で過ごせるって結構いいことだと思うの。

引っ越しちゃうと、それまでの友人関係だってリセットされるでしょ?
学校ごとにルールとか環境は全く違って慣れようとするにも疲れるの。

それに、違う家っていうのも変な感じだし、元の家からは駅とか、あの店が近かったのに、みたいに思うこともあったりして不便に感じたり、そもそも荷造りと荷解きは面倒だし。
あんまり引っ越しと転校にいいイメージってないんだ。

あと、私の故郷はどこなんだろうって疑問に思ってるの。
私、親が転勤の多い仕事でね、だいたい、3年以上住んでいた街っていうのがなくて。

住んでいた場所のご当地みたいな話題って、うっすらはわかるけど、君みたいに生まれてからここに住んでるって人と比べたら、知らないみたいなものだからついていけないの。

大人になったらさ、同郷って言葉で結びついたりすることもあるでしょ?
でも、私にはそれがないような気がして、なんとなく虚しいかも。

一番住んでたのが長い場所?
うーん、ここ、かな。

実はね、一度ここに暮らしてた時期もあって、住むのは二度目なんだよね。
と言っても、私の記憶があやふやなくらい小さな時のことだから、実感はないんだけど。
それをカウントしないとしても、これからはまた親が転勤ってなったとしたら一人暮らしだって視野に入る歳だから、ここに留まりそうな気がするんだ。

だから、友人関係はしっかり築いていかないとね。
うん、まずは君かな。
この街に慣れないからって言っていくらでも会う口実作れそうだし。
ってことで、君にはいっぱい頼ると思うからよろしくね。

この辺でお別れかな?
君、そっちの道だったよね?

じゃあね……ってどうしたの?
何で知ってるのか?

だって、私が君の家も知らないなんてことありえないでしょ?

私、君のことなら何でも知ってるんだ。
家族のことも、勉強のことも、将来の夢も、好きな女の子も。

怖いって……当たり前でしょ?
気になることは何だって自分で確かめないと。

私、君のことを知るために君の後をつけて何もかもを調べたの。
もしかしたら君が自覚してないことも知ってて、私の方が君以上に君のことに詳しいかもってぐらい。

だから、君の家くらい当たり前に知ってるんだ。
それに、君の部屋の位置も、部屋の中の物の配置も。
お気に入りの本の隠し場所も。
親にバレてなくても私は知ってるからね。ふふっ。

それで、君は今、どうして会ってすらなかった僕にここまで執着しているのかって不思議そうな顔をしてるね。

でもね、私と君ははじめましてじゃないんだよ?
名前を聞いてもピンと来てなかったみたいだから、思い出させようとしても無駄かもしれないけど。

さっき言ったでしょ?
私がここに住むのは初めてじゃないって。
大体の記憶はあやふやなんだけど、ひとつ、優しい男の子との記憶だけは鮮明で、引っ越しても、度々夢に出て、まだその男の子の笑ってる顔が思い出せるの。

ここまで言えばわかるでしょ?
そう、君のこと。
あの時の記憶を頼りに家の前で待ってたら、君が出てきて、雰囲気だけで懐かしい記憶が呼び覚まされたから間違いないよ。

(囁き)私の運命の人は、君で間違いないの。

そんな君を逃すわけにはいかないでしょ?
ただでさえ一緒にいられたかもしれない長い時間が抜け落ちちゃってるんだから、他の人に靡いてたりするかもしれないって確かめないといけなかったし、私にとっては一刻を争う問題だったのよ。

ただ、たとえ君が私を忘れていようとも、今から私を好きになってもらえばいいだけ。
思い出してもらう必要はないよね。

愛してほしいのは今の私、愛したいのは今の君。
きっかけがなければこの気持ちは始まらなかったかもしれないけれど、今の君も愛したくなるほどとっても素敵な人だから、こんなにも私は君を欲しているんだもん。

もう、追いかけることなんてしないよ。
抱いて、抱き締めて、離さないから。

ふふっ、何で私が家を知ってるかなんて、気にしなければよかったのにね。
それとも、こんなことになることを期待してた?
そっか、私たちはここで結ばれることが決まってたのかな。

運命の二人は身体も心も離れていても、こうやって必ず通じ合える時が来るってことなんだね?

……違う?
何が違うって?

僕たちは運命の二人なんかじゃない?
ってことは、運命に導かれなくても私たちの心は惹かれ合えてるんだ。
そんなに強い繋がりだったんだね。

ふーん、君は頑なに否定したがるんだ。
でも、私からこの気持ちを注ぎ込めば否定のしようがなくなっちゃうよね。

そうそう、私、嘘ついてた。
君のこと、何でも知ってるって言ったけど、見てるだけじゃわかり得ない大切なことがあること、忘れてたの。

(囁き)だから、教えてくれる?

確か、この近くに誰も来ない公園の公衆トイレがあったっけ……
覚えてるよ?
公園は二人の遊び場所だったから。

ああ、嬉しいね。
また私たちは二人でいろんなことが出来るんだよ。

(囁き)今度は、子供の遊びじゃなくて、大人の遊びでね。

ふふっ、こういう言い方に弱いのかな?

じゃあ、今度こそ忘れられないように、君と私がお互いを理解し合う強烈なひとときを作ろっか。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
転校生isヤンデレストーカー
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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