- 人狼
- 女騎士
- 片思い
公開日2022年02月21日 18:35
更新日2022年02月21日 18:35
文字数
2503文字(約 8分21秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
騎士
視聴者役柄
占い師
場所
村の占い師の家
あらすじ
穏やかだったはずが、人狼の出現によって一変してしまったこの村に恐ろしい夜が訪れた。
今夜、占い師であるあなたを守るために女騎士はあなたの家を訪れる。
そんな一夜の物語。
今夜、占い師であるあなたを守るために女騎士はあなたの家を訪れる。
そんな一夜の物語。
本編
(ドアノック音)
私よ。
開けてくれる?
安心して、他には誰もいないわ。
そうね、早くしないといつ人狼が来るかわからないから、早めに開けてくれると助かるわ。
……あなたがね。
(ドア開ける)
ふう、こんな夜遅く、申し訳ないわ。
と言っても、他でもないあなたのためなのだけれど。
ええ、つまるところ、今夜人狼が襲撃に現れるとすれば君のところなんじゃないかって思ってね。
怖がることはないわ。
だって、ここには私がいるじゃない?
あいつら、丸腰の人間には容赦ないかもしれないけど、いざ武器を目にするとそれだけですぐ逃げるんだから。
はぁ、昼間の訓練も何のためなんだか……
そりゃ、騎士のプライドとして対象を守れないなんて事態よりかは遥かにマシだけど、なんか腕が鈍るわ。
この戦いどころか対立も何にもない平和な村で騎士が役に立てる初めての機会なのは確かだから、実戦慣れしてないのはちょっと不安要素だけど、昼間の会議で冤罪掛けられる方が遥かに怖いわね。
というか今日、ほんっとうに危なかったし。
ええ、そのことについては感謝してるわ。
君がいなかったら今頃は恨みを残してあの世だろうから。
君が信頼ある占い師で、私を守ってくれなければ、守るべき村人たちに反対に殺されることになっていただなんて、まだ心臓が痛いくらいだよ。
……まだ、生きた心地がしないわ。
はあ、中世の魔女狩りじゃないんだから、こんなことして仲間殺したらどうするつもりなんだか……
というか、人狼は二人というのは数々の村人の目撃証言から確実なこと。
二度の会議が開かれて今夜も狼の遠吠えが聞こえるということは、少なくとも一人はこの村に不必要に殺された人がいるって事になる。
気が滅入るわよ。
こんな疑り合戦、人付き合いの良さだけが取り柄だったようなこの村が今じゃ誰も信じられない地獄と化してるんだもの。
せいぜい、君くらいなんだよね?
誰を信じて誰を恐れるべきか、それがわかるのは。
私には占いなんてものは全く仕組みもやり方もわからないものだけど、真実を映す力があるということがどれほど今は頼れることか。
しかし、その一方で村のための頼みであるということは、人狼にとっては邪魔な存在。
狙われてしまうことばかりはどうしようもない。
だから、こうして私が君を連夜守っているわけだけど。
結局、人狼の正体がわかっていたところで、その襲撃から身を守れるわけではないから。
夜が恐るべき時間であることは他の村人と全く変わらない。
すまない。
私の力不足であるがために、この事態を終わらせることが出来ず、いたずらに夜を越すばかり……
会議にて下された間違った結論、そして昨夜の間の襲撃。
救うことの出来た命はあったはずなんだ。
私が……
私さえしっかりしていれば……
(狼の遠吠え)
そうよね、まだ、後悔を口にしている場合じゃない。
起こってしまったことは変えられないけれど、それを引きずって、歩むことの出来た最善の未来を失うことになっては後悔が大きくなるだけ……
それじゃ、人狼の思う壺ってことよね。
たとえ、どうしようもない未来が待っていたとしても、せめて、君を守ることさえできれば私は……
いや、何でもないわ。
とにかく、もうこれ以上この村の仲間を死なせるわけにはいかない。
これが、私のたった一つの原動力よ!
だから、当然君のことだって守らなきゃいけないの。
特に、占いが出来るのは君だけだから尚更。
それだけじゃなくて、あの瞬間、私を信じて救ってくれた恩、返さないといけないでしょ?
占いの結果があったからこそなのはわかってるけど、それでも、君がいてくれたからこその命だから。
そのためなら、命懸けることぐらい躊躇わないわ。
私の出来ることは全てする。
どんなことがあったとしても、君のことだけは守る。
本当はこの村の皆を守るのが私の使命だけど、君は特別だから。
こうして夜毎一人につきっきりで守るやり方しか出来ないから、私には全員を守るなんて無理なんだ。
その代わり、誰か一人だけは必ず守り抜く。
それが君だっていうこと。
だから、この悪夢のような夜が続く限りは君を一人にはさせないから。
これなら、安心して眠れるかな?
