偶然隣に引っ越してきたという強引で献身的な後輩に合鍵を渡したら、案の定寝込みを襲われ、マーキングされてしまう…

[自室］

（インターホンが鳴る。ドアを開ける）
こんにちは。隣に引っ越してきた…
あっ！あぁ！先輩！？先輩じゃないですか！！
忘れてないですよね？私ですよ！部活も一緒だったじゃないですか。

思い出しました？
あ、待って、待ってください！ドア閉めようとしないで～！
もう。分かりますよ？先輩が高校時代に良い思い出無いのは分かってますけど！
せっかく”偶然”再会したんですからお話ししましょうよ。
ふふ。じゃあ、部屋に入れてください。


（部屋に入る）
う～ん、なんかあんまり生活感がありませんね。先輩の部屋。
料理とかしてる感じもしないし…ちゃんとご飯食べてます？
やっぱりちょっと痩せましたよね。
…えい。うわ、肋骨浮いてるじゃないですか。
くすぐったかったですか？あはは。ごめんなさい。

………えい。わあ、怒らないでください！
さっきの先輩のリアクションが可愛かったので、つい…


うーん、一年ぶりとはいえ先輩もあんまり変わってませんね。
進学したとは聞いてましたけど。
というかここに住んでるってことは大学は私と一緒ですよね。学部はどこなんですか？
あぁ、学部も私と一緒なんですね。じゃあ大学で出くわしちゃったりして。

いやぁ、でも、良かったです。私一人暮らしとか初めてなので。
こんな近くに先輩がいると心強いなぁ。だって隣ですよ！お、と、な、り。
ふふ、これからよろしくお願いしますね。



［翌日。自宅。］

（鍵を開ける。ドアを開けて部屋に入る。）
あ、先輩。おかえりなさい。
今ご飯の用意してますからもうちょっと待ってくださいね。
え？どうしたんですか？
…あぁ、昨日合鍵をもらうのを忘れていたので今日はベランダから失礼しました。
ちゃんとベランダの窓も鍵閉めないとダメですよ？
それと、あとで合鍵もくださいね。毎回ベランダから部屋に入るのは嫌ですから。
なんでそんな顔してるんですか？
まあ、いいです。もう少しでできあがるので座って待っててください。
今日はカレーです。先輩、好きでしたよね。
えぇ？変な物なんて入れてませんよ。失礼ですね。
私、カレーには自信あるんで食べてみてくださいよ。


おいしかったですか？よかった。
先輩、美味しそうに食べてくれるので作りがいがありますね。嬉しいです。
食器の後片付けもしておきますから、先輩はゆっくり休んでください。ね？
あと、忘れないうちに合鍵お願いします。
そりゃあせっかくお隣になったんですし、毎日ご飯作りに来ますよ？
もう、別にいいですから、合鍵、ください。
それから明日の朝は洗濯もしようと思うので、今日のうちに洗濯ものまとめておいてください。
それじゃ、私は一旦帰りますね。また明日。



［翌朝。自宅ベットで］

（後輩に起こされる）
先輩。起きてください、先輩。
もう昼になっちゃいますよ～。あ、おはようございます。
最近ちゃんと眠れてないんじゃないですか？お昼ご飯作っても、お部屋の掃除しても起きないんですから。
さ、ご飯できてますよ。ほら、着替えてください。恥ずかしい？ご飯の準備してるのでそっち見てないですよ～だ。
それにしても先輩、部屋にエッチな本とか置いてないんですね。もしかして全部デジタル派ですか？
大体、健全な大学生は休みの日には彼女とデートにでもいくものなんじゃないですか？
まぁ、先輩に彼女なんていないのはわかってますけど。
え？じゃあいるんですか？ふふ、そうですよね。先輩が彼女を作れるなんて思ってませんよ。

はい？どうしましたか？どうして先輩の家が分かったのか、ですか？
それは先輩のご家族に…
あ、いえ、たまたまです！そうたまたま！偶然！
と、ところで！その卵焼き、本当は朝ごはんのつもりで作ったんですけど。しょっぱいので良かったですよね。甘い方より。はい。喜んでもらえて良かったです。

先輩、今日は食器の片付けはお願いします。
はい。この後、住民票の手続きをしてくるので…また、来ますね。



［翌日深夜。自宅ベットで。］

（後輩ちゃんが馬乗りになっている）
あ、起こしちゃいましたか？
動かないでください。私が馬乗りになってるんですから、そう簡単には起き上がれませんよ。
今ですか？まだ深夜です。はい。ちょうど日付が変わったところです。
こっそり先輩の寝顔を覗きに来ただけだったんですが…我慢できなくて、つい。

だって先輩、ガードが薄すぎますよ。
ベランダの鍵が開けっ放しだったりしたので気になっては居ましたが…
そもそも、大して仲良くもない後輩に簡単に合鍵を渡してしまうなんて、意識が低すぎです。
本当はもっと時間をかけて先輩と仲良くなろうとか、計画してたんですよ？
なのにあんなに簡単に合鍵をくれるなんて…
もしかして何か期待してたんですか？もうそれ、誘ってますよね？？そういうことですよね？
だから私がこうして私が我慢できなくなったのも、先輩のせいです。

実際、私にこうされるのはいやじゃないんですよね。
それどころか、体の方は喜んじゃってますよね、コレ。
あ、びくってした。かわいい。やっぱりこういうのは不慣れなんですか。


え？えぇ、はい。その通りです。私が隣に引っ越してきたのは偶然ではありません。
理由はその…は、恥ずかしいですが…す、好きだったんです…

というか！なんなんですか！？先輩のその態度！夜中に部屋に忍び込まれて、しかも押さえつけられえるんですよ？？なんでそんな余裕あるんですか…
いつから好きだったのか、とか聞くことは無いんですか！？恥ずかしいとは言いましたけど！
それに…それに、本当にいやじゃないんですか？

（声が近づく。耳元で。）
わかりました…じゃあ、今日から先輩は彼氏ですね。そうです。彼氏です。私たちはカップルです。
ふふ、嬉しいです。
でも、先輩はガードが緩くてとっても心配なので、マーキングはしっかりさせて貰います。
他の人に盗られたら嫌ですから。そんなの許せません。
大丈夫です。先輩はそのまま横になっててください。私が全部やりますから。私が満足するまで、きっちり印をつけます。
先輩…やっぱり可愛いですね。
明日はお休みですから。ゆっくり楽しみましょうね。

・台本（ゆるボイ！）
引っ越してきた後輩に合鍵を渡したら、案の定襲われる話。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
奏流 漁(幼女かなで)