レーヴァテイン、参上…

そう。試合、いよいよなんだ…

…緊張してる？

そう…たしかに今の貴方は楽しそう…

あれが貴方の対戦相手…

神々の力を扱える人間、か…

つまり、わたしの宿敵ってわけだ。

そう。わたし、元は世界を焼き尽くすために生まれた存在だから…

世界を創造する神々とは対極の存在。

…戦いたい。

あの彼を、この会場にいる神々もすべて焼き尽くしたい…！

それはダメ？なんで？

そう…天界と地上が和解するための親善試合…

…どうしてそんなのに応じる気になったの？

昔の貴方なら絶対に妥協しなかったはず…

そういうこと…わかった。

(押し倒す)

なら、貴方の身体をもらう。

そしてもう一度最終戦争(ラグナロク)を引き起こして、全てを滅ぼす。

…抵抗しないで。悪いのは貴方。

貴方は変わった。多分、人としては良い方向に。

けど、わたしにとっては良くない。

わたしは昔の貴方の方が好きだった。

道具を道具と割り切って使ってる強い貴方が…

でも今の貴方は、わたしたち道具を人としても見てる。

ううん、良い悪いの問題じゃない。

わたしの好き嫌いの問題。

だから今度はわたしが、貴方を道具として使ってあげる。

わたしの大好きだった、あの頃の貴方に戻ってもらうために。



(荒い息)

…あの男、強い。流石に神の力を使えるだけある…

…ッ、それはダメ。身体の主導権は返さない。

貴方はわたしに黙って使われていればいい。

…ッ、たしかに貴方の身体を使うのは初めてだし、勝手もあまりよくわかってないけど…

…勝ちたい。

貴方の剣(つるぎ)として戦う以上、負けるわけにはいかない…！

…わかった。そこまで言うなら身体は貴方に返す。

別に…今の貴方を信じてみようと思った。それだけ。

うん…勝とう。わたしと貴方、二人の力で。



…ごめん。わたしのせいで…

ううん、貴方はよく頑張った。

もう少しで押し切れそうだったのに、わたしの力が足りなかったせいで負けた。

それは…たしかに相手も強かったけど…

(頭を撫でられる)

あっ…えっと、その…ありが、とう…

うん…貴方の力になれるよう、もっと頑張って強くなる。

次は勝とう。絶対に。

そこで相談なんだけど…

わたしと結婚しよう。

ううん、急な話じゃない。

結婚の意味、分かってるでしょ？

そう。貴方がわたしを生涯の伴侶と認めたら、わたしは全ての力を貴方に預ける。

そうすれば、わたしは自分の力を100%発揮できる。

今日、貴方を負かしたあの男にも勝つことができる。

約束する。

わたしは全てを焼き尽くす魔剣じゃなくて、貴方に勝利をもたらす剣(つるぎ)となることを。

だからわたしのお嫁さんになって。お願い。

…？お嫁さんだよ？

だってわたしが剣(つるぎ)として貴方の力になるんだから、わたしの方が婿でしょ？

大事なのは性別じゃなくて、自分の果たす役割。

そう。だから早く一体化しよう。

ダメ。待たない。

やると決めた行動は早い方がいい。

貴方もさっさと決断して。

わたしのお嫁さんになることを。

まだ迷ってるならわたしがその迷い、焼き払ってあげるから。

わたしは今の貴方のことも好きになった。

だから早く貴方もわたしを受け入れて。

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな魔剣に愛され過ぎて道具をただの道具としてみられない〜元カノ・レーヴァテイン編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