あ、そっか、君の占いって、夜の間にするんだっけ?
大変だね。
それじゃあ、この日々が終わらない限りはどっちみちぐっすりとは眠れないんだ。
なんとしてでも、終わらせないとね。
(狼の遠吠え)
まったく、何度聞いても慣れないわ。
ただ、私には怖くもないけど。
大丈夫。ここに来るかもしれないけど、君に牙を向けようものなら容赦なく仕留めてみせるから。
君は、安心して占いに集中して。
ええ、いいわ。
ふーん、占いってそんな感じなんだ?
水晶玉って占いの典型的な道具ってイメージはあるけど、そんな使い方するんだ。
へー、それで、その対象のことを覗き見る、ね……
あの、私を占った時って、何がそこに映ったの?
オーラが見えた?
あ、やっぱりそういう神秘的な感じなのね……
あんまりそういうのよくわかんないや。
でも、頑張って。
私にはそれしか言えないけど。
って、急に立ち上がって、どうしたの?
結果が出た?
人狼!?
だ、誰?
そ、そうなんだ。
ってことは、明日はその人狼を吊ればいいのね。
それで、既に一人会議で殺せていたとすれば、この事態もついに終わり……
まだ、本当にそうなるかはわからないけれど、少なくとも大きな進歩ね。
ありがとう、君のおかげだわ。
(狼の遠吠え)
ただ、まだ今夜は凌がないといけない……
ええ、でも必ず、朝は来るわ。
君が頑張ったなら、次は私の番ね。
とはいえ、出番が来ないことに越したことはないんだけれど。
いいわ、君は眠っていてくれて構わない。
大丈夫、朝になったら起こしてあげるから。
その間、私が命の限り君を人狼の魔の手から守り抜くだけよ。
そうだ、この騒ぎが終わったら、一緒に旅とか、どうかしら。
もちろん、今すぐとはいかないけれど……
ただ、約束がしたいの。
一緒にこの時を乗り越える、約束。
この怯える夜が、今夜で終われたらいいわね。
でも、その今夜に何が起こるかわからないのだから、まず、今夜を一緒に生き抜こう。
君は寝てるだけでいいように、私、ずっとここにいるから。
ええ、では、また朝。
この全てが終わるまでは、ふたり生き抜いてみせる。
約束よ。
私よ。
開けてくれる?
安心して、他には誰もいないわ。
そうね、早くしないといつ人狼が来るかわからないから、早めに開けてくれると助かるわ。
……あなたがね。
(ドア開ける)
ふう、こんな夜遅く、申し訳ないわ。
と言っても、他でもないあなたのためなのだけれど。
ええ、つまるところ、今夜人狼が襲撃に現れるとすれば君のところなんじゃないかって思ってね。
怖がることはないわ。
だって、ここには私がいるじゃない?
あいつら、丸腰の人間には容赦ないかもしれないけど、いざ武器を目にするとそれだけですぐ逃げるんだから。
はぁ、昼間の訓練も何のためなんだか……
そりゃ、騎士のプライドとして対象を守れないなんて事態よりかは遥かにマシだけど、なんか腕が鈍るわ。
この戦いどころか対立も何にもない平和な村で騎士が役に立てる初めての機会なのは確かだから、実戦慣れしてないのはちょっと不安要素だけど、昼間の会議で冤罪掛けられる方が遥かに怖いわね。
というか今日、ほんっとうに危なかったし。
ええ、そのことについては感謝してるわ。
君がいなかったら今頃は恨みを残してあの世だろうから。
君が信頼ある占い師で、私を守ってくれなければ、守るべき村人たちに反対に殺されることになっていただなんて、まだ心臓が痛いくらいだよ。
……まだ、生きた心地がしないわ。
はあ、中世の魔女狩りじゃないんだから、こんなことして仲間殺したらどうするつもりなんだか……
というか、人狼は二人というのは数々の村人の目撃証言から確実なこと。
二度の会議が開かれて今夜も狼の遠吠えが聞こえるということは、少なくとも一人はこの村に不必要に殺された人がいるって事になる。
気が滅入るわよ。
こんな疑り合戦、人付き合いの良さだけが取り柄だったようなこの村が今じゃ誰も信じられない地獄と化してるんだもの。
せいぜい、君くらいなんだよね?
