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- 喜劇
公開日2022年02月12日 01:08
更新日2022年02月12日 15:41
文字数
1806文字(約 6分2秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
メイド
視聴者役柄
若い伯爵の男
場所
王都にある城
本編
(某国、王城内にて)
SE:重い扉が開く音
ふふふ...どうやら、全員お集まりになられているようですね。
...あら?
どういたしましたか、ご主人様?
そんなに、ご立腹なされて...。
...これはどういうことなのか、説明しろ、でございますか...。
ふふっ...分かりました。
では、僭越ながら、この私 が、全てお話いたします。
ご主人様と私...そして、ここにおられる皆様によって演じられた、戯曲の筋書きについて...。
...この物語は、今は亡き伯爵様の愛人...つまり、ご主人様の義理のお母様が、私を拾ったことから始まります。
私の父は、町で暮らす貧しい医者で、本来、貴族と関わるような身分ではございませんでした。
しかし、その父から受け継いだ医術を評価した奥方様によって、私は、メイドとして、召し抱えられることになります。
これをきっかけにして、私は、ご主人様に仕えるようになり...。
そして、いつしか、ご主人様に想いを寄せるようになりました。
...ですが、私は所詮、平民の出...。
そんな私が、伯爵の地位を受け継いだご主人様と結ばれることなど、到底許されるはずがありません...。
故に、私は、ご主人様に、想いを告げることができずにいました...。
しかし、そんな私を見かねた奥方様は、ある提案を持ちかけます。
それは、愛人であるがために相続できなかった遺産を分けてもらう代わりに、私とご主人様との結婚を支援するというものでした。
私にとっては、お金など些細なものでしたから、すぐに快諾しました。
すると、奥方様は、病を抱えていた国王陛下に対して、私を推薦し...。
また、その治療の報酬として、結婚を認めてもらうよう頼めばよいと、助言いたしました。
そこで、私は、その言葉通りに計画を実行し...。
結果、ご主人様との結婚を、国王様にも公認していただくことになります。
ですが、ご主人様は、渋々と受け入れたものの、同時期に発生した戦への出陣を理由に、私を、領地に帰しました。
そして、陣中から送った手紙に、こう書き記したのです。
『自分の指輪を手に入れた上で、子供を身籠れば、妻として認める』、と...。
この無理難題を前に、私は、再び挫折しかけましたが、またしても、救いの手が差し伸べられます。
それは、ご主人様と肩を並べて戦っていた、公爵様でした。
公爵様は、次々と戦果を挙げるご主人様を、大変妬んでおりました。
そこで、ご主人様の評判を落とすことを目的にして、ある一計を案じられました。
まず、私が一度身を引いたと見せかけ、その間に公爵様が、名家のご令嬢を紹介いたします。
次に、ご令嬢から、一夜を共にする条件として、ご主人様の指輪を要求していると、公爵様がお伝えし...。
そして、当日、初対面のご令嬢を偽る形で、私が指輪を受け取り、懐妊を狙うというものです。
この作戦が成功すれば、ご主人様は、公爵様からの縁談を破った不義理者として扱われ...。
しかも、一旦断った庶民出身のメイドに、手を出して妊娠させた挙げ句、結婚した伯爵という悪評が広まるわけです。
勿論、途中で正体が露見する可能性が常に付きまとう、危険な計画ではありました。
しかし、変装と闇夜を利用することで、なんとか無事に成功することができました。
そして、今日、国王様に、戦功の表彰と題して、ご主人様を召致していただいたというわけなんです。
今まで、私に協力してくださった方々と、共に...。
ふふふ...どうでしたか?
私が執筆した、戯曲の出来映えは...。
一人の少女が、周囲の手助けを得ながら、身分の差を越えて、想い人と結ばれる...なんて...。
まさに、理想の恋愛物語 だと、思いませんか?
それに...ふふっ、ご覧ください、ご主人様...。
ここに集った方達の、満面の笑みを...。
どなたも、私とご主人様の結婚を、大いに歓迎していらっしゃるんですよ?
だから、後は、ご主人様がお認めになるだけで、この作品は『喜劇』として、幕を下ろすというわけなんです...ふふふ...。
SE:衣服が擦れる音
#左耳 or 右耳、至近距離に移動
#囁き、有無を言わせぬ笑顔で
さて...どういたしますか、ご主人様...。
これでも、まだ、お認めになられないのですか...?
それとも...。
...ふっ、ふふふ...。
その言葉を、ずっと、待っておりました...。
SE:衣服が擦れる音
#正面、通常距離に戻る
#屈託のない笑顔で
たった今、ご主人様が、私との結婚をお認めになられました。
これもひとえに、皆様のおかげです。
本当に、ありがとうございました。
ふふっ...それでは、陛下...。
締めくくりの一言を、お願いいたします。
そう...『終わりよければ全てよし』、と...。
ふふ、ふふふっ...ふふふふ...!
