続編はこちらです。

SE：草木を踏み締めながら疾駆する足音

#息を切らせながら

ハァッ...ハァッ...ハァッ...！

いいから、早く来いッ...！

ハァッ...ハァッ...じゃないと、村が...ッ！

ハァッ...ハァッ...ハァッ...ハァッ...！

SE：足音が止まる

#目を大きく見開き、息を飲む

...ッ！？

#声を震わせながら

ウ、ウソだろ...？

そんな...どうして...ッ！

#慟哭する

ウッ...アッ...アアアアァァァァァッッ！！

父さんッ...母さんッ...皆ァッ...！

ウゥ...エグ...アァ...ッ。

グス...何が、起きたんだ、って...。

#憎しみを込めながら、叫ぶ

ッ...そんなの、見れば分かるだろ...！？

殺されたんだよ！

オレを除いて、全員ッ！

それも、アンタを殺したと勘違いした人間達の手で...ッ！

#涙声で

グスッ...皆、必死に、訴えたんだよ...。

この場にいないだけで、アンタは保護してるって...。

なのに、人間達は、獣人の言うことなんか信じられないとか言い出して、手当たり次第、殺し始めて...。

だから、父さんと、母さんは、オレに貴方を探してくるよう、密かに送り出して...。

それなのに、アンタを見つけて、帰ってきたら...ッ！

#憎悪を込めながら、叫ぶ

ッ...そうだ...全部、アンタのせいなんだよッ...！

記憶喪失のアンタが、この村に流れ着かなければ...！

オレ以外の皆が、たとえ人間であっても、面倒を見てあげるべきだって、言い出さなければ...！

オレが、アンタと一緒に過ごす内に...好きにさえならなければッ...！

誰一人...死なずに済んだのに...ッ！

#静かに嗚咽を漏らす

グスッ...ヒック...エグッ...。

#歯を食い縛る

ッ...！

#憎しみを込めながら

オレ、決めた...。

一人残らず...皆殺しにしてやる...。

オレの大切なものを奪った、人間を...。

オレが好きなアンタ以外の、人間を...ッ！

#狂気を孕んだ笑みを浮かべながら

クヒ...クヒヒ...もちろん、アンタも、協力してくれるよなァ...？

#冷たい声で

...なんで、目を反らすんだ...？

もしかして...オレを、見捨てる気か...？

人間達に、家族も村人も殺されたオレを...。

しかも、お世話になったはずのアンタが...？

まさか、そんなことないよな...？

...それは、違う...？

だったら、今すぐ、約束しろよ...。

オレと一緒に、人間を根絶やしにする、って...。

他の皆を救えなかった罰として、一生、オレを守る、って...。

出来るだろ...？

オレが大好きな、アンタなら...。

#邪な笑みを浮かべる

...キヒヒ。

そう言ってくれると、思ってたぜ...。

SE：衣服が擦れる音

#左耳、至近距離に移動

#吐息

ンッ...ハァ...。

#囁き

じゃあ、オレ...信じてるからな...。

アンタが、絶対に、復讐を成し遂げてくれること...。

そして、オレを、ずっと愛してくれてること...。

SE：衣服が擦れる音

#右耳、至近距離に移動

#吐息

ンッ...ハァ...。

#囁き

キヒヒ...だから、オレも、アンタを愛し続けてやるよ...。

アンタが、苦しんで、苦しんで...最期に惨たらしく死ぬ、その寸前までな...。

クヒッ...クヒヒヒ...。

・台本（ゆるボイ！）
【フリー台本】人間の自分を助けてくれたオレっ娘獣人少女がヤンデレ化して復讐に利用してくる【ダークファンタジー】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