よぉ、大王(だいおう)様…とその他一匹。

アタシらのアジトまでご足労様。

わざわざ真正面から喧嘩売りにくるなんて、トチ狂ったか？

あっそ…お褒めの言葉、どーも。

で？アタシのことも封印しにきたってか？

は〜…なるほど。

長年、代々王家に仕えてきた忠実な悪魔を切り捨てようって？

ざけんなよ、コラ。

いくら大王様でも、やっていいことと悪いことがあるよなぁ？

はぁ？アタシが？そんなことするわけねー…

…わけねーじゃん！あははっ！

そうだよ！このアタシが人間どもに戦争をさせたんだ！

いいよなぁ…あの匂い。

人間どもが互いに互いを滅ぼし合ってた後に残る、死と破滅の匂い…！最っ高だよ…！

なぁ、大王様…と、そこの人間。

アンタら、人肉食ったことあるか？

結構美味いぞ、アレ。病みつきになる。

ははっ！そうカッカすんなって！

アタシが食ってんのは戦場に残った死人の肉だけさ。

案外、その辺に転がってるしオヤツには最適だな。

いいねぇ、大王様。

戦いはお互いガチじゃないと面白くねぇ。

アタシも大王様…いや、偉大なるソロモン王の肉を食えば、72柱最強の悪魔になれるかもな。

序列一位のアイツにだってきっと…

あん？なんだ、お前……

はぁ？お前が？大王様の代わりに戦うって？

はははっ！いい度胸してんな、お前！

いいぜ。だったら前菜として、まずはお前から食ってやるよ。

はーん…将来魔王になる男、ねぇ…

面白いホラ吹くじゃねえか。

一応アタシも自己紹介しておこうか。

アタシは72柱の一人で、序列38位の悪魔、ハルパス。

今は序列は宙ぶらりんだけどな、これからどんどんのしあがっていってやるんだ…！

お前もそのための犠牲となれ…！



ハハッ…！お前、案外やるじゃねえか…！

大王様が助っ人として見込んだだけはあるな、おい…

くそっ…くそくそ！

なんだってアタシがこんなところで、封印されなきゃいけねーんだ…！

な、なぁ、大王様…

もう人間同士、争わせたりしないからよ…

アタシを永久封印するのは考え直してくれねえか…？

…っ、の野郎…！

いいか、ソロモン王⁉︎

テメェがいくら悪魔に抗ったところでな、人間の中に悪意がある限り、アタシらは何度でもよみがえんだよ！

そう…何度でも何度でも何度でも！

お前もだ、助っ人野郎！

将来魔王になるんだかなんだか知らねえが、お前も悪魔の掌の上からは逃れられねえんだよ！

はぁはぁ…テメェらがどこまで心折れずに戦い抜けるか、見ものだな……はははっ！あははははははっ！

・台本（ゆるボイ！）
真の魔王となるための新たな戦いが始まった〜ソロモン72柱・ハルパス編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