SE:重い扉が開く音
ふふふ...どうやら、全員お集まりになられているようですね。
...あら?
どういたしましたか、ご主人様?
そんなに、ご立腹なされて...。
...これはどういうことなのか、説明しろ、でございますか...。
ふふっ...分かりました。
では、僭越ながら、この
ご主人様と私...そして、ここにおられる皆様によって演じられた、戯曲の筋書きについて...。
...この物語は、今は亡き伯爵様の愛人...つまり、ご主人様の義理のお母様が、私を拾ったことから始まります。
私の父は、町で暮らす貧しい医者で、本来、貴族と関わるような身分ではございませんでした。
しかし、その父から受け継いだ医術を評価した奥方様によって、私は、メイドとして、召し抱えられることになります。
これをきっかけにして、私は、ご主人様に仕えるようになり...。
そして、いつしか、ご主人様に想いを寄せるようになりました。
...ですが、私は所詮、平民の出...。
そんな私が、伯爵の地位を受け継いだご主人様と結ばれることなど、到底許されるはずがありません...。
故に、私は、ご主人様に、想いを告げることができずにいました...。
しかし、そんな私を見かねた奥方様は、ある提案を持ちかけます。
それは、愛人であるがために相続できなかった遺産を分けてもらう代わりに、私とご主人様との結婚を支援するというものでした。
私にとっては、お金など些細なものでしたから、すぐに快諾しました。
すると、奥方様は、病を抱えていた国王陛下に対して、私を推薦し...。
また、その治療の報酬として、結婚を認めてもらうよう頼めばよいと、助言いたしました。
そこで、私は、その言葉通りに計画を実行し...。
結果、ご主人様との結婚を、国王様にも公認していただくことになります。
ですが、ご主人様は、渋々と受け入れたものの、同時期に発生した戦への出陣を理由に、私を、領地に帰しました。
そして、陣中から送った手紙に、こう書き記したのです。
『自分の指輪を手に入れた上で、子供を身籠れば、妻として認める』、と...。
この無理難題を前に、私は、再び挫折しかけましたが、またしても、救いの手が差し伸べられます。
それは、ご主人様と肩を並べて戦っていた、公爵様でした。
公爵様は、次々と戦果を挙げるご主人様を、大変妬んでおりました。
そこで、ご主人様の評判を落とすことを目的にして、ある一計を案じられました。
まず、私が一度身を引いたと見せかけ、その間に公爵様が、名家のご令嬢を紹介いたします。
次に、ご令嬢から、一夜を共にする条件として、ご主人様の指輪を要求していると、公爵様がお伝えし...。
そして、当日、初対面のご令嬢を偽る形で、私が指輪を受け取り、懐妊を狙うというものです。
この作戦が成功すれば、ご主人様は、公爵様からの縁談を破った不義理者として扱われ...。
しかも、一旦断った庶民出身のメイドに、手を出して妊娠させた挙げ句、結婚した伯爵という悪評が広まるわけです。
勿論、途中で正体が露見する可能性が常に付きまとう、危険な計画ではありました。
しかし、変装と闇夜を利用することで、なんとか無事に成功することができました。
そして、今日、国王様に、戦功の表彰と題して、ご主人様を召致していただいたというわけなんです。
今まで、私に協力してくださった方々と、共に...。
ふふふ...どうでしたか?
私が執筆した、戯曲の出来映えは...。
一人の少女が、周囲の手助けを得ながら、身分の差を越えて、想い人と結ばれる...なんて...。
まさに、理想の
それに...ふふっ、ご覧ください、ご主人様...。
ここに集った方達の、満面の笑みを...。
どなたも、私とご主人様の結婚を、大いに歓迎していらっしゃるんですよ?
だから、後は、ご主人様がお認めになるだけで、この作品は『喜劇』として、幕を下ろすというわけなんです...ふふふ...。
SE:衣服が擦れる音
#左耳 or 右耳、至近距離に移動
#囁き、有無を言わせぬ笑顔で
さて...どういたしますか、ご主人様...。
これでも、まだ、お認めになられないのですか...?
それとも...。
...ふっ、ふふふ...。
その言葉を、ずっと、待っておりました...。
SE:衣服が擦れる音
#正面、通常距離に戻る
#屈託のない笑顔で
たった今、ご主人様が、私との結婚をお認めになられました。
これもひとえに、皆様のおかげです。
本当に、ありがとうございました。
ふふっ...それでは、陛下...。
締めくくりの一言を、お願いいたします。
そう...『終わりよければ全てよし』、と...。
ふふ、ふふふっ...ふふふふ...!
クレジット
ライター情報
初めまして。
平朝臣と申します。
ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
平朝臣と申します。
ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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