0
彼女がアナタを傷付ける理由
written by 霜月鷹
  • 監禁
  • ヤンデレ
  • 学生
  • 同級生
  • サディスト
  • 敬語
公開日2022年04月15日 06:43 更新日2022年04月15日 06:43
文字数
2206文字(約 7分22秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼女
視聴者役柄
監禁されている彼氏
場所
彼女の自宅
あらすじ
いつも明るく笑顔で誰からも好かれる──それが、貴方のよく知る彼女の姿だった。
しかし、ある日突然、彼女は貴方の事を自身の家に閉じ込め、自分が怪我をするたび貴方に暴力を振るうようになった。
怒っている訳でもなく、貴方を殴るという行為を楽しんでいる訳でもなく、ただ「怪我をしたから」という理由で貴方を傷付ける。


今日も、彼女は怪我をして帰ってきた──指先に、一枚の絆創膏を貼り付けて。
本編
(雨音)

(ドアが開く音)

ただいま帰りました……今日は急に雨が降ってきて、そのせいでこんなに……こんなにびしょ濡れになってしまいました。
大学ではいつも通り、たくさん勉強して、お昼になったらご飯を食べて……その後は、また勉強をして……だいたい、そんな感じでした。
そういえば……以前と比べて、貴方の事を話題にする人が減っていたような気がします。
貴方が大学に顔を見せなくなってから今日で二か月──
「真面目で勤勉な貴方が無断欠席を繰り返しているなんて何かあったのか」……最初の頃はそう騒ぎ立てている方も居ましたが、今ではそんな事を言っている方は一人も居ません。
うふふ……皆さん、とっても薄情はくじょうな人ですよね。
同じサークルの方達も、貴方の事なんてまるで最初から居なかったかのような口ぶりでした……でも大丈夫ですよ、貴方の事は私がしっかりと覚えています。
この部屋に繋いで、縛って……貴方が私の愛を感じられるように、丁寧に「保護」していますから。

あ……そういえば私、授業中にノートの端で指先を切ってしまったんです。
あんなに薄い、単なる紙切れでも傷が出来てしまうなんて……人間って、意外なくらいに脆いですよね。
どうしたんですか、そんなに怯えたような顔をして?
大丈夫ですよ、すぐに終りますから……だからいつものように、そこを動かないでくださいね。

(強く殴る音)

あの……私は貴方の事を軽く叩いただけなのに、少し、その……オーバーリアクションではありませんか?
そんなに歯を食いしばって、目に涙を浮かべて……でも、それはきっと、貴方が「痛い」と感じたからなのでしょうね。
あぁ……かわいそう……私が叩いた場所、痣が出来ていますね。
痛い、ですよね……でも大丈夫、痛いのは今だけです。その傷が治れば、きっと痛みも無くなります。
それが……それが痛みというものですから。

ん……どうかしましたか?何か、私に頼み事ですか?
それでしたら遠慮なく言ってください、私は貴方の頼みならなんだって……いえ、此処から出たいという要望を除けば、なんだって聞いてあげますから。
「どうして自分を痛めつけるのか」……痛めつけるだなんて、そんな……私はただ、私の痛みを貴方に感じてもらいたいだけです。
この絆創膏の下、ノートの端で切られて血が出た時の痛み……それを貴方に感じてもらいたかったんです。
今までのだって同じです、私の怪我と同じだけの痛みを貴方に感じてもらう……ただ、感じてもらいたかっただけなんです。
「痛みの程度が違う」……?何を言ってるんですか……痛みに違いなんてありません、ある筈がありません。
だって……だって人は皆、痛みを感じれば顔を歪めるでしょう?傷を抑えて、痛みに耐えようとするでしょう?

……違うん、ですね。

貴方が知っている痛みと、私の知っている痛みは……全然、違う物なんですね。
これはもう、隠すことは出来ないようですね……今まで黙っていてごめんなさい。

私は痛みを感じることが出来ない……いいえ、痛みどころか私は何かに触れても、それを感じ取ることが出来ないんです。

私には昔から、感覚というものがほとんど存在しないんです。
歩いていてもその感覚が分からない、水に触れてもその温度が分からない……怪我をしても、その痛みが分からない。
外からの刺激を感じられない私は昔から感情にも乏しくて、でも、それを悟られるのが嫌で、多くの人から望まれる「良い子」を演じていました。
でも、あの日……初めて貴方に会ったあの日、私は今までに感じた事のない何かを感じました……後から友人に聞いたのですが、その何かは「恋心」という気持ちだそうです。
何も感じる事のなかった私にそんな素敵なモノを感じさせてくれた貴方……私は、貴方に夢中になってしまいました。
そしてあの時、貴方が怪我をして痛がっているのを見て、痛みがどういうものかが分かったんです。
体に傷が出来た時、人は痛みを感じる──それはとっても辛そうなモノで、耐えがたいもの。
でも、私はそれを感じることが出来ない……指先を切っても、火傷をしても、階段から落ちても、その痛みを感じることが出来ない。
傷があるのに痛まないなんて、そんなのは異常です……私は、私は異常なままで居たくない……私が異常だなんて、絶対に認めたくない!
でも、そんな私でも痛みを知ることが出来る……誰かが痛みに苦しんでいる時、その姿を見る事で、私も痛みを知ることが出来る。
そうやって痛みを知れば、私は皆と同じように「正常」でいられる……だから、私にそれを教えてくれた貴方に、私が負った傷の痛みを感じてもらう事にしたんです。

あぁ……そういえば今日は、指の傷以外にもたくさん、体を色んなところにぶつけてしまいました。
ふらふらとしていて、机や椅子に、なんども足をぶつけてしまいました。
これはきっと、いっぱい傷が出来ているでしょうね……なら、その傷の分も貴方に感じてもらわないと。

(繰り返し殴る音)

はぁ……はぁ……貴方……とっても辛そう……たくさん叩かれて、全身がボロボロですね。
ありがとうございます……貴方のおかげで、私はこの傷がどのような痛みをもたらすモノか分かりました……私の体にある傷は、それほど辛く苦しいものなんですね。
よしよし、大丈夫ですよ……私が傍に居ます。
普通の人は、こうして大切な人が傍に居るだけで痛みに耐えることが出来る……小さな頃、学校の先生にそう教えてもらいました。
大丈夫ですよ、安心してください……これから先もずっと、例えどんなに困難な事があっても、私は貴方と一緒に居てあげます。

だから貴方も、どうか私の拘束……私の愛情に包まれて、いつまでも、私の隣に居てくださいね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
彼女がアナタを傷付ける理由
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
霜月鷹
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を書いてるタヌキ的な「何か」です。
もし宜しければ、使用実績の方もお願いします…!
有償販売利用の条件
有償・無償問わず演者側キャラクターの性別変更、罰ゲーム等への使用は御遠慮願います。
利用実績(最大10件)
霜月鷹 の投稿台本(最大10件)