誰を信じて誰を恐れるべきか、それがわかるのは。
私には占いなんてものは全く仕組みもやり方もわからないものだけど、真実を映す力があるということがどれほど今は頼れることか。
しかし、その一方で村のための頼みであるということは、人狼にとっては邪魔な存在。
狙われてしまうことばかりはどうしようもない。
だから、こうして私が君を連夜守っているわけだけど。
結局、人狼の正体がわかっていたところで、その襲撃から身を守れるわけではないから。
夜が恐るべき時間であることは他の村人と全く変わらない。
すまない。
私の力不足であるがために、この事態を終わらせることが出来ず、いたずらに夜を越すばかり……
会議にて下された間違った結論、そして昨夜の間の襲撃。
救うことの出来た命はあったはずなんだ。
私が……
私さえしっかりしていれば……
(狼の遠吠え)
そうよね、まだ、後悔を口にしている場合じゃない。
起こってしまったことは変えられないけれど、それを引きずって、歩むことの出来た最善の未来を失うことになっては後悔が大きくなるだけ……
それじゃ、人狼の思う壺ってことよね。
たとえ、どうしようもない未来が待っていたとしても、せめて、君を守ることさえできれば私は……
いや、何でもないわ。
とにかく、もうこれ以上この村の仲間を死なせるわけにはいかない。
これが、私のたった一つの原動力よ!
だから、当然君のことだって守らなきゃいけないの。
特に、占いが出来るのは君だけだから尚更。
それだけじゃなくて、あの瞬間、私を信じて救ってくれた恩、返さないといけないでしょ?
占いの結果があったからこそなのはわかってるけど、それでも、君がいてくれたからこその命だから。
そのためなら、命懸けることぐらい躊躇わないわ。
私の出来ることは全てする。
どんなことがあったとしても、君のことだけは守る。
本当はこの村の皆を守るのが私の使命だけど、君は特別だから。
こうして夜毎一人につきっきりで守るやり方しか出来ないから、私には全員を守るなんて無理なんだ。
その代わり、誰か一人だけは必ず守り抜く。
それが君だっていうこと。
だから、この悪夢のような夜が続く限りは君を一人にはさせないから。
これなら、安心して眠れるかな?
あ、そっか、君の占いって、夜の間にするんだっけ?
大変だね。
それじゃあ、この日々が終わらない限りはどっちみちぐっすりとは眠れないんだ。
なんとしてでも、終わらせないとね。
(狼の遠吠え)
まったく、何度聞いても慣れないわ。
ただ、私には怖くもないけど。
大丈夫。ここに来るかもしれないけど、君に牙を向けようものなら容赦なく仕留めてみせるから。
君は、安心して占いに集中して。
ええ、いいわ。
ふーん、占いってそんな感じなんだ?
水晶玉って占いの典型的な道具ってイメージはあるけど、そんな使い方するんだ。
へー、それで、その対象のことを覗き見る、ね……
あの、私を占った時って、何がそこに映ったの?
オーラが見えた?
あ、やっぱりそういう神秘的な感じなのね……
あんまりそういうのよくわかんないや。
でも、頑張って。
私にはそれしか言えないけど。
って、急に立ち上がって、どうしたの?
結果が出た?
人狼!?
だ、誰?
そ、そうなんだ。
ってことは、明日はその人狼を吊ればいいのね。
それで、既に一人会議で殺せていたとすれば、この事態もついに終わり……
まだ、本当にそうなるかはわからないけれど、少なくとも大きな進歩ね。
ありがとう、君のおかげだわ。
(狼の遠吠え)
ただ、まだ今夜は凌がないといけない……
ええ、でも必ず、朝は来るわ。
君が頑張ったなら、次は私の番ね。
とはいえ、出番が来ないことに越したことはないんだけれど。
いいわ、君は眠っていてくれて構わない。
大丈夫、朝になったら起こしてあげるから。
その間、私が命の限り君を人狼の魔の手から守り抜くだけよ。
そうだ、この騒ぎが終わったら、一緒に旅とか、どうかしら。
もちろん、今すぐとはいかないけれど……
ただ、約束がしたいの。
一緒にこの時を乗り越える、約束。
この怯える夜が、今夜で終われたらいいわね。
でも、その今夜に何が起こるかわからないのだから、まず、今夜を一緒に生き抜こう。
君は寝てるだけでいいように、私、ずっとここにいるから。
ええ、では、また朝。
この全てが終わるまでは、ふたり生き抜いてみせる。
約束よ。
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ライター情報
ヤンデレとか書きます。
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