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ずっと帰りを待ってくれていた聖女である幼馴染が闇堕ちして破滅の魔女となった
written by 松平蒼太郎
  • シリアス
  • ファンタジー
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  • 少女
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  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
  • 魔女
  • 闇堕ち
  • 聖女
公開日2022年04月19日 15:53 更新日2022年04月19日 15:53
文字数
2170文字(約 7分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
聖女→魔女
視聴者役柄
旅人又は冒険者
場所
某所
本編
あれ?もう行くの?

もっとゆっくりしていけばいいのに…

そうなんだ…無理だけはしないでね。

うん…自分の身体を大切にね。

あとこれ…お守り、持っていって。

そう、十字架。きっと神様が君を守ってくれるから。

辛くなったり、しんどくなったりしたらいつでも帰ってきていいからね。

そうだ。行く前に少しだけ祈らせて。

神よ、危険な旅路を行くかの者を、その偉大なるお力で守りたまえ…アーメン。

これでよしっと。祈らせてくれてありがとう。

うん、行ってらっしゃい。気をつけてね。




あ……君、久しぶり!

こんなところで会うなんて奇遇だね!元気してた?

あ、うん。わたしは巡礼でちょっとね。

そう。世界が平和になりますようにっていうのと、あとは…

あとは君の旅が無事終えられますようにって祈ってきた。

祈ってきたっていうか、祈ってまわってる最中なんだけどね。あはは…

あれ?君、なんか調子悪そうだけど…大丈夫?

旅の疲れ?そっか…

何回も言ってるけど、無茶は禁物だよ。

君、よく自分の限界超えて活動するから心配。

え?なんて?ごめん、よく聞こえなかったんだけど…

あっ!ちょ、ちょっと待って!どこ行くの⁉︎




はぁはぁ…見失っちゃった。どこ行ったんだろ…

本当に大丈夫かな…調子悪そうだったし。

ううん、大丈夫。神のご加護があればきっと…

大丈夫…だよね?




おかえり……ってちょっと待ってよ!

えぇ…疲れてるのは分かるけどさ、せめて湯浴みくらいしてから寝なよ。身体、汚れてるでしょ?

あぁ、ちょっと!……もー、身体くらい洗って休めばいいのに…

仕方ないなぁ…着替えと食事の準備だけでもしようかな。




結局、部屋から出てこなかったなー…

部屋の前に置いた食事は食べたみたいだけど…

そんなに疲れてたのかな〜…言ってくれれば、マッサージくらいするのに…

…あ、噂をすれば。どうしたの?こんな夜中に?

え?……な、何言ってるの?二度とここには帰ってこないって…

め、迷惑って何が?

わたし、君と長年付き合ってきたけど、君のこと迷惑だなんて一度も思ったことないよ?

え……悪魔堕ち…な、なんで?なんでそんなことに…がっ!

(首を絞められる)

や、めて……苦し、いよ……

(咳き込む)

ど、どうしちゃったの…こんなのおかしいよ…

黒魔術を行使した友人の代わりに、呪いを引き受けた…?

そ、そっか…大事だったんだね、友達のこと…

うん…分かるよ。君は優しい人だから…

親しい人が苦しんでるのを見捨てられなかったんだよね?

でも…正直に言っていい?

君がそんなふうになるくらいなら、友達なんて助けてほしくなかった…!

自分を大切にしてって、いつも言ってるのに…!どうしてわたしの言いつけを守れなかったの⁉︎

嫌だよ…悪魔になったら君は教会から討伐されちゃう…

行かないでよ…悪魔になってもいいから、ここにいて…

わたしがなんとかするから…!君にかかった呪い、解いてみせるから…!

…あれ?なんで…なんで加護の力が働かないの…⁉︎

神聖な場所でやってるのに、どうして…⁉︎

え……そ、んな…一生解けない呪いなんて聞いてない…

そ、そんなことない!神さまはいつだってわたしたちのそばにいる!きっと最後には君のこと救ってくれるよ!

あ……どうしても、ダメなの…?

大切な幼馴染一人助けられないの…?わたしは…

やめてよ…行かないで…

わたしのそばから離れないで…!




……謝罪が聞きたかったわけじゃない。

最後に好きだなんて言われても嬉しくないよ…!

告白ならもっとちゃんとした場面で言ってよ…!バカぁ…!




…見つけた。よかった、間に合って。

久しぶりだね。生きててよかった。

うん…わたしは元気。大丈夫。

あ、ごめんね。頭のフード、邪魔だよね。顔見えないし。

(フードをとる)

ちょっとだけ不細工になっちゃったけど…ごめんね?

うん…わたし、聖女から魔女になったよ。君を救うために。

ほら、東の国の言葉に「蛇の道は蛇」っていうのがあるでしょ?

君に宿ってる悪魔の力に対抗するには、同じ魔の力しかないと思って。

そう。君にかけられた薄汚い呪いは、わたしが解いてあげる。

その代わり…君はわたしの眷属になってもらうよ。

こうするしかないんだ…君を助けるためには。

わたし、分かったの。神様は君のこと助けてくれないって。

神様が救うのはあくまで人。

人でなくなった君を神様は救ってくれないんだってさ。

そんなの許せないよね?あの時、君はまだ人であろうとしたのに…

君、今追われてるんでしょ?

中央の教会から派遣された聖騎士の連中に。

君を眷属にする前に…奴らを滅ぼしてくる。

すぐ終わるから待ってて。どこにも行っちゃダメだからね。




お待たせ。数が多くてちょっとだけ手間取っちゃった。ごめんね。

え?破滅の魔女?何それ?わたしのこと?

ふーん…そうなんだ。わたし、世間ではそんなふうに呼ばれてるんだ…

ふふっ…いいね、それ。今のわたしにピッタリだ。

今までわたし、自分の邪魔をしてくる人全員消しちゃったからだね。

…?どうして謝るの?君は何も悪くないよ?

あぁ…気にしないで。わたしがやりたくてやったことだから。

君を助けるためだと思えば魔女堕ちくらい、安いものだよ。

(抱きしめる)

…泣かないで。もう大丈夫だから。

やっと君を救う力が手に入ったんだ…むしろ喜んでほしいな。

君が眷属になれば、ずっと一緒にいられるね。

そうだ。あの時の返事、するね。

(キス)

好きだよ、君のこと。この想いはずっと変わらない。

君と一緒にいられるなら、何を犠牲にしたっていい。

さ、体の力を抜いて…これから眷属化の儀式を始めるから。

痛くないし、すぐ終わるから大丈夫。

もうわたしのそばから離れないでね…約束だよ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ずっと帰りを待ってくれていた聖女である幼馴染が闇堕ちして破滅の魔女となった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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